「ヴァルキリー」とは、北欧神話に登場する女性または女性たちのことです。
戦場に現れ、生きる者と死ぬ者を決める役割があります。
まさに屍を乗り越えて進むイメージですね。
もう二度と会えなくなるのなら
この身で罰も受けよう
さぁ、剣を取れ
I'm still alive so wake up 戦場へ
出典: Valkyrie-戦乙女-/作詞:亜沙 作曲: 亜沙
死や倒れるという単語を使わずに「もう二度と〜」とするところが詩的ですね。
罰を受けることも厭わずに戦場へと突き進むなんて勇ましい限りです。
傷跡は消えないようだ
消えなくていいさ
受け入れたから
出典: Valkyrie-戦乙女-/作詞:亜沙 作曲: 亜沙
消したくても消せない傷跡や過去は誰にでもあるものだと思います。
素直に受け入れることができたら、もう消さなくても良いのかもしれません。
優しさの痛みの中
思い出してはただ浸るような
出典: Valkyrie-戦乙女-/作詞:亜沙 作曲: 亜沙
前半部は解釈のしようがたくさんあるように思います。
いくつか例をあげました。
ひとつは、自分が誰かを傷つけたような記憶で、優しくされる方がつらい。
ふたつ目は、とても受け入れられないような凄惨な出来事で、痛みを感じなかったら気が狂ってしまう。
みっつ目は、痛みがあることで生きていることを実感できる。
紅緒のキャラクターを考えると、ひとつ目。
兄のことでろくろに土下座して謝るシーンを連想させます。
ろくろ目線だと、ふたつ目。
雛月の悲劇以降漫然とした日々を送っていたからです。
引用箇所、後半部の内容から考えると、みっつ目になるような気がします。
深く息を吸い込んだなら
さあ、行かなきゃ
あたしを待ってる
出典: Valkyrie-戦乙女-/作詞:亜沙 作曲: 亜沙
待ってくれる人達がいるというのは嬉しいものでしょう。
しかし、この場合待っているのは、戦であり敵です。
わたしではなく、あたしとすることで少女感が演出されているように感じます。
ねえ、罪は赦されるの?
償うなら笑ってもいい?
出典: Valkyrie-戦乙女-/作詞:亜沙 作曲: 亜沙
自分が犯してきた罪の重さをはかりかねています。
とても暗いテーマであるのに、「笑ってもいい?」と軽く流すところがユーモラスです。
歌詞解釈まとめ
過去の傷や、自分の犯してきた罪に耐えながら戦い続ける少女の心情が描かれています。
生きるか死ぬか。
その重圧は相当なもののはずです。
それでも前向きに生きる姿が見えてきます。
アニメとリンクさせて、その世界観に浸るのも楽しみ方の一つです。
PVはこちら
煌びやかな光が舞うPV
和楽器バンドの映像作品は、ストーリーを感じさせるものがあり圧倒されてしまいます。
この作品でも、その説得力は健在です。
強烈な光を放つライトが、色々な角度から動き回っていますね。
効果的かつ印象的な演出です。
同時に、この光が歌詞の「光の矢」を連想させます。
終わりに
サウンド面を考察しますと、イントロから入ってトーンが一度下がります。
その後だんだんと盛り上がって、サビで一気に吹き出すようなアレンジです。
歌詞の内容もそれに合わせたのか、サビだけ突き抜けて前向きに感じますね。
よく作り込まれたPVは、見るたびに発見があります。
8人全員にカメラを向けるということは、それだけカメラの切り替えが多くなるのでしょう。
それだけでもめまぐるしいのに、光やらステージやらで演出されるのでさらに激しく動きます。
こういうところも和楽器バンドが持つ個性なのかもしれませんね。
従来の大所帯ユニットのPVといえば、ボーカルと主要メンバーばかり映ったものでした。
後ろの方のメンバーはその他大勢で片付けられてしまっています。
和楽器バンドにはそれが無いのです。
それぞれに見せ場があります。
こういったぶつかり合いがまたバンドらしさを更に強くしているように思えてなりません。