ここでも、この楽曲が発表された当時の世界の状況とリンクしている言葉が書かれています。
新型コロナウイルスの影響により、ソーシャルディスタンスが促されている世間の様子。
それは握手会や劇場での公演を主な活躍の場としてきたAKB48にとって苦しい状況であることは疑いようがありません。
何故なら、距離を保たなければいけない状況下ではそのような活動ができないからです。
そして、そんな状況下で彼女達の出来る唯一のことは離れながらも心は人々に寄り添って歩いていくこと。
それを距離は離れながらも共に歩いていくという表現によって言い表そうとしたのではないでしょうか。
遠くても繋がっている
心は繋がっている
君は一人を寂しがっているけれど
その手と手が触れなくても
いつだって僕はここにいる
出典: 離れていても/作詞:秋元康 作曲:饗庭純
そしてそんな世界の状況によって、中々人とも会えず、家で1人でいる時間も増えてしまいました。
その状況に寂しさを感じている人も多いことでしょう。
しかしながらそんな状況の中でも、私たちは様々な手段で繋がっていられるのです。
インターネットの発達によって、距離が離れていても連絡を取り合ったり、情報を得ることが可能になりました。
そしてそのことは私たちの寂しさを和らげてくれる一因にもなっています。
たとえ会うことができなくても、心は繋がっている。
彼女たちはファンにそう伝えたいのではないでしょうか。
大切だからこそ
大切な人を守るそのために 抱きしめるよりも 今は遠い場所から
会える日まで元気でいて それだけ願う
出典: 離れていても/作詞:秋元康 作曲:饗庭純
新型コロナウイルスの影響により、友人や恋人、家族などと会うことが容易では無くなってしまった。
リスクを避けるために会わないという選択肢は、その人のことをそれだけ大切に思っているということを意味しています。
ウイルスの流行により、抱き締めるだけが愛情ではないのだということを人々は実感しました。
そして場所は遠くても想い合うことで乗り越えられる苦難もあるのだと、この楽曲は私たちに伝えてくれているのでしょう。
お互いの健康を願い合うことによって、支え合うことができるということを楽曲は伝えたいのだと考えられます。
物理的な距離を乗り越え、お互いを想い合えるのは私たち人間だからこそできることだといっても、過言ではないでしょう。
距離がある中で気が付くこと
希望に向かって
離れてた日々が僕らを強くするんだ
どんな涙もやがては乾くもの
希望はそこから始まる
出典: 離れていても/作詞:秋元康 作曲:饗庭純
思うように行かない現実に心が折れてしまいそうになることもあります。
大切な人と会えない時間も、そんな現実の一種だといえるでしょう。
しかしその時間も、振り返った時には自分達にとって強くなるきっかけの1つとして考えられるに違いない。
悲しみというものはいつまでも持続する訳ではなく、その先には必ず希望が存在しているのです。
出口の見えない状況にありながらも、希望を見失わないようにして欲しいと楽曲は伝えたいのでしょう。
悲しみの先を見据え、ポジティブさを保つことで私たちはまた再会できるといいたいのかもしれません。
その尊さに気が付くこと
人と人とがくっつきすぎない方が
温もりとか思いやりに
いつの日か気づく日が来る
出典: 離れていても/作詞:秋元康 作曲:饗庭純
このパートでも人間同士の距離について言及しています。
ここではお互いの気持ちに気が付くための良い機会だと私たちに伝えようとしているのではないでしょうか。
大切な人がずっと側にいる状況では、中々その大切さに気が付くことができなくなります。
それは何故かというと、隣にいるということが当たり前になってしまうからです。
しかし、距離を保たなければいけない状況になり、当たり前が当たり前ではなくなってしまいました。
そのことによって私たちは嫌が応にも、その大切さやかけがえのなさに気が付くこととなったのです。
その大切さに気がついたことで私たちは元の日常に戻ったとしても、その日々の尊さに目を向けることができます。
隣にいられることが特別なことなのだと知ることで、私たちは新たな日常をより良く生きていけることでしょう。