カゲプロ「人造エネミー」の歌詞の意味を徹底解析‼

カゲロウプロジェクト。略称「カゲプロ」とはボカロPである、じん（自然の敵P）のマルチメディアプロジェクトの事をいいます。
一曲一曲が完結するのではなく、それらは全て続いた長い物語として展開されており、動画サイトには現在もさまざまな楽曲がupされています。

「カゲプロ」は2014年4月「メカクシティーアクターズ」という作品としてアニメ化されました。
他にも、CD・小説・漫画…等々その独特な世界が様々な分野に広がり、若年層を中心に多大な人気を得ているのです。


この物語は8月14日と15日の間で巻き起こります。

----やけに煩く響く蝉の声。
嘲笑うように揺らめくカゲロウ。

真夏のある日にある街で起こった不可解な一つの事件。そこで繰り返される悲劇……

それらを中心に、不思議な能力を持った少年・少女達の視点が、様々に絡み合っていくのです。

今回紹介する”人造エネミー”に登場する主人公。榎本貴音、通称”エネ”
人間ではなく、電脳世界で生きるAIのようなものである。

髪は透き通るような水色のツインテールで、手先が見えない伸ばした緩い袖と欠けた足が特徴。
天真爛漫で明るい性格をしていてシンタローの事を”ご主人様"と呼び慕っている。

彼女は電子少女となる前は高校に通うただ普通の少女であったが、とある事件で肉体を失ってしまう。
その時に"目を覚ます"特殊能力により、不老不死の電子体に生まれ変わった。
ゆくゆくはシンタローと共に、能力者が集まるメカクシ団に入団することになる。

如月伸太郎。通称"シンタロー”

程よい長さのストレートな黒髪に、シャツに赤いジャージを羽織った非常にラフなスタイル。
二次元オタクであり、コミュ障、更に引き篭もりといった悪い三拍子が揃ってしまっている。

エネの持ち主で、親友の死をきっかけに部屋に閉じ篭るようになりネットの世界に入り浸った生活を送っている。

”目を背ける話”

エネは部屋に閉じ篭るシンタローを心配し、励ましの言葉をかけ続けるのですが
その想いは届くことなく、シンタローの心は荒んでいきます。

タイトルはその名の通り”人造”
つまりは人の手によって作られた世界で生きる電子少女、エネの存在を表しています。

歌詞に何度か出てくるフレーズ　”最善策"を君は知っている。
君＝シンタロー。では、最善策とは一体何の事なのでしょうか？

実は彼は、IQ168という天才的な頭を持っているのです。
それなのに彼自身はその能力を良くは思っておらず、むしろ無意味で煩わしいものだと感じている様子。

夢の消えた毎日を 繰り返していたって 意味などないよ。と
素晴らしいこと言うね
君もそう 非現実を愛してます　なんて指(PCのキーボード)では言うけど
口では何も 言えないのにね

顔も声もない人と 繋がってるなにかを感じてる
それはきっと 相思相愛じゃないけど
そうやって今日もまた 一日が終わるけど
君は生きたようなフリをして して　そして眠る

※夢(アヤノが居た頃の時間)の消えた毎日なんて、生きている意味も価値もないだろう。
そう語るシンタローにエネは『素晴らしい事を言いますね』なんて、皮肉っぽく笑って続けた。
『君はPCを通してなら何だって言えるけど、自分の口では何も言えないでしょう？』

※画面の奥の顔も声すらわからない人達との間に、愛なんて存在するはずがないというのに。
君はそれでも構わないというのだろうか？
そんな風に何の進展もない今日がまた終わってしまい、夜になれば眠りにつくだけ。
それで本当に生きていると言えるのだろうか？