ベースの構え方

まず最初はベースの基本的な構え方からです。 エレキベースは、エレキギターと見た目は似ていますが、エレキギターと比べてネックが長いという特徴があります。 そのため、構え方やストラップの長さをきちんと調節しておかないと、プレイしているときに思いのほか体に負担がかかることになってしまいます。 そうならないためのポイントをここではいくつか解説していきます。 ※この記事では原則、右利きの方を想定して解説していきますので、左利きの方は左右を逆に読み替えて理解してください。

ヘッドをボディより高く

ストラップをつけてベース本体を構えるとき、立った状態で正面から見るとベースのヘッドが、ボディよりも高い位置に来るようにベース本体を水平よりやや斜めに構えます。

エレキベースはネックが長いため、水平に構えるとローポジションを弾くのに腕を大きく伸ばさないといけなくなり、腕に負担がかかってしまいます。

少し斜めに構えてヘッドがより体に近づくようにすると、腕の負担が軽くなります。

手を添えずにストラップだけで楽器を肩から下げるとヘッドが自然に下がってくるような、ヘッドの重いバランスの楽器もありますが、その場合は右手の肘と左手で本体をしっかり支えてヘッドが下がらないようにします。

●ヘッドが高くなるように少し斜めに構える

ストラップの長さ

ストラップはどのくらいの長さがいいか?

特にこうすべきという決まりはありませんが、ストラップの長さが影響してプレイしづらくなってはしょうがないので、まずいちばんに演奏しやすく、腕や肘に負担のかからない長さにしましょう。

たとえばジミーペイジみたいにすごく長くすると、見た目はかっこいいかもしれませんが、右手が伸びきってしまいピッキングがやりにくくなります。

それに、左手もハイポジションでのフィンガリングがスムーズにできなくなるので注意が必要です。

スラップを頻繁に使う人は逆にストラップを短くして、右手を胸の前で構えるような格好を好む傾向があります。

これも、あまり短くし過ぎるとスラップのストロークで上手く力が入らなかったりしますし、ツーフィンガーだと肘と手首をかなり曲げないといけなくなって構えがとても窮屈な感じになってしまいます。

左手も、ハイポジションは押さえやすくなりますが、ローポジションでは手首と肘を大きくひねらないと押さえられないので、腕に負担がかかります。

ストラップの長さを調節するときは必ず立って楽器を構えてみます。

自分の使う奏法をひととおりやってみて弾きづらいところがないか、左手もローポジション、ハイポジションともに押さえてみて上手く押さえられないところがないか、などを入念にチェックして自分がいちばんしっくりくる長さに調節しましょう。

ピッキング

ここでは、弦をはじいて音を出す側である右手の奏法について解説していきます。

ピッキングの種類

ベースを始め弦楽器の多くは、右手の操作によって音を出します。

もちろん左手の押弦によって音を出すテクニックもありますが、ここでは基礎的な知識として右手による代表的な奏法であるツーフィンガー、ピック弾き、スラップについてそれぞれ弾き方を解説していきます。

ツーフィンガー

ベースの奏法ではツーフィンガーが最もオーソドックスな弾き方だと言えるでしょう。 ポップスをはじめジャズやブルーズ、ソウルミュージックなど、あらゆるジャンルで使われる奏法がツーフィンガーです。 ツーフィンガーでプレイすると、ベースの音色が太くて柔らかく暖かい音になります。 弾き方については、これも構え方と同じくプレイヤーによっていろんな個性的なスタイルがありますので、どれが正しいというのは決まっていませんが、一般的には人差し指と中指の二本を交互に使ってプレイします。 楽器によっても弾き方やポジションの取り方が違ったりするので、ここではジャズベースを例に解説していきたいと思います。

右手のポジション

ジャズベースはボディの真ん中にフロントピックアップ、リアピックアップという2つのピックアップがついています。

ネックに近い方をフロントピックアップ、ブリッジに近い方をリアピックアップと呼びます。

このうちフロントピックアップの方に親指を置いて、フロントピックアップとリアピックアップの中間あたりの弦を人差し指と中指で弾くというのが一般的なスタイルです。

●上のフロントピックアップの方に親指を置いて弾く

このポジションで弾くわけですが、ほとんどの人は人差し指と中指という、弾くのに使う2本の指の長さが違っていて、まず人差し指より中指のほうが長いと思います。

普通に肘から先を自然に伸ばして構え、そのまま真っ直ぐ指先を弦に当てると、指先と弦が垂直に当たることになります。

そうすると指の長さが違うせいで人差し指と中指で弦のタッチに大きく差がつき、音量にばらつきが出てきます。

そうならないため、2本の指でタッチのバランスがとれるように手首をやや親指側に倒して構え、指先と弦が垂直よりも斜めに当たるようにします。

要するに、より短い人差し指の方を、中指と同じくらい弦に近づけてあげるわけですね。

●弦と垂直よりも、少し斜めに指を当てて、短い人差し指を弦に近づけてあげる

あるいはフロントピックアップではなく、リアピックアップの方に親指を置いて、もっとブリッジ寄りで弾くということもあります。

出したい音色によって弾くポジションを使い分けるベーシストも多いのですが、弾くポジションがブリッジ寄りになるほど固く締まった音が出るようになります。

ただ、ブリッジ寄りになるほど弦のテンションが高くなるので、しっかり弾かないと上手く音が出せません。

なので初心者のうちはフロントピックアップ側で練習し、慣れてきたらリアピックアップ側でも挑戦するというようにしましょう。