新しい生活様式になって、物理的な意味で簡単に他人とは触れ合うことが難しくなりました。
しかし、このままずっと他人と触れ合わず・関わらずに生きていくことなどは不可能です。
それはあまりにも残酷ともいえるでしょう。
そういう時代ではないけれど、このままではいけないといった気持ちが見て取れます。
この時代のあり方に納得していない思いも感じました。
簡単に手を繋いではいけない時代だと分かっているけれど、何かを変えたいという気持ちが伝わってきます。
この歌詞には、希望はまだ捨てていないというメッセージが込められているのでしょう。
過去と未来はまるで多重露光
この世界をやり直すなら
過去と未来は多重露光
知恵と勇気が重なっていく
出典: 多重露光 feat.川上洋平(Movie Edit)/作詞:谷中敦 作曲:NARGO
「多重露光」とは写真撮影における技術の一つです。
1コマの中に複数の画像を重ねて写し込む技術のであり、多重露出や二重写しともいわれます。
フィルム式の場合は意図せずしてそうなる場合もあるのです。
過去と未来の現象は決して別々の次元で起きているわけではありません。
多重露出のように重なり合っているものです。
過去から続く道は直線ではなく、螺旋階段を上るかのように前進していきます。
もしこの世界をやり直すとするのであれば、どうすれば良いのかを伝えている歌詞です。
人は知恵と勇気を重ねて様々な問題を解決してきました。
同じように、世界を助けるためには知恵と勇気を重ねて努力する必要があるということなのでしょう。
解決は決して不可能ではない
過去と未来が直線状に並ばず重なり合うことで、美しい未来にたどり着くのかもしれません。
過去から積み重ねた知恵と勇気があれば今の困難を乗り越えることができると歌っています。
そうすれば、自分たちの住む世界や未来を取り戻す(やり直す)ことができるのではないでしょうか。
解決は容易ではないけれど、決して不可能ではないと説いてくれています。
その瞳はどこを見つめているのか
仮面というアイテム
仮面の中の瞳は
出典: 多重露光 feat.川上洋平(Movie Edit)/作詞:谷中敦 作曲:NARGO
仮面というキーワードが出てきたことにより、映画のタイトルでもある仮面ライダーが連想されるでしょう。
しかし大人になると誰もが何らかの「仮面」を被って生きています。
それはメールやSNSといった、リアルな自分を隠せるツールなのかもしれません。
自分の本心を悟られまいとする無表情の仮面ということもあるでしょう。
それ自体が決して悪いことではありません。
なぜなら人は本心を隠すことで社会の中で上手に立ち振る舞おうとするからです。
そして、それが大人というものなのかもしれません。
本当の自分を悟らせないための仮面ですが、その中の瞳は何を見ているのでしょうか。
仮面の奥に潜んだ瞳の視線をどこに向けているかでゴールは変わっていくのです。
たった一度の人生、視線の先には未来
一度限りの人生の
外側を見ていた
出典: 多重露光 feat.川上洋平(Movie Edit)/作詞:谷中敦 作曲:NARGO
この歌詞の主人公の瞳は、人生の外側を見ていたようです。
自分の人生の外側ということは、自分が生きる時代よりもっと先の未来を見据えているということでしょう。
今の苦しい状況を良くするために遠く先の未来を見据えているのです。
自分という名の人生はたった一度きりです。どのように生きても一度きりしかありません。
その人生をどのように生きるかを示してくれているようにも感じ取れました。