バンプ・オブ・チキンの曲の中でも一二を争う名曲
紛れもない藤原さんの唄
66号線という曲名を目にした時、頭に浮かんだのは、ジャズの巨匠ナット・キング・コールや歌姫ダイアナ・クラール、ローリング・ストーンズ、ドクター・フィールグッド、そしてジョン・メイヤーといったビッグネームがカバーしている、世界の名曲「ルート66」のことでした。
この曲は1946年に米国のボビー・トゥループが作詞・作曲した曲で、ついにバンプ・オブ・チキンがこれをやるのかという思いでした。
でも聴いてみるとまったく異なる、紛れもなく藤原基央さんのメロディと歌詞でした。バンプ・オブ・チキンの曲の中でも一二を争う名曲といってもいいくらいに心に染み込む曲です。
『COSMONAUT』というアルバムに収録
曲作りの乗り越えられない壁
「66号線」は2010年にバンプ・オブ・チキンが発表した『COSMONAUT』というアルバムに収録されている楽曲です。
それでいろいろと調べてみると、もう一人のバンプ・オブ・チキンと呼ばれることもある、彼らのプロデューサー森 徹也さんに捧げた曲というワードがたくさん出てきます。(まるでザ・ビートルズのジョージ・マーティンさんみたいですね)
「あなたが聞けという横で僕はこれを書いてる」、「こいつにはなんにも敵わない」
という歌詞を読んでいくと、確かに曲作りに悩んでいるときに、森 徹也さんから受けた影響を乗り越えられないという意味にも受け取ることができます。
歌詞の内容とはまったく関係性を感じられないタイトル
66がキーワード
それと、この曲で考えてしまうのがタイトルですよね。
曲も歌詞も素晴らしいのですが、タイトルだけが意味不明です。曲の中で1箇所だけ「66号線の途中」と突然、なんの脈絡もなく出てくるだけで、66号線のロードムービー的な内容でもないのです。
このタイトルを見ると、森 徹也さんが好きな「66」という数字を付けているのではないかという説にも確かにうなずけます。
とにかく、これだけタイトルと歌詞の内容が乖離している曲はないのではないでしょうか。
二人だけにしかわからない暗号
日本の国道にはない66号線
日本国内に現在国道66号線はないので、そうするとアメリカのあの有名な「ルート66」なのかと思いたくもなります。 曲がいいだけに、このタイトルだけはわかりません。
でも噂のように、森 徹也さんと藤原基央さんの関係を歌った内容ならありなんでしょう。二人だけにしかわからない暗号なのかもしれません。
ラブソングといえばラブソングにも聴こえますし、友人との苦悩を描いた小説のようにも聴こえます。 簡単にいってしまえば、本人以外わからないということでしょうか。聴き手(読み手?)にいろいろな受け止め方を考えさせている曲ですね。
森 徹也さんは元バンドマン
相川七瀬さんへ楽曲を提供
ちなみに、森 徹也さんはバンプ・オブ・チキンのプロデュースをする前は、ミュージシャンだったようで、1988年に「STAR FIX」という5人組のロックバンドのボーカルとしてレコードデビューしています。
結局「STAR FIX」はこのアルバム1枚を発表しただけで、バンド名前を変えたりして活動していましたが解散してしまいます。その後、森 徹也さんは楽曲のセンスが認められてか、ビーイングという音楽事務所で相川七瀬さんのデビューアルバム『Red』の曲を手がけたり、レコード会社のトイズファクトリーに勤務されたりしていたようです。