スピッツの名曲「チェリー」の歌詞を徹底解釈!

エッジの効いた言葉遊び

『チェリー』のサビのフレーズには、共感を覚える人も多いのではないだろうか。 しかし、その他の歌詞を読んでみると容易に意味を汲み取ることができないような言葉の組み合わせがそこかしこに見受けらる。 この、一見馴染みやすそうに見えて、エッジの効いた言葉遊びがふんだんに盛り込まれているのがスピッツらしい。 今回は、そんな大ヒットした『チェリー』の歌詞の意味について筆者なりの分析をしていこうと思う。

スピッツの別れた恋人への思いを綴った失恋ソング『チェリー』の歌詞の意味に迫る!の画像

歌詞解釈

スピッツ 「チェリー」の歌詞

君を忘れない 曲がりくねった道を行く
生まれたての太陽と 夢を渡る黄色い砂

出典: チェリー/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

上記の”黄色い砂”とは、Vo.草野マサムネ氏の出身地である福岡県で春に見られる”黄砂”を指すようである(リリース時のインタビューより) こちらを踏まえて、筆者なりに解析したものが以下の内容となる。 暖かな陽射しが降り注ぐ春。 この季節特有の黄砂に窓越しに目を向けたまま、つい君と過ごした日々を思い返す。

二度と戻れない くすぐり合って転げた日
きっと 想像した以上に 騒がしい未来が僕を待ってる

出典: チェリー/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

切ない希望的観測

草野氏によると”想像以上に 騒がしい未来が僕を待ってる”というのは、あくまでこの楽曲中の主人公の希望的観測なのだそうだ。 さらに草野氏は、主人公について”退屈な毎日を過ごしていて、退屈な未来しか待っていないような人物かもしれない”とまで語っている。 こちらを踏まえた、筆者の解釈は以下のものである。 こんな空虚な時間を過ごすのは、もう終わりにしないといけない。 頭では分かっているのに、やっぱり楽しかった時の思い出がいつのまにか顔を出して、それに浸ってしまう。 こんな自分と決別できるような、明るい未来が待っていたらいいのに。

こぼれそうな思い 汚れた手で書き上げた
あの手紙はすぐにでも捨てて欲しいと言ったのに
少しだけ眠い 冷たい水でこじあけて
今 せかされるように 飛ばされるように 通り過ぎてく

出典: チェリー/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

君のことが堪らなく好きだった。 ある日、抑えきれない想いの丈を走り書きした手紙を渡したことがあった。 でも、渡した後に恥ずかしくなった。 君には捨ててほしいと頼んににもかかわらず、捨てることなく傍に置いていてくれたね。 こんな風に一つ一つの出来事を思い返していると、過去と今の境目がぼんやりしてしまいそうだ。 このままじゃいけないな。僕は、君が傍に居ないこれからを生きていかなければならないんだ。

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どんなに歩いても たどりつけない 心の雪でぬれた頬
悪魔のふりして 切り裂いた歌を 春の風に舞う花びらに変えて

出典: チェリー/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

思いのほか、君のことを忘れるのに時間がかかってしまう。 あの頃が恋しくて泣いたって、もう戻れないのにな。 いっそ、君との思い出は無理矢理忘れようとしなくてもいいかな。 いつか、春の終わりに花びらが散る情景のように、美しい思い出として僕の中で儚く煌めいていて。

まとめ

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最後に