あなたにとっての「アイ」とは?
「アイ」と聞いてあなたはどんな言葉を思い浮かべますか?
「愛」「i(私)」「藍」「eye(目)」など…
「アイ」がどうしてカタカナ表記なのかそんなことにも触れながら歌詞を紐解いていきます。
「アイ」の歌詞
目に見えないから アイなんて信じない
そうやって自分をごまかしてきたんだよ
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「鱗」にも見て取れる秦基博の歌詞特有の男の女々しさのような不安定さが感じ取れる歌詞からこの世界が始まっていきます。
ここでの「アイ」はまさに「愛」ではないでしょうか。形も無く、目にも見えない、付かず離れずな「愛」を信じ切れない臆病な気持ちが表現されています。
「ごまかしてきた」という言葉からもしかしたら過去に何か信じ切れない経験があったのかもと想像されます。
遠く 遠く ただ埋もれていた
でも 今 あなたに出会ってしまった
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苦い経験や思い出は行動を鈍らせます。心の奥底にしまっておきたいものです。それを深く沈ませるというよりは遠くに押しやって、新しい思い出や経験の中に埋もれさせるという絶妙な表現をしています。
そして、「あなたに出会ってしまった」。ここから埋もれていたはずのストーリーに新しい展開が生まれていきます。
その手に触れて 心に触れて
ただの一秒が永遠よりながくなる 魔法みたい
あなたが泣いて そして笑って
ひとつ欠けたままの僕のハートが ほらじんわりふるえる
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出会ったあなたの手や心に触れることで過去の経験から解き放たれていくような素敵な歌詞です。
それはまるで魔法のようで今まで押し殺していた時間を超えるような経験になっているように感じます。
どこか重たくなってしまった感情、欠けてしまったハートをあなたに取り戻されていく過程が見て取れます。
ありふれた日々が アイ色に染まってく
はじめからあなたを 探していたんだよ
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ここでの「アイ」は「藍」とも取れます。
「藍」は落ち着きや穏やかさなどのイメージがあります。そして、「愛」色と受け取ることでどこか柔らかさや温かいイメージも受け取ることができます。
埋もれていた日々だったけれども、ここであなたと出会ったことで落ち着きや温かさを取り戻していきます。
今までの日々もここに繋がっていたんだと考えられれば、かけがえのない日々だったように感じられます。
遠く 遠く 凍えそうな空
そばにいても まだ さみしそうに滲んだ
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それでもたまには埋もれていた日々を思い出す日もあります。人間は忘れていく生き物ですが忘れるのは難しい生き物でもあります。心の遠くにはまだ凍えそうな空があって、あなたがそばにいてくれていても拭えない不安が滲んでいく日もあるわけです。
ただ いとしくて だけど怖くて
今にもあなたが消えてしまいそうで 夢のように
僕を見つめて そっと笑って
瞳閉じてもまだ 伝わる温もりが たしかにあるのに
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ただただあなたのことが愛しいのに(ここでも「愛(アイ)」が)、愛しくなればなるほど、失う怖さや不安も増していきます。あなたに見つめてもらって、笑ってもらって、目を瞑ってたとしてもそれはちゃんとそこにある温もりのはずなのに、そこから来る怖さや不安はまるで良い夢から覚めてしまった時の淋しさを感じるかのようです。
その手に触れて 心に触れて
ただの一秒が永遠よりながくなる 魔法みたい
あなたが泣いて そして笑って
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そして、また1番のサビの最初を繰り返します。
不安もあるけれど、それでもやはりそこにいてくれるあなたにより触れたい、そして、感情を共有していきたい、そして、たしかなものに変えていきたい、そんな印象を受け取ることができます。
ひとつだけの愛が 僕のハートに 今 じんわりあふれる
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→サビの最後の一文だけ変わります。
欠けたままだったはずのハートはしっかりと「愛」になっています。
少しずつだけどたしかに感じられるあなたからの愛を最後は溢れそうなほどに受け取ります。
欠けたハートを補うだけでなく溢れるほどに与えてくれるあなたの愛は非常に尊いもので、愛だけでなく涙も溢れてきそうな締め括りとなっています。