2005年発売の配信のみのシングル
ギタリスト・音楽プロデューサーを迎えた楽曲
「かける」は、ゆずの配信限定シングルで、2015年7月配信されました。
「虹」(2009年)、「with you」(2012年)、「ヒカレ」(2014年)に続く日本生命CMタイアップソング第四弾。
北川悠仁さんが作詞・作曲を担当し、二人の特別ゲストが参加しています。
まず一人目は、ロックバンド・LILI LIMIT(リリリミット)のギタリストTaiyo Dokiさん。繰り返される心地良いバイオリンフレーズを加えています。
二人目は、音楽プロデューサー・トラックメイカーのtofubeatsさん。“beats & rhythm conductor”としてゆず作品に初参加しています。アコースティックなゆずに作品に心地よいデジタル音が加わっています。
チャートで5位以内にランクイン
物語仕立てのPVには女優杉咲花さんも出演し話題に
動画は280万回再生超え
このPVはゆずにとっては珍しいストーリー仕立てのPVで視聴回数は2017年9月時点で280万回を超えています。
東京都渋谷区円山町にあるライブハウス「O-EAST」屋上にて撮影され、ドローンで渋谷を空撮したPVとなっており、女優の杉咲花さんも出演し話題となりました。
舞台は2025年の東京・渋谷。街の看板や標識から文字は消え、すべてが数字と記号だけで表されてデータ化され、管理されている社会に変貌してしまいました。そんな文字のない社会で生きる人々は同じ格好、同じ無表情のまま日々を生きています。
しかし、文字が書かれている本やDVDを密かに隠し持ち、仲間と共有しているrunner(逃亡者)と呼ばれる人々が生き抜いているというストーリー。女優の杉咲さんはそんな逃亡者の一人。強く希望を持ち生き抜いている少女を熱演しています。
「かける」の歌詞を紐解く
一人じゃないと何度もくりかえす
一人じゃない 一人じゃない 一人じゃないから
未来へかける
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160113-318
「一人じゃない」とくりかえし歌われています。まるで自分に言い聞かせているかのようですよね。
または、大切な仲間に君は一人じゃないよと勇気づけているかのようにも聞こえます。
「未来へかける」とは一体どんな意味なのでしょうか。これから明らかになるはずですので読み解いていきたいと思います。
周囲や社会を拒絶する
選べる選択肢 どれだって自分だし
黙って うるさいよ もうほっといてよって
背を向けうずくまり 両手で耳を塞いだ
お膳だてされたもの 本当に欲しかったもの
違う違うよ 何かが違うんだ
ガラスケースの中 味けない世界を今 壊せ
出典:
ゆずの歌詞としては珍しく、とても強い調子で歌詞が書かれているように感じます。
「黙って うるさいよ」「両手で耳を塞いだ」など、周囲や社会を拒絶している様子がうかがえます。PVであった、「文字のない世界」への拒絶とも解釈できそうです。
「お膳だてされたもの」と「本当に欲しかったもの」が違ったと歌われています。これまで欲しいと信じていたものが、実は本当に自分が欲しいものではなかったと気づく経験は多かれ少なかれ誰にでもあるのではないでしょうか。
「ガラスケースの中 味けない世界を今 壊せ」とはPVの中でいう全てがデータ化され管理された社会のこと。でも私たちが今住んでいる社会もそんな「味けない」部分はあるのではないでしょうか。