尾崎世界観×谷口鮪コラボソング。在り来たりな日常に光が射す”陽だまり”

クリープハイプがKANA-BOONの谷口鮪とコラボしたCMソング『陽』の歌詞を紐解くの画像

これまでも、人気アーティスト達が注目のコラボレーションを実現してきた、

東京メトロ広告キャンペーン「Find my Tokyo」

その、”中野編”のキャンペーンソングとして抜擢されたのが、

尾崎世界観と谷口鮪という、人気バンドのボーカリスト。

同じ音楽フェスに出演することは何度もあるが、

公の場でのコラボレーション作品は今回が初めてとなる。

クリープハイプが、谷口鮪をゲストボーカルとして迎え入れた『陽』は、

シングルアルバムの候補曲として、陽の目を浴びることのなかった曲。

お蔵入り寸前だった『陽』が、CMの監修も務める有名音楽プロデューサー、

小林武史プロデュース第4弾として、CMソングに起用され話題になりました。

原曲の作詞作曲は、尾崎世界観が担当しています。

歌詞の背景とサウンドのギャップに驚かされました。

それはどういう意味なのか?私はこう捉えています。

 

では、普段のクリープハイプKANA-BOONとは違う、

優しい歌声で歌うふたりにも注目して頂きたい『陽』の歌詞を紐解いていきましょう!

噓みたいな合鍵。本当の鍵穴。シーツに残る幸せ。

クリープハイプがKANA-BOONの谷口鮪とコラボしたCMソング『陽』の歌詞を紐解くの画像

もうじゅうぶん楽しんで

今さら後には引けないな

ベッドには確かな温もり

洗ったばかりなのに

今さら引いても戻らない

シーツには幸せのしわ寄せ

出典: 陽/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

お付き合いをしている男女の日常。

部屋の中で今はひとり。

目に入ってきたのは、女性とついさっきまで寝ていたベッド。

あの楽しい時間は今更やめられない。毎回感じる温もりがたまらない。

何度もシーツを洗濯しても、ふたりの時間を楽しんだら、

笑った時のように、しわは増えていく。

そんなありきたりな日々が良いんだ。

この、「シーツには幸せのしわ寄せ」

という一文だけで、少し照れてしまいます。

どれだけ男性にとって幸せな時間なのか。

女性にとっても至福の時なのかもしれませんね。

この時点では、どういった関係なのかよくわかりません。

体の?それとも心も?

クリープハイプがKANA-BOONの谷口鮪とコラボしたCMソング『陽』の歌詞を紐解くの画像

嘘みたいな合鍵 本当の鍵穴

全部わかってたけど

何も知らなかった

嘘みたいな合鍵 本当の鍵穴

全部わかってたけど

何も知らなかった

出典: 陽/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

全てわかっていると思っていたのはあの鍵穴だけで、

もう一つの鍵穴を開けてみたら、何も知らなかった。

ということが浮き彫りになってきます。

恐らくそういった振り切った関係だったのです。

今更そんなことに気づくなんて。

あの時間以外の事はわからない。

わかりたい。けどわかりたくもない。

と、葛藤しているようにも感じます。

大人の世界の男女の関係性は難しいものです。

好きだから一緒に居たいという訳にはいきませんから。

クリープハイプがKANA-BOONの谷口鮪とコラボしたCMソング『陽』の歌詞を紐解くの画像

今日はアタリ 今日はハズレ

そんな毎日でも

明日も進んでいかなきゃいけないから

大好きになる 大好きになる

今を大好きになる

催眠術でもいいからかけてよ

明日も進んでいかなきゃいけないから

出典: 陽/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

良いことがある日もあれば、

悪いことが起きる日もある。

それは仕事に於いても、恋愛に於いても同じ。

拒んでも時間は進むし、日時は変わるのは当たり前だから、

そこから逃れる事は出来ません。

ここで出てくる”催眠術”という気になるキーワード。

この”催眠術”はこの先のサビでも繰り返しでてくるのですが、

全てにちゃんと気持ちが乗っかっていると捉えることが出来ます。

1番の流れから持つ意味合いは、

関係に対し、少し後ろめたい気持ちがあるように感じ取れます。

良くない事をしてしまっているのはわかっているけど、

【この気持ちに後戻りは出来ないから、今の自分を好きになる催眠術をかけて欲しい】

と言う、今から逃れたい気持ちが乗っかっているように思います。

クソみたいな合鍵。本当は節穴。シーツから消えた幸せ。

もうじゅうぶん悲しんで

今から何をしようかな

シーツに包まって消えた


クソみたいな合鍵 本当は節穴

全部わかってたけど

何も要らなかった

クソみたいな合鍵 本当は節穴

全部わかってたけど

何も要らなかった

出典: 陽/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

あんなに楽しかったふたりの時間。

独りぼっちの部屋。

ベッドに残った確かな温もりは消えてしまった。

思い出だけが虚しく残ったシーツに包まって泣いた。

禁断の関係というものに対して、現実は簡単に優しくしてはくれません。

今更になって気づいた存在の大きさ。

喪失感を隠しきれない気持ちが滲み出ているように感じます。

クリープハイプがKANA-BOONの谷口鮪とコラボしたCMソング『陽』の歌詞を紐解くの画像

今日はアタリ 今日はハズレ

そんな毎日でも

明日も進んでいかなきゃいけないから

大好きになる 大好きになる

今を大好きになる

催眠術でもいいからかけてよ

明日も進んでいかなきゃいけないから

出典: 陽/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

ここで出てくる”催眠術”というキーワードには、

【眠っている時だけでも会いたい。】

という一途な気持ちに変化しているように感じます。


良くない事をしている。ということに、

気づいてないフリをしていた自分。

目の前から消えた今、遊びだったつもりが、

本当に好きになってしまっていた事にハッとして落ち込んでしまう。


相手が結婚しているのか、彼氏が居るのかはわかりませんが、

気持ちまでもが一線を越えてしまって、混乱しているように思います。


この辛い気持ちを打ち消してくれるのならば、催眠術をかけて欲しい。と。

今日はアタリ。今日はハズレ。そんな毎日でも。