優柔不断な僕等
焦燥に溺れた声が
この胸に響くことなど
最初から信じてはいないが

ずっとこうやってたいな
そう思えば楽になって
いつの間にか終わってしまうわ

出典: 僕らまだアンダーグラウンド/作曲:Eve 作詞:Eve

実のところ現状維持は楽といえば楽なものです。

新しく何かを行うのはエネルギーが必要ですから。

何を行うべきなのか、どうすればいいのか。

自分で決めるべきことでも自分で決めるのは大変なこと

他人の声に反発しながらも他人の声に従う。

自分で考えて行動するよりずっと、それは楽な道です。

誰かの声に従っていれば自然と時間はたって夜がきて朝が来ます。

「それでは駄目だ!」と訴えかける声もして

しかし、その声が自身を変える何かを与えてくれるとは限りません。

変わることなく夜が終わり朝を迎える日々が続くのです。

「バケモノ」ではなく「人間」として

【Eve/僕らまだアンダーグラウンド】歌詞を徹底解釈!「バケモノ」の意味って?唯一無二の世界を紐解くの画像

理性や思考は人間の持つ武器です。

人間としての尊厳を保つために必要不可欠なものです。

しかし、忙しい日々の中摩擦していくものでもあります。

そうして「人間」ではなく「バケモノ」になりそうになったならば。

手を引いてくれる誰かがいれば違うのかもしれません。

人間の条件とは

ろくでもないバケモノなの
美しくはにかんだ
その口を僕が今結んであげるから

救いようのないバケモノなの
それでも信じたいんだ
ああしょうがないな
ほっとけない僕が嫌いなのさ

出典: 僕らまだアンダーグラウンド/作曲:Eve 作詞:Eve

ろくでもなく救いようもない「バケモノ」

この2つの歌詞はそれぞれ1番と2番のサビの前の部分にあたります。

自分を見失って、楽なまま終わってしまって。

そうして出てくる「バケモノ」という存在。

ところで「人間」の条件とは何でしょうか。

誰かの言われるまま行動するのならばそれは機械と変わりません。

人間の最大の特徴は思考し考え続けること。

ならば誰かの言葉に支配され従って、微笑むだけの存在は人間と呼べるのでしょうか。

人の形をしているのに人間で無いならばそれは「バケモノ」でしょう

そんなものは気にせず通り過ぎてしまうほうが楽に決まっています。

ですが、ここで主人公ははっきり言っています。

「それでも信じたい」と。

「バケモノ」でないために

僕だけでは貴方を満たせる
事など無理かもしれないだけど
君だけではどうにもこうにも
できない事があるとするならば

出典: 僕らまだアンダーグラウンド/作曲:Eve 作詞:Eve

1人でできることには限界があります。

そんな時は力を貸したいと思うものです。

誰かの言葉に頷くだけの口はふさいでしまって。

誰かの言葉に従うだけならば手を引いてそこから逃げ出して。

どちらにしろ「貴方」を置いていくことなどできないのです。

ならば相手の可能性を信じて未来へと走っていく方が楽しいでしょう。

共に歩く相手がいるのならば、「バケモノ」ではなく人間です。

人は支えあって生きていくものですから。

悩んで傷ついて、そうして僕らはステージに立つ

【Eve/僕らまだアンダーグラウンド】歌詞を徹底解釈!「バケモノ」の意味って?唯一無二の世界を紐解くの画像

思うままに生きるのは簡単そうに見えて難しいものです。

人との付き合い、忠言。

ありがたいものですが自分を押し殺す要因になるものでもあります。

誰かの前に立って傷ついてしまうのならばいっそのこと自分だけのステージに立ってしまいましょう。

悩み考え傷つきそれでも進む姿は、どんなことよりも美しいものです

完全でないからできること

ちょっと先の未来を
君と話がしたいんだ
つらくて笑ったあの日も
言えずにしまった想いも

この先僕らはずっと
不完全なままだけど
思い出の中にもう帰らないように

出典: 僕らまだアンダーグラウンド/作曲:Eve 作詞:Eve

「今」何もできないと苦しんでいるのかもしれません。

「かつて」何もできなかったと苦しんできたことだってあるでしょう。

ですが後ろを向いていたところで何も変わらないのです。

失敗したことは笑い話にしてしまいましょう。

喉元まで出かかって結局言わなかった言葉も吐き出して。

そうして心の中の重荷を全て外してしまうのです。

明るい話をするには、いったん心を整理した方がいいですから。

そうすれば新鮮な気持ちの心が残ります。

新鮮な気持ちのまま未来の話をしましょう。

話したところですべて満たされることはないのかもしれません。

けれどもそれでいいのです。

完全な存在ならばそもそも悩むことも、手を取り合うこともなかったでしょう。

不完全なままでも、不完全だからこそ悩み考えていくことができるのです。

それは自分である証明

ダーリン ダーリン 愛しておくれ
夢にみた 日々は僕の証だった
冗談で言ったんじゃないと 皆嗤っていたんだ
こんな街からさようなら

ダーリン ダーリン 愛しておくれ
あの日から 僕らは共犯者だった
そんなんで突っ立ってないで
ワン・ツーの合図を待って
眠れない夜を踊るのさ

出典: 僕らまだアンダーグラウンド/作曲:Eve 作詞:Eve

人に囲まれ息苦しいのならばそこから抜け出してしまいましょう?

少しも動けないのならばいっそのことその場で踊ってみませんか?

取り留めのないことを考えすぎて夜が明けてしまうなんて勿体なさすぎます。

それよりも2人で踊って夜を過ごしたほうがずっと楽しいでしょう。

街も夜も、満たされない退屈な日々の象徴です。

1人では抜け出すことも難しいかもしれません。

しかし一緒に抜け出そうとする共犯者がいれば話は違ってきます。

そうしてかつて望んだ未来へと走っていくのです。

心から望む日々。

それは誰かの言葉からではなく自分自身で決めたもの。

自分が自分であることの証明に他なりません。