いつか出会う大切な人

高橋優の最新シングル「ロードムービー」の歌詞を紐解くの画像

親友か、恋人か、わからないけれど、きっとかけがえのない存在になる人との出会いを夢見て、それまでの日々を大切に生きていこうという歌です。

いま不安や孤独を感じていてもいつかきっと、自分と通じ合える人と出会えると信じる気持ちは自分を一人じゃないと思わせてくれるはずです。

つらいと感じてもそれに押しつぶされないでと語りかけるように歌われる言葉をひとつずつ見ていきましょう。

まだ見ない明日への希望を歌う

どこか遠くの街では 出会ったことない誰かが
同じような日々を生きてて 同じようにこっちを思い描いてて
いつか会える日のことを 想像しているのかな?
同じように寂しがってたり つまずき泣きそうな顔したりして

出典: ロードムービー/作詞:高橋優 作曲:高橋優

『同じように』ということはこの歌の主人公も淋しかったり不安を抱えているということなのでしょう。

孤独を感じて泣きたい気持ちでいるのでしょう。

けれど、自分の知らないどこか遠くで、似たような生活をして、似たような思いを抱いた誰かがもしかしたらいるのかもしれないと思いを馳せています。

そしてそんな誰かと出会う日が来るかも知れないとほのかな期待をにじませます

想像でしかないかもしれませんが、同じような誰かが同じようにこちらを思っているのならば、一人じゃないと感じられることもあるのではないでしょうか。

たとえば道を間違えたって 近道じゃなく遠回りだって
そこにしか咲かない花を見つけるんだ
どんなに他の人たちより遅くたって 笑って話せる思い出の数で
誰にも負けない日々を過ごすんだ

出典: ロードムービー/作詞:高橋優 作曲:高橋優

ここで言う『道』は人生のことでしょう。

選んだ道が、自分が思い描いていたような道じゃなく、こんなはずじゃなかったのにと思うようなところに通じていても、そこでしか体験できないような何かを見つけようという前向きな気持ちを歌っています。

同じように歩きだしたはずの同年代の人より出遅れたと感じても、そこで色んな経験をして色んな楽しい思い出を作れば、劣等感を抱く必要なんてありません。

焦ることなく、自分が楽しめる要素を見つければいいのです。

今このときも

繋がっているよ 離れていても
繋がっているよ なにがあっても
きっと きっと 会いにいくよ 君と笑い合えたらいいな

どんな出来事が待っているかな 僕らのロードムービー
もう一人きりじゃない

出典: ロードムービー/作詞:高橋優 作曲:高橋優

どこかにいる同じような誰か――『君』の歩く道と、『僕』の歩く道。

まだ『僕』は『君』の近くにはいないかもしれないけれど、必ず道は繋がっていて、『きっと会いに行く』と誓う力強い言葉です。

今は一人だと思ってしまうこともあるかもしれないけれど、『僕』と通じ合える『君』との出会いがこの道の先にあるのだから一人じゃないはずです。

まだ見ぬ『君』と笑い合える日を思えば、きっと不安に押しつぶされることもないでしょう。

『君』と出会ったときに「この時こんなことがあったんだ」と笑って話せるような出来事が起こるなら、『君』と出会うまでの日々も楽しみになります。

それは未来への希望を示しているのです。

高橋優の最新シングル「ロードムービー」の歌詞を紐解くの画像

どれくらい歩いたんだろう あとどれくらいあるんだろう?
くたびれたなーもう歩けない なんて弱音言う日もあるけれど
いつか会える日のことを 想像したらもう一歩
頑張れるような気がしてる つまずき泣きそうになるときも

出典: ロードムービー/作詞:高橋優 作曲:高橋優

今はまだ、つらい、しんどいと思う日々の中で、もう嫌だと投げ出したくなるときもあるでしょう。

それでも同じ空の下のどこかで同じような思いを抱える『君』がいて、いつかそんな『君』と出会って笑い合える日がくると思うと、もう少しだけ頑張れると思えるかもしれません。

どこの誰かもわからないけれど、確かな絆を感じて一人じゃないのだと奮起します。

とりあえず笑顔で踏み出して その表情に気持ちがつられて
気が付けば心から笑っているんだ
夜が明けるから目覚めるんじゃなくって 目覚める君のために
輝く君を照らす陽が昇るんだ

出典: ロードムービー/作詞:高橋優 作曲:高橋優

泣きそうなときでも、とりあえず笑って前に進んでみれば、作っただけなはずの笑顔に気持ちが引っ張られることもあります。

なんだか楽しいと思えたらそれでいい。

自然の摂理に自分が合わせるのではなく、目覚めようとする『君』のために朝日が昇る。そんな前向きな気持ちで日々を過ごそうと促します。

明日が来るのは笑って歩く『君』のためなのです。もう少し広げると、「世界は『君』のためにある」

そんな壮大なことを言っているようでもあります。そのくらい前向きに生きてもいいと言っているのかもしれません。

遥か彼方の

ゴール地点に たどり着けるより
価値があるんだよ また会えるよ
ずっと ずっと 今を生きてく もしも涙がこぼれたって

虹がかかるために必要な 雨に降られながら
今日を 歩いていくよ

出典: ロードムービー/作詞:高橋優 作曲:高橋優

遥か先にある『ゴール地点』に到達することよりも価値のあること。それは「『君』が笑って朝を迎えること」です。

たとえ別れがあってもまた会える。生きている限り、絶対に会えない、なんてことはありません。

『雨』は哀愁を示し、『虹』は希望を示しています。

つらいことや哀しいことがあっても、それは次の「良いこと」に出会うために必要なものです。

今がつらくても、その内また素敵なことが起こるはず、そう信じて生きていこうと促しています。

繋がっているよ この空の下
繋がっているよ おんなじ星を
きっと きっと 見上げているよ 君と僕とのロードムービー

出典: ロードムービー/作詞:高橋優 作曲:高橋優

今は離れた場所にいるけれど、見上げる空は繋がっています。

同じ空の下で同じ星を、『君』も『僕』もきっと同じように見上げていることでしょう。

今までとこれからと、それぞれがそれぞれの場所で体験している物語は何らかの形でお互いにリンクし、影響しているかもしれません。

そしてその先には『君』と『僕』が出会う未来が『繋がっている』はずなのです。だから『君』も『僕』も一人じゃないのです。