様々な色の光が登場する今回のMVでは、光の色にも意味がありそうです。

西川貴教を取り巻く「色」を深堀りしてみましょう。

西川貴教の色は「水色」

MV中、最も多く使われているのは水色の光です。

西川が乗ったバイクはイントロの時点で、水色の光に溢れた街を疾走しています。

またバイクのタイヤの輪郭やホイールから放たれる光も水色です。

タイヤはバイクにとっての「足」。前に進むために不可欠なパーツだといえます。

人間が前に進むために必要なのは、進もうとする意志ではないでしょうか。

つまりこのMVの中で水色の光は西川貴教自身の色であり、彼の強い意志を表しているのだと読み取れます。

行く先で光はどう変わる?

初めは水色の光の中を走っていましたが、Bメロでは黒い空間に突入しました。

自分の色とは異なる黄色〜オレンジ色の物体が彼の左右を取り囲んでいます。

安心できる空間から異なる色に囲まれる世界に突入しても、彼の視線は前を見据えたままゆらぎません。

誰が何を思おうが、何色の光を浴びせてこようが関係ない。そんな強さが読み取れます。

暫く進むと周囲の街はカラフルに変わり、そこで初めて西川の視線が左右に動くのです。

動揺しているのかな?と思ってしまう瞬間ですが、そうではありません。

確かに街の色は変わりましたが、彼の視線は比較的低い位置を移動するだけです。

つまり、街の景色は確認していません。

反射光から「色が変わった」と認識はしたかもしれませんが、気を取られてはいないのです。

彼の視線が確認したものは、自分の色ではないでしょうか。

周りの色は変わったものの、自分の色は確かにそこにあるのだと確認したのです。

その結果、彼が進む道は水色の光で囲われました。

命知らずを笑わば笑え
その胸に咲く信義はあるか
馬鹿ばかしい浮世の際で
変わる事のなき道標

出典: UNBROKEN/作詞:岩里祐穂 作曲:布袋寅泰

変わることのない自分の意志=水色の道こそが、歌詞で歌われている「道標」なのでしょう。

崩れる壁

西川貴教【UNBROKEN】MVの内容を徹底解説!西川貴教がバイクで爆走!?「映画刀剣乱舞」の主題歌の画像

疾走していたバイクがバランスを崩しそうになるのが、2番のサビ以降です。

天井と左右に描かれている模様は、この曲のフィーチャーアーティストを表しています。

日本が誇る世界的ギタリスト布袋寅泰」のギタリズムマークです!

1番では黄色のギタリズムマークが西川の左右に並んでいましたが、彼は見向きもしませんでした。

しかしマークが水色の光を放ち、西川めがけて崩れてきたことで状況が一変します。

色の変化は西川の心の変化

もともとは黄色に近かったギタリズムマークが水色に変わったのはなぜでしょうか。

水色は西川の内面を表す色。

布袋の圧倒的なパワーやパフォーマンスに飲み込まれそうになっているからだと読み取れます。

西川は布袋の素晴らしさを熟知しているはずですが、コラボをしたのはこの曲が初めて。

実際に同じスタジオでレコーディングをして、想像以上のインパクトを受けたようです。

西川の内面に突き刺さった布袋の存在は、ともすれば「負けてしまう」という危機感を与えたのではないでしょうか。

落ちてくるギタリズムマークを必死で避けようとしたのは布袋に飲み込まれないため。

ギタープレイやギターサウンドの存在感に、自分がかき消されてしまうのではないかと感じたのです。

ここで描かれているのは明らかな敵ではなく、自分も認める相手の存在ではないでしょうか。

尊敬する相手であろうと、その存在に身を委ねてしまったら自分が自分ではなくなってしまいます。

リスペクトすべき部分そうでない部分に線引きすることの大切さ。

それが表現されているように感じます。

西川貴教(T.M.Revolution)の新曲「UNBROKEN(feat. 布袋寅泰)」が1月18日公開の映画「映画刀剣乱舞」の主題歌に決定した。

敵には容赦しない

最後に登場するのはオレンジ色の光で形作られた武士のような存在です。

それを見るなり西川は首元のチップに触れ、ホログラムでできたデジタルスクリーンの図形が動きます。

AI西川貴教が持ちうるパワーを引き出し、敵を分析したのでしょう。

先程の「自分が認める存在」とは異なり、こちらは明らかな敵を表しているようです。

自分の色を放つライトセーバー状の刀を振りかざし、相手を倒しました。

安易に他人の色に染まらず、己の意志を突き通すことの大切さが表現されているようです。

映画とMVの共通点

西川貴教【UNBROKEN】MVの内容を徹底解説!西川貴教がバイクで爆走!?「映画刀剣乱舞」の主題歌の画像

映画のために書き下ろされた「UNBROKEN」。

時代設定以外の共通点とは何なのでしょうか。