きっと明日になれば君の気持ちは変わっている。
そう思い続けてなんとか毎日を過ごしている僕。
しかしその願いは叶うことなく、君はどんどん遠い存在になっていきます。
その表情さえも、今まで僕に向けていたそれとは違うものになっていました。
君はもう僕に対して好意を表現することすら出来なくなっているのです。
ゆらゆら揺れている君を見ている
この背中に棘をさ
見つけてしまった
出典: トゲめくスピカ/作詞:雫 作曲:雫
僕は君に棘があるから近づけないものだと思っていました。
しかし気が付くと、自分の背中にも棘を生やしていたのです。
君に遠ざけられているだけでなく、僕も君を知らず知らずのうちに遠ざけていました。
僕を避ける君と、そんな君を怖がる僕。
お互いに距離を縮めることが出来ず、気持ちはどんどん離れていたのです。
傍に居たいのに
君にある棘
ねえ、傍に居させてよ
君の棘が刺さっても
もう一度君のその笑顔を
僕は夢見ている
出典: トゲめくスピカ/作詞:雫 作曲:雫
僕は君の棘が刺さって痛みを感じることがあっても近づきたいと願います。
棘がある状態、つまり僕への気持ちが離れた状態でもいいから近くに居たいのです。
そうしてもう一度笑いかけて欲しいと嘆きます。
ゆらゆら揺れている君じゃなくて
もう一度だけ目を見てくれないか
出典: トゲめくスピカ/作詞:雫 作曲:雫
もう一度あの頃の君に戻って欲しい。
今は笑いかけるだけでなく、目すら合わせてくれなくなった君。
そんな君じゃなく、目を見て無邪気に笑っていた君にもう一度会いたいのです。
僕の切実な想いがこのフレーズに強く込められていました。
僕にある棘
この背中の棘が苦しくて
遠ざけて初めて気付いた
お願いよ
出典: トゲめくスピカ/作詞:雫 作曲:雫
しかし、棘があるのは君だけではありません。
僕も君同様、人を近づけないよう棘を生やしていました。
君をこれ以上傷つけないようにと生やした棘。
しかしそれは自分自身をも苦しめるものだと、自分事になって初めて気付いたのです。
君もきっと自分で自分を傷つけているはず。
だからもう一度あの頃のように笑い合って、棘を抜き去りたいと願う僕の想いでこの曲は終わりを迎えます。
お互いの棘が妨げる関係性
君だけでなく、僕も"トゲめく"存在。
お互い背中に棘を生やして相手を近づけないようにしていました。
君は僕への気持ちの変化、僕は君の気持ちがさらに離れることへの恐怖。
互いに異なる理由で生やした棘ではあるものの、互いが距離をとっていることは事実です。
どちらかが棘を取り去るか、痛みを伴ってでも近づくことでしか解決できないのかもしれません。
今回は恋人同士として解説を進めてきましたが、歌詞に描かれた状況はどんな人間関係でも起こりうること。
今でも自分自身に棘を生やし、誰かと距離をとっているのではないかと考えさせられる楽曲でした。
ポルカの世界へ
ポルカの楽曲は、世界観が様々。
それでいてすべての曲にポルカらしさが演出されており、その奥深さにどんどんハマってしまうのです。
「トゲめくスピカ」は切なくも優しい曲調でしたが、もっと違う魅力も知ってもらいたい!