転回を嫌い、荒れ果てたこの世を
(ねぇどうしたい)
見過ごせない僕がいい
(ほっときな)
応えれば堪えるほど
(ねぇどうして)
無気力な僕には戻れない
駆け引きを続けて
出典: 勘ぐれい/作詞:ACAね 作曲:ACAね
主人公が進もうとする道で途中でもう1人の僕が問いかけるのです。
その言葉が丸括弧の中の歌詞に表されています。
かつての無気力だった自分が問いただすのに対して主人公が答えるのは無気力からの決別です。
これを、不可逆性といいます。
もう、戻れないということを悟っているようです。
主人公は対話の中で、このままこの世を見過ごすことができない自分がいいと答えています。
どうしていきたいのか考えながら生きる気力を取り戻したようです。
無気力な闇を抱えていた自分から新しい自分へ
かつての自分が抱えていたのは鉛のように重たい無気力感だったのかもしれません。
しかし、主人公は今、そんなかつての自分にはもう戻りたくないと考えています。
自分と対話しながら、新しい自分をみつけようとしているのでしょう。
勘ぐれいの歌詞は、新しく生まれ変わろうとする人に対しての応援歌のように感じられます。
テンポの良さとリズム感
聞く人の心にささる歌詞
ストーリー性も感じさせながらも、音楽的な要素ではベースを軸にしている楽曲です。
そこに軽快なメロディーが合わさり、ACAねさんのボーカルがより一層際立っています。
歌詞自体のテーマは重く、ダークさを感じるものとなっています。
しかし音楽的にはテンポの良さもあいまって、軽い感じの仕上がりになっているのです。
それによって、聞く人の心に歌詞が突き刺さるようになっています。
焦りから少しずつ変わっていく心
草を無視り水をやり
鉛を炒め生きてる
嫌える
ほど律儀じゃない
優しい余白で目を見る
出典: 勘ぐれい/作詞:ACAね 作曲:ACAね
2番の歌詞を1番を比べるとほとんど同じように見えます。
しかし漢字が変わっており、細かい変化が生じているのです。
軽快な歌い方からは全くわからないですが微妙に意味合いが変わっています。
優しく見るといったあたりも、何か心境の変化があったのでしょうか。
主人公の心に少しずつ余裕が生じているのが感じられます。
主人公は今も鉛のような重たさを感じながらも少しずつ自分の中で消化しているようです。
鉛のような重苦しさから、徐々に焦りが消えています。
少しずつ前向きになっている主人公の姿が浮かんでくるかのようです。
共感を呼ぶSNSを取り入れる時代感
時代の先端をいく感性からよみとれるもの
「勘ぐれい」は、SNSを使い展開されるミステリー作品『Project:;Cold』の主題歌に起用されています。
謎の事件の物語の目撃者となり、他の参加者とともにユーザーとして参加できるというものです。
参加型の作品となっている点で時代の先端をいっているといえるでしょう。
『Project:;Cold』は、6人の少女に次々とふりかかる死の呪いの真相を突き止めるストーリーです。
何かを解決しようとする主人公
2番の歌詞は1番と同じですが、描かれているのは何かを解決しようとしてもがいている主人公の姿です。
答えを探し求めている姿が、作品の中で真実を求める少女たちの姿とリンクするのを感じます。
私たちもいろいろな問題を抱えながらも、懸命に生活を続けています。
主人公と少女たちの前向きな姿から、私たちも勇気をもらえる楽曲です。
ミステリー作品の主題歌と合わさる歌詞
応えれば堪えるほど
(ねぇどうして)
無気力な僕には戻れない
駆け引きを続けて
出典: 勘ぐれい/作詞:ACAね 作曲:ACAね