いいねして最新情報を受け取ろう!

2017年01月28日更新

いきものがかり『ラストシーン』の歌詞に込められた意味を紐解く

2006年にメジャーデビューしてからJ-POPシーンになくてはならない存在となった『いきものがかり』。そんな彼らが「放牧宣言」をし、一旦メンバーそれぞれの活動を行うことを発表しました。放牧宣言前の最後のシングル『ラストシーン』に込められた”想い”と、主題歌となった映画『四月は君の嘘』との関連性に迫ります!

突然の「放牧宣言」。『いきものがかり』のこれまでを振り返る

いきものがかりは、先日「放牧宣言」をして、メンバーそれぞれが、自由にそれぞれの活動をすることを発表しました。


ネット上では「解散?」「休養?」など、さまざまな憶測が流れていましたが、これまでの彼らの歩みを少しだけ振り返ります。


メンバー
水野良樹 Guitar&リーダー
吉岡聖恵 Vocal
山下穂尊 Guitar&Harmonica 


1999年、水野さんと山下さんでいきものががり結成。それに吉岡さんが加わり、現在の『いきものがかり』となります。


メジャーデビュー前までは、彼らの地元である厚木・海老名を中心に路上ライブを行っていました。


2006年 「SAKURA」でメジャーデビュー。「SAKURA」は大ヒットし、以降、発表したシングルはどれもチャート上位に。10代~20代を中心に絶大な人気を得るアーチストに。


2009年に発表した「YELL」がNHK全国学校音楽コンクール中学校の部の課題曲となったほか、2010年には「ありがとう」がNHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の主題歌に、また2012年には「風が吹いている」がNHKのロンドンオリンピック・パラリンピックのテーマソングとなるなど活躍をひろげ、どの年代層にも受け入れられる「国民的」アーチストになっていきます。


2016年3月 10周年を記念したベストアルバム「超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~」リリース。


2017年1月 「放牧宣言」により、それぞれが自由に活動を行うことを発表。


どうでしょう。これまでの歩みを振り返るだけで、いきものがかりの歌のフレースが思い浮かんできませんか?それくらい、この10年間J-POPのさまざまなシーンで、いきものがかりは素敵な輝きを放ってきました。


そんなアーチストの「活動休止」宣言に、驚いた方も多かったんじゃないかと思います。

「ラストシーン」の歌詞とは?

いきものがかりは「放牧宣言」をする4ヶ月前2016年8月に、32ndシングル「ラストシーン/ぼくらのゆめ」リリースしています。


これが活動休止前最後のシングルとなるのですが、「ラストシーン」は映画「四月は君の嘘」の主題歌としても注目を集めました。


この「ラストシーン」、最愛の人を失った気持ちを歌う切ないバラードなのですが、「ラストシーン」というタイトルだけに今回の「放牧宣言」との関係はあるのか?映画「四月は君の嘘」との関連性はどうか?この歌詞に迫ってみたいと思います。

涙がとまらないよ 君に会いたくなる
春のひかりがほら あの日と同じみたいだ
ねぇ さよならをもう伝えなくちゃ
君だけがいない 今を生きてく

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160831-293

手を離してしまうんだ 「早く行こう」って君は
僕のこと 困らせて はしゃいで駆け出す
いつも追いかけるだけで 君の背中ばかり見ていた
隠してた 涙も知らずに

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160831-293

季節は「春」。


「春」って長い冬を過ぎて、木々や命が徐々に輝き出す心が躍る季節であると同時に、サヨナラや別れをイメージさせる季節でもありますよね。


新しい出会いと別れ。この歌は春の「別れ」の歌といえます。


冒頭で「君に会いたくなる」「君だけがいない」という状況なのに、「さよならを伝えなくちゃ」と歌っています。これは、「君に会いたくなる気持ち」に別れをつげるのか、それとも「君と過ごしたこの場所」から別れを告げるのか、いずれもうすでにいない「君」との別れ。


次に、僕は君が隠していた涙(秘密)を知らずに、無邪気な日々を過ごしていたことを思い出しています。

「わたしは幸せだったよ」
風のように消えてしまう声に慌てて
僕は君の名前を呼んだ
振り返ったその笑顔は
悲しいくらい綺麗だったんだよ

春のなかで

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160831-293

「わたしは幸せだったよ」


この瞬間、僕は何かを感じたのではないでしょうか。


幸せにはいつか終わりがあることを。


この世界にはいつか別れがあることを。


僕は、だから慌てて君の名前を呼びます。


でも、振り返ったその君は「悲しすぎるくらい綺麗な」笑顔だったのです。


もう、僕と、そしてこの世界とサヨナラをしなければいけないと覚悟しているかのような・・・

涙がとまらないよ ずっととなりにいた
優しいそのぬくもり 手のひらに残っているんだよ
ねぇ そこに君はもういないんだと
わかっているのに なんども呼んでしまう
想いをつなぐためにその手を握っていたのに
いつも君の声は 切なく揺れていたんだ
言葉にできなかったぜんぶがほら
僕のなかにある 今を生きてく

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160831-293

僕はもういない「君」の幻影を追いかけます。


わかっているのに、繰り返してしまう。


そして僕は、君の「隠してた涙」の秘密や「切なく揺れていた声」の理由が、君がいなくなってはじめてすべてわかってしまったのではないでしょうか。


「言葉にできなかったぜんぶがほら、僕のなかにある」というフレーズには、「君を失って、すべてがわかった」そんな僕の思いが詰まっているような気がします。

「どうしてそんな顔で立ち止まっているの」
君ならばそんなふうに怒って言うかな
ぶつかり傷つくたびにくじけてしまいそうさ
でも僕は”これから”を生きなきゃいけない

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160831-293

かなわぬこともあったんだ
やりきれない悔しさをいくつも超えたよ
この街もずいぶん変わってしまった
ふたり歩いた道で 今はひとり空を見上げる

春のなかで

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160831-293

「どうしてそんな顔で立ち止まっているの」


僕は君の幻影から励まされます。


君のいない世界はつらく、厳しい・・・でも僕は、これからを生きなきゃいけない。


そんな僕の覚悟がみてとれます。

涙がこぼれないように 君を思いだすけど
いつも笑っているんだ 少しずるくないかなぁ
ねぇ 僕はあの日から強くなった
そうでもないかな 風がわらった さよなら

愛しさを忘れない

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160831-293

「いつも笑っているんだ 少しずるくないかなぁ」


なぜ「思い出」は輝いてみえるんでしょう。


現在がつらければつらいほど、思い出は輝いてみえる。


たとえ、辛いことや悲しいことがあっても、いいことしか思い出さない、誰しもそんな経験があるのではないでしょうか。


そして、「風がわらった」というフレーズ。


これまでの歌詞でも明らかのように、「君はここにいない」だけでなく、「もうこの世界にいない」。


「僕は強くなった、そうでもないかな」というひとりツッコミに対し、春の風は、君のように笑ってくれながらも、一瞬ですぐに消え去ってしまった・・・そんな風にもとらえられるフレーズです。

涙がとまらないよ もう君に会えないんだね
一緒にすごした日が 遠いひかりになっていく
ねぇ それでも僕は行かなくちゃ
君がいなくとも 明日をみつめていく

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160831-293

涙がとまらないよ ずっと好きだったんだ
なんど春が来ても ぜんぶ忘れないから
ねぇ さよならをもう伝えるよ
君だけがいない 今を生きてく

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160831-293

「過去」や「思い出」はこの世界に生きている僕たちにだけ感じられるもの。


この世界にいない「君」は、「過去」や「思い出」のなかだけでしか生きられない。


でも、僕は、現在を生きている。


冒頭の「さよならを告げなくちゃ」からラストの「さよならをもう伝えるよ」までの時間、僕は君との「過去」を「思い出」を振り返っていました。


そこに見えてきたのは、輝かしいばかりの君。


そして僕には言えない秘密をもちながらそれを隠して明るく笑顔でいた君。


僕がさよならを伝えるのは「君」ではなく、「君」を思って立ち止まっている「僕」。


「僕」は生きるために、「私は幸せだったよ」というラストシーンを胸に前に進んでいく・・・。


そんな風にこの「ラストシーン」を解釈してみました。

「ラストシーン」と映画「四月は君の嘘」のストーリーとの関連性は?

映画「四月は君の嘘」は、2016年9月10日公開。


広瀬すずさん、山崎賢人さん主演の切ないラブストーリーです。


物語ですが、幼い頃からピアノコンクールを総なめにするなど、才能溢れるピアニストであった公正(山崎さん)が、あることをきっかけにピアノの音が聞こえなくなる、そこに天真爛漫なバイオリニストのかをり(広瀬さん)が現れて・・・という内容。


この、かをりと公正を軸にストーリーは進んでいきますが、涙なしでは見ることができない「ラブ・ストーリー」となっています。


実は、いきものがかりの「ラストシーン」は、この「四月は君の嘘」のために水野良樹さんが書き下ろしたもの。


ネタバレになってしまうので詳しくはかけませんが、「ラストシーン」の世界観と「四月は君の嘘」のストーリーが絶妙にシンクロしていて、すばらしい映画となっています。

「ラストシーン」の歌詞に込められた"想い"とは・・・

「ラストシーン」は、「四月は君の嘘」のために書き下ろしされた作品なので、今回の「放牧宣言」とは無関係にみえるかもしれません。


ただ、「ラストシーン」の歌詞には、絶望があっても区切りをつけて、前を向いて生きていくという世界観が投影されています。


それぞれが区切りをつけて、自由に前向きに生きていく・・・。


「ラストシーン」には「放牧宣言」した彼らの”想い”が投影されているのかもしれません。


「いきものがかり」は、どんな困難な状況でも、前向きに生きる。そんなポジティブな歌が少なくありません。


ファンの方にとっては寂しい限りとは思いますが、「いきものがかり」の3人の前向きな言葉を信じ、いつの日かまたあの素晴らしいサウンドが、そしてあの素晴らしいステージが、さらにパワーアップして戻ってくることを期待しながら、待ち続けたいと思います。


関連する記事

この記事に関するキーワード

この記事のキュレーター

心を動かす歌の「詞」(ことば)たち・・・
アーチストの歌詞に込められた”想い”を、いろんな視点から探っていきます。

人気記事ランキング

カテゴリー一覧

おすすめの記事

FacebookやTwitterで最新情報を厳選してお届けしています!フォローしてチェックしよう!

検索