百八円の恋

メジャー6thシングル「百八円の恋」。

この曲はvo.尾崎世界観が、映画『百円の恋』のシナリオを読んで書き下ろした曲で、同映画の主題歌にもなっています。
歌詞も映画の主人公である一子(安藤サクラ)の気持ちそのもの。
私が映画を見た感想としては、主演が安藤サクラ×新井浩文と雰囲気のある役者さん達で、お話の内容もこちらにグサッと刺さってくる「痛み」のある人間臭い映画でした。
なので、クリープハイプの主題歌がぴったりの世界観でしたよ!

映画から入るもよし、曲から入るもよし。
合わせて1つの作品として楽しむのがオススメです。

イノチミジカシコイセヨオトメ

メジャー1st アルバム「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」収録。

この曲はピンサロ嬢を歌った曲です。
ピンサロ、と聞いて食わず嫌いしていては勿体ないですよ!
確かに題材は過激ですが、とってもピュアな歌なんです。

鼻歌で歌ってしまいそうなほど明るいメロディーラインに乗せるのは、来世への希望や1人の男性を想う恋心。
しかも全部方言で歌われるんですよね・・・。
なんだか切なさを感じずにはいられません。
私自身もこの曲が大好きです。

重たいテーマと明るい曲調を対比させるという、クリープハイプらしさが味わえる1曲となっています。
「やるせなさ」と「かすかな希望」を内包したストーリー性の高い名曲です。

社会の窓

メジャー2ndシングル「社会の窓」。

クリープハイプの中ではかなり激情的な曲です。
しかも、曲の主人公はクリープハイプファンの女性(なんか枯れたOLっぽい)という新しい切り口。

尾崎世界観はこの曲の中で、「メジャーデビューしてもバンドのスタンスは変わらない」という思いを伝えたかったそうです。
確かにメジャーデビューしたことで更に馬力がついてキレッキレになったように思います。

特にこの「社会の窓」は、ファンの思いからアンチの声、そして尾崎世界観の本音?まで曲にブッ込み、ストーリー性を持たせて早口で歌い上げるというかなり攻めた曲。
クリープハイプに苦手意識を持っているという人にも聴いてもらいたい1曲です。

HE IS MINE

インディーズ1stアルバム「踊り場から愛を込めて」収録。


女性目線で歌われる「HE IS MINE」は直訳すると「彼は私のもの」。
かなりエゴイスティックな題名ですが、女性は誰しも対象の男性にそういう思いを抱いてるはず。

サビの繰り返しの部分では、女性の強い気持ちに対して煮え切らない男性といったストーリーを想像することができます。
「嫌いじゃないけど・・・・愛してないわけじゃないけど・・・。」
こんな風にはぐらかしながら体だけを求めてくる男、なんともクズです!
まぁでもこんなクズ男に限ってなんか憎めなかったりするもんですよね・・・。

イントロのギターリフが超かっこいいので、ぜひそこにも注目して聴いてみて下さい。

欠伸

インディーズ3rdミニアルバム「待ちくたびれて朝が来る」収録。

この曲も「イノチミジカシコイセヨオトメ」のように、性風俗を匂わせた曲。
直接的な表現はありませんが、そういうお仕事の女性が主人公なんだろうなぁと想像できます。
曲の主人公である女性は「こんなとこにいちゃダメなんだけど」と分かっていながら、その世界から抜け出せないでいる。
明るいメロディに乗せて自嘲している様は、愛しささえ覚えます。

テンポのいい楽しそうな曲調とは裏腹にテーマは重い。
でも決して人生に対して後ろ向きというわけでなく、前向きな諦念を歌った曲です。

自分でその女性のストーリーを想像できる濃い1曲。
聴いた後、何故か元気をもらえます。

エロ

5thシングル「エロ/二十九、三十」収録。

初心者にオススメしてもいいのか?という感じの題名ですが、男性の本音を歌った非常にクリープハイプらしい曲。

恋人とのデート、どうせ最後にやることはいつも同じなんだから早くやろうよ、やったらもう冷めたな・・・そして恋が終わっていく。
男性目線で歌われるその内容は、確かにエロいしクズい。
でもそれってすごく人間らしいというか、若者のリアルとして存在していることだと思います。
褒められたことじゃないけど、若いときって確かにそんな現実もあるよねって聞き入ってしまう曲です。

恋への幻想を否定しながらも曲調は明るい、クリープハイプの代表曲と言えるでしょう。
PV ではパリピに扮したメンバー達が外車を乗り回してます!
最後には警察に・・・というくすっと笑える場面も。

左耳