「輪廻転生」はインパクト大の鋭い楽曲
2018年7月25日にリリースされた「輪廻転生」は意味深なキーワードに溢れた鋭い楽曲。
歌詞の中には「地獄」「罪」などの重みのある言葉が使われ、PVでも様々な解釈を生む演出がなされています。
この楽曲はドラマ25「インベスターZ」のエンディングテーマとして制作。
ぼくのりりっくのぼうよみ自身がこの原作のファンであるとのこと。
登場人物である財前君のぶっ飛んだ人柄を表現した結果、今回の楽曲が出来上がったそうなのです。
抽象的な表現に秘められた深い闇は、ぼくのりりっくのぼうよみワールド全開といえるでしょう。
「インベスターZ」はどんな内容なの?
『インベスターZ』は、三田紀房による日本の漫画。『モーニング』(講談社)にて2013年28号から2017年29号まで連載。投資をテーマにした作品で、実在の人物や、『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』や『マネーの拳』の登場人物も登場する。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/インベスターZ
授業料等の金銭的負担を生徒や家族に求めない学校に入学した主人公の財前孝史。
成績優秀な財前は学校の資金運用を担っている「投資部」に入部し、活躍していきます。
ドラマ化するにあたって実在する企業の運営者が登場するなど、リアリティ溢れる作品となっていますよ。
投資や資産運用に難しいイメージを持っている人も、このドラマをきっかけに知識を深めてみるのもアリではないでしょうか。
ぶっ飛んだPVをチェック
今回ご紹介する「輪廻転生」はなかなか刺激的なPVとなっています。
それでは見てみましょう。
リリックビデオの要素も含んだPV。
途中までは歌詞が表示されるだけでしたが、段々と様々な言葉が画面を埋め尽くしていきます…。
とてつもなく多い情報量が混沌とした世界観を感じさせますね。
筆者も解釈しようと何度も見てみたのですが、非常にぶっ飛んだ内容となっているのが分かりました。
今回は映像と歌詞の両方から意味に迫っていきます。
第一廻は「執行猶予」がテーマ
まずPVに表示された文字をチェックしましょう。
タイトル「輪廻転生」とともに「執行猶予」「cloudy night」「第一廻」という文字が現れました。
1番の歌詞の世界が罪を犯して執行猶予がついている状況であること。
雲行きは晴れやかでないことがうかがえますね。
闇の中を生きる
なくしてしまった感覚が
今ここに蘇る
薄く膜が張ったような未来が
希望に色づけられ息をする
闇の中蹲った 自分だけがぼくを見る
出典: 輪廻転生/作詞:ぼくのりりっくぼうよみ 作曲:ぼくのりりっくぼうよみ
とても耳に残る始まり方ですね。
ここでは自分が生きている様を客観視しているかのように感じます。
深い闇の底で失ってしまった生きている実感。
そして、段々と自分自身の感覚を取り戻して人間らしさが蘇っていく…。
闇の中で重たい身体を引きずって歩いているような光景を筆者は想像しました。
目覚めを予兆するようなパートですね。
「ぼくを見る」と歌い切った後に「ピー」というモスキート音のような高音が流れるのが印象的。
その後、PVでは真っ赤に書きなぐった人型の落書きが登場しました。
へのへのもへじのように感情がこもっていない笑顔です。
これが「僕」の姿なのでしょうか…?
荒れた道を歩んできた
荒れ果てた野を行く
僕らを待つ日々は
憂鬱で鬱蒼 cloudy night
心砕く声が
僕らを裂く日々は
収斂し溶ける far away
出典: 輪廻転生/作詞:ぼくのりりっくぼうよみ 作曲:ぼくのりりっくぼうよみ
厳しい未来を堂々と切り開いていく様を表現しているのでしょうか?
希望に満ち溢れた未来…というよりは、荒れ野を開拓していくような印象を受けます。
しかし、「憂鬱」な日々に落ち込んでいる様子は見られません。
淡々と険しい道を歩んでいるような歌詞ですね。
「収斂(しゅうれん)」とは血管の収縮や収束を表す言葉。
辛い日々も結局は薄れて消え去る…という意味合いでしょうか?
血管の中を巡り吸収されるという解釈もできますね。
歌詞と一緒に「どんな景色でさえ永遠に残る」という文字がPVに映し出されています。
歌詞と対極的なキーワードを映像に忍ばせているのはどんな意味が込められているのでしょうか…。