初めて平井堅が作詞作曲を手がけなかった曲
平井さんの「楽園」は8枚目のシングルでもあるのですが、 8枚目にして初めて平井さんご自身が作詞作曲をしていない曲をリリースしました。
それまでに出していたシングルはどの曲もヒットせず、 もし「楽園」がヒットしなければアーティスト活動を辞めようとまで考えていたそうです。
「楽園」といえば、平井さんのデビューシングルという 認識でいたので、ヒットの経緯を知るとブレイクまでの道のりは なかなか険しいものだったのだと再認識させられました。
この曲は17年前の曲ではありますが、今聴いても 平井さんの独特な世界観が感じられる色褪せない名曲ですね。
今回はそんな平井さんの「楽園」の歌詞の意味を紐解いていきます。
恋人達の別世界「楽園」の歌詞の意味を解釈
満たされた時間の中で
僕らは何が出来るだろう
遥か遠いあの記憶を抜け
僕らは何処へ行くのか
出典: 楽園/作詞:阿閉真琴 作曲:中野雅仁
平井さん特有な高い美声の歌い出しで始まります。
男目線で恋愛の繊細な部分が歌われた内容となっています。
”満たされた時間で何ができるか”、”僕らは何処へ行くのか”、 いずれも疑問形ではありますが、抽象的な表現であるが故に その答えを具体的に示することがない歌詞になっています。
受け取る人により十人十色な解釈になるようなフレーズですね。
フィーリングが強いですが個人的な解釈としては
十分に満足している時間が存在する恋人たちが、 どこか物足りなさを感じ、プラスアルファの何かを求めています。
そのプラスアルファを得るために2人は昔の記憶を 辿っているようなイメージに受け取れるような気がします。
Do U know? 泣いてるあの Love song
今始まるすべてが Freak out! 優しさに孤独が
Can't U see? 夜空に Never Get Down
今僕らを包むよ Last Day 壊れ逝く時代に
出典: 楽園/作詞:阿閉真琴 作曲:中野雅仁
実際に曲を聴いてみると英歌詞との組み合わせが 絶妙であり、心地よいリズムでメロディにのせられているのがわかります。
ところどころ歌われている英歌詞には、独特な世界観の内容のため そのまま和訳してもなかなか解釈の難しいフレーズとなっています。
「Do U know?~優しさに孤独が」までは
あのラブソングにはどこかさみしさが隠されていることを知っているかな? そう考えるとこれから始まることの全てにとても興奮するよね。
という意味になるのでしょうか?
捉え方としては、あるラブソングの歌詞にはもうひとつの意味が込められていて それは「興奮」を連想させるようなものなのではないかと思います。
「Can't U see?・・・」からの意味は
わからないの?2人に純愛が訪れることはないんだよ。 これが僕らの最後の日、「楽園」だった日々は壊れていく。
そんなニュアンスで受け取ることができます。
Let me down あの楽園はもう消えたけど
今もここに朝は来る U & I 最後の日には
君とこんな風に身体を重ねていたい
出典: 楽園/作詞:阿閉真琴 作曲:中野雅仁
ここからサビになります。
楽園が消えたというのは失恋を意味していることがわかります。
2人の楽園の日々が消えてしまってがっかりしているけど それでも毎日朝は変わらず平等にやってくる。
君と一緒にいられる最後の日は 身体を重ねていたいという願望が込められています。
主人公の男性にとって「楽園」が存在していたのはもう過去の話。
それを惜しむような気持ちが垣間見えます。
泣き方を忘れた街で 僕らは今も過ごしてる
傷つけ合い自由を選んで 動けない日々が出来たね
出典: 楽園/作詞:阿閉真琴 作曲:中野雅仁
2人は離れ離れになるも、それぞれ生活を送っています。
「自由を選んで動けない日々」というのは別れたばかりの 恋人達の心情がよく表現されていますね。
お互いが自由を選んだのに、相手がいないとどうにも行動に移せない、 何もやる気が起きない状態になっているのでしょう。
一緒に過ごしていたときは、お互いの有り難みを感じることがなかった2人が 離れてから気づくということはよくあることですが、
そのことをうまく連想させられる「表現力のセンス」が感じられるフレーズです。
U can say 明日に Ever get chance
今繋げる未来へ Hang out! 優しさに光を
出典: 楽園/作詞:阿閉真琴 作曲:中野雅仁
ここでは「君なら新しい未来をつかむことができる」といった
相手を応援するような気持ちが歌われています。
Let me fly 誰もがここで迷いながら
今も何か探してる
U & I いつかまた
巡り会えたらこの場所で歌おう
出典: 楽園/作詞:阿閉真琴 作曲:中野雅仁
「楽園」を失ってしまった恋人たちというのは、 いろんな葛藤と戦い迷うことが往々にしてあります。
主人公の男性も、そういうものなんだと自分にも言い聞かせ
「巡り会えたら・・・」という歌詞からは
2人の楽園がなくなったことを徐々に受け入れ、 次に進もうとしている心境がうかがえます。