「御伽の街」とは
「御伽の街」は小袋成彬プロデュースの下、DAOKOが2020年1月にリリースした楽曲です。
インディーズ時代の彼女を彷彿とさせる攻めたラップ。
そしてポップでありながらどこか退廃的なメロディとリリック。
ラップシンガーとしての才能を遺憾なく発揮させた、ファンにとっても嬉しい楽曲となっています。
淡々と綴られる歌詞は、現実と非現実が織り混ざった不思議な世界観が広がっています。
そこにはどんな意味が込められているのでしょうか。紐解いていきましょう。
非現実の世界
落とし前をつける
御伽の街に私落とし前つけにきました これはマジ
出典: 御伽の街/作詞: DAOKO・Nariaki Obukuro 作曲: DAOKO・Nariaki Obukuro
おとぎ話。桃太郎やシンデレラなど、子供の頃に誰もが聞いたことのある空想のお話ですね。
御伽の町とはそんなおとぎ話のような夢に溢れた空想の世界のことを差しているのでしょう。
そこに落とし前をつける、と言っています。
よくドラマなどで耳にする言葉ですね。その意味は「自分の失敗の後始末をすること」です。
御伽の街は主人公の失敗の象徴ということなのでしょうか。
空想の世界の後始末をする。
つまり、現実から離れた夢見がちな自分にけりを付けて、しっかり現実を見て生きていく決意をする。
そんな意味合いなのでしょう。
みんな踊り出す不思議な東京
根こそぎ撃ち 獲物達 頭直に バチバチ 溝に落とす針
出典: 御伽の街/作詞: DAOKO・Nariaki Obukuro 作曲: DAOKO・Nariaki Obukuro
空想の世界で、主人公は次々に標的を撃っていきます。ここで言う標的は街にすむ住人達でしょうか。
頭直は脳天直下。溝は脳の中の溝、脳のしわを表しています。
まさに、脳みそに直接針を刺していく様子なのでしょう。
脳を刺激することで、その感情や動きをコントロールしていきます。
たちまちに踊り音に無数が浮遊した異空間 yo
妄想が応答し創造した東京だ yeah
出典: 御伽の街/作詞: DAOKO・Nariaki Obukuro 作曲: DAOKO・Nariaki Obukuro
それによって街の住人達は踊り出します。四方から音楽が鳴り響き、異様とも言える空間が広がっていきます。
その空間を主人公は「東京」と名付けたのですね。
空想の世界にけりをつけるはずが、楽しい空間が出来上がってしまいました。
これからどうなっていくのでしょうか。続く歌詞を見ていきましょう。
不可思議な空間で起こること
御伽の街を楽しむ
おかしなものを拝み同じ夜を噛みました
賑やかし達に街の灯り当たり辺り一面点滅し
ALC. 流れ込むシーケンスいい感じ
出典: 御伽の街/作詞: DAOKO・Nariaki Obukuro 作曲: DAOKO・Nariaki Obukuro
空想の東京で、皆が楽しく踊り歌います。
おもしろおかしい光景を皆で目にし、楽しい夜を味わいながら。
賑やかす人々が沸き、辺りの電灯がネオンのようにきらびやかに点滅を繰り返します。
ALCは自動で流れる音楽を表しているのでしょう。
アルコールを呑んだような、ふわふわした気分かもしれません。
居心地の良い音楽が流れ、楽しい時間が過ぎていきます。