「田園」に隠された苦悩とは
聴くと元気が出るというファンの方も多い「田園」。そんな「田園」に隠された苦悩とは一体なんなのでしょうか。
精神病を患っていた?
インターネット上やニュースでは、彼の破天荒な言動が取り上げられることがよくあります。
実は彼にとって、大ヒットした「ワインレッドの心」が、破滅のはじまりだったようです。
安全地帯はアメリカの実力派バンド「ドゥービーブラザーズ」のようなサウンドを目指していましたが、ヒットに恵まれませんでした。
そして、ヒットを狙ってつくった歌謡曲のような「ワインレッドの心」が大ヒットします。
求められることと自分がやりたいことが違うということや、ヒットしなければいけないというストレスから、「奇行」と呼ばれる行為が増えてしまったようです。
おそらく、玉置浩二のアーティストとしての真剣さと感受性豊かな繊細さが、自分の中の矛盾にたえられなくなってしまったのだと思います。
彼を支えた母親の言葉
そのような精神的な疲れやバンドのトラブルで、彼は心のバランスを崩してしまいます。
そして、精神病院に入院しますが、薬で無理やり眠らされることに恐怖を感じて逃げ出してしまいました。
その後、生まれた場所である北海道に帰郷して、静養をしますが悩み続けていたようです。
そんな時に、母親からそんなに悩むなら音楽はやめて、一緒に農家をやろうと言われます。その言葉を聞いた時に肩が軽くなり、友人の支えもあって回復していきます。
そのような時期があって、「生きているんだそれでいいんだ」とはげますような「田園」が生まれたのです。
「田園」の歌詞を紐解く
次に、「田園」の歌詞の意味を解説していきます。
悩んでも焦ってもかまわない
石コロけとばし 夕陽に泣いた僕
夜空見上げて 星に祈ってた君
アブラにまみれて 黙り込んだあいつ
仕事ほっぽらかして ほおづえつくあの娘
出典: https://twitter.com/tsumugubot/status/919702832462180352
何もうばわないで 誰も傷つけないで
幸せひとつも守れないで
そんなに急がないで
そんなにあせらないで
明日も何かを頑張っていりゃ
出典: https://twitter.com/mel0dy_B_/status/920931475658121216
目まぐるしいスピードで、世の中は移り変わっていきます。その中で、自分が何ができるのかと悩んでしまうこともありますよね。
急いで焦って何ひとつできていない自分にイラだって、人を傷つけてしまうこともあるでしょう。
しかし、この曲は周りから見てではなく、がんばっている自分を認めてあげようと言っているのだと思います。
今日も頑張って生きた自分がいる、それを認めて明日も頑張ろうとはげましてくれているのです。
生きているんだそれでいいんだ
生きているんだ それでいいんだ
ビルに飲み込まれ 街にはじかれて
それでもその手を離さないで
出典: https://twitter.com/o0Yukito_N0o/status/619783801258901504
僕がいるんだみんないるんだ
愛はここにある 君はどこへもいけない
出典: http://j-lyric.net/artist/a0006e5/l007144.html
「田園」はなんといってもこのサビの歌詞が最高です。
「生きているんだそれでいいんだ」という言葉は、悩んだ時期を乗り越えたからこそわかった心からの言葉なのだと思います。
生きているというだけで意味があるというこの曲は、生きる人すべてへの応援歌といっても過言ではないと思います。