Every Little Thing【愛のカケラ】

2人体制になって初の新曲

Every Little Thing【愛のカケラ】歌詞の意味を徹底解釈!君を守るのは何?常に忘れずにの画像

1996年にボーカル持田香織とギター伊藤一郎、そしてキーボード五十充の3人でデビューしたEvery Little Thing

作詞・作曲は五十が担当していましたが、彼はプロデュース業に専念するため2000年に脱退しました。

今回ご紹介する【愛のカケラ】は、初めて持田・伊藤の2人体制でリリースした新曲

当時、資生堂「マシェリ」のCMソングに起用されたため、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

この楽曲の作詞は持田が担当。伊藤も編曲で楽曲制作に携わりました。

歌詞についてはWikipediaで以下のように記載されています。

本作の歌詞はメンバーの一人だった五十嵐が脱退した当時の持田の心境が反映されたものとなっており、持田は当時の事を振り返って「何が正解で、何をもって終わりとなるのか、本当に分からないなと思いました。本当に頑張っていきたい一心で書いた曲だと思う。」と語っている。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/愛のカケラ_(Every_Little_Thingの曲)

脱退した五十は、元々Every Little Thingのリーダー。

そのため伊藤も持田も「今後2人だけでやっていけるのか」と不安だったことでしょう。

もちろん、当時ファンも同じ気持ちを抱えていました。

その不安を拭い去るように【愛のカケラ】は週間オリコン第2位を見事達成

また、この楽曲で4回目の紅白歌合戦への出場を果たしています。

そのように、Every Little Thingは新たな時代を2人体制で力強く歩み出しました。

なお、この楽曲は4枚目のアルバム「4 FORCE」に収録されています。

思い出す青春

切ない夜に

ぼんやりと 空に浮かぶ 月を見上げて
夏の終わりを 風に きいたね
消えかけた 懐かしい 青い記憶が蘇ってく

出典: 愛のカケラ/作詞:持田香織 作曲:多胡邦夫

この楽曲の始まりには、主人公が切ない夜を過ごしている情景が描かれます。

夏の終わりはどこかノスタルジックな気分になるもの。

主人公もまた、昔のことを思い出したようです。

思い出したのは「青い記憶」という歌詞から、青春時代の記憶だということがわかります。

多くの人にとって青春時代は人生という物語の中で輝かしい1ページ。

そこから一旦離れると、思い出すだけで少し胸が痛むような気持ちになるものです。

さて、Every Little Thingの五十嵐が脱退したのは3月。

そしてこの【愛のカケラ】がリリースされたのは10月です。

ボーカル持田も夏の間、この楽曲の主人公同様に切ない夜を過ごしていたのでしょうか。

3人で活躍していた時代は彼女にとって、ある意味「青春」だったのかもしれません。

そう考えるとなんだか感慨深い歌詞のように感じます。

いつか見た夢

こんなにも 優しさが 痛いことなど
知る術もなく 過ごしていたね
とめどなく あふれてた 教室での あの笑い声も
眩しい程 輝いた まなざしも
いつの間にか 置き忘れた夢を 思い出して

出典: 愛のカケラ/作詞:持田香織 作曲:多胡邦夫

1行目に出てくる「優しさ」とは青春時代の思い出そのもの

3行目以降で描かれているように、主人公の周りにはたくさんの人がいました。

時には喧嘩もした友達。恋をしていた人。

そして、それを見守る先生や親。

守られた中でおくることができていた輝かしい青春時代です。

しかし、今となっては眩しすぎて自分を切なくさせる記憶

なぜなら、同時に夢見ていた頃の自分を思い出させるからです。

きっと今の主人公はその頃抱いていた夢を諦めてしまっているのでしょう。

輝かしい時代の自分と今の自分を比べてしまい、苦しいのです。

今が辛くても

やわらかな 風に吹かれ
夢中で駆け抜けた 遥かなる日々よ
どんなに つらくたって
愛してくれる人達がいること 忘れないで

出典: 愛のカケラ/作詞:持田香織 作曲:多胡邦夫

思い出すだけで、切なくなる青春時代の記憶。

しかし、その記憶は今の主人公を痛めつけるだけのものではありません。

胸は少し痛むけれど、同時に優しい気持ちにもなれるのです。

青春は過ぎ去っても、共に過ごした仲間との絆は失われてはいない。

今が辛くても受けた愛情は自分を守り続けてくれていると思わせてくれます。

この自分に言い聞かせるような歌詞には当時の持田の気持ちも反映されているのではないでしょうか。

2人体制でEvery Little Thingの活動を続けていくことへの不安を抱えていた持田。

それでも、ファンが変わらずそばにいてくれるはずだと自分に教えたかったのでしょう。

現在の自分