牛丸ありさ(ボーカルギター)が実体験を赤裸々に描いた、攻撃的失恋ソング。

業界注目ガールズユニットyonige。イマドキ世代ならではの失恋を描いた『アボカド』歌詞解説の画像

2013年結成の大阪寝屋川発ガールズユニットyonige。

当初は3人で活動をしていたが、2015年に全国流通版が発売されるタイミングで、

ドラムが突然の脱退。

残された牛丸ありさとごっきんの2人体制で再始動をし、現在に至ります。

まだ無名だった彼女達が一躍有名となったのが、

「スペースシャワー列伝JAPAN TOUR」という、音楽専門チャンネルが主催するイベントでした。

今や一線で活躍する人気バンドを世に送り出してきた、若手バンドの登竜門的な存在です。

このイベントの2017年度出演バンドに選ばれたことで、

大阪から日本全国へと拠点を拡大しています。

『アボカド』は、

スリーピースバンドだった時に作られたアルバム「Coming Spring 」に収録されています。

動画サイト「YouTube」での再生回数は300万回を突破し、

yonigeの名を世間に広めた曲とも言えるでしょう。

タイトルからしてもかなり強いインパクトですが、この歌詞にも注目されていて、

本当にどうかしちゃっている。

実は、牛丸が直面した実体験を赤裸々に描いた、リアル失恋ソングなのです。

本当なら、他人には知られたくない事柄が曲になっていたので、

メンバーもビックリしてしまったそうです。

 

牛丸ありさが持っている、独特な感性と当時の怒りが強く出ている『アボカド』の歌詞を、

紐解いて行きましょう。

君ってさ、そんなにアウトドア派だったのね。本当は。

業界注目ガールズユニットyonige。イマドキ世代ならではの失恋を描いた『アボカド』歌詞解説の画像

私と別れて君はさ
モデル級の美人と付き合ったし
心が砕ける音がしたしね
そりゃもう
バリバリバリバリバーーーーン
私と別れて君はさ
毎日充実してそうだよね
そんなにアウトドア派だったのね?
それゃもう
バリバリバリバリバーーン
愛していたんだっけ?
今じゃもうよく覚えていないけど
今もあん時のことばっか
思い出しちゃうの
バカだよね

出典: アボカド/作詞:牛丸ありさ 作曲:牛丸ありさ

冒頭から怒りがもう煮えたぎっていますね。

 

「モデル級の美人と付き合ったし」

「毎日充実してそうだよね」

何故そんな事がわかるのか?

イマドキの恋愛事情が垣間見れる歌詞です。

昔の恋愛は、別れたら大抵の場合は音信不通となり、

どこかで出くわしてしまうような事件が起きる以外は、

相手の現状なんて知る事が出来ませんでした。

2005年頃から、若者の間でSNSが普及し始め、

誰でも日常の出来事を公開する事が出来るようになってしまった事で、

別れた後でも、相手をブロックしたり外したりしなければ、

何もかもがバレバレです。

アカウント名さえ覚えていれば、鍵無しなら見放題。

怖い世の中になりましたね…。

SNS世代だからこそ共感が出来る部分だと思います。

「バリバリバリバリバーーーーン」

わかりやすい言葉で、怒りを表すのでは無く、

そのときの心情を擬音で表現する事で、

言葉にする事が出来ない程の怒り。振り切ってしまった怒り。

というのが聴き手の心にダイレクトに伝わってきます。

業界注目ガールズユニットyonige。イマドキ世代ならではの失恋を描いた『アボカド』歌詞解説の画像

バイバイ 全部知ってる
バイバイ あの狭い部屋
バイバイ まだ怒ってる?
バイバイ 君に投げつけたアボカド

出典: アボカド/作詞:牛丸ありさ 作曲:牛丸ありさ

曲のタイトルにも歌詞にも出てくる”アボカド”

どのような状態をイメージしていますか?

アボカドの皮を剥く前と剥いた後では、

全然ニュアンスが変わってきます。

この流れから察するとなると、投げつけたのは…

皮付きの非常に硬いアボカドだったのです!

本人曰く、「何かを投げつけてやりたくて、冷蔵庫を開けたら、

皮付きのアボカドがあったので思わず投げつけてやりました。」

とのことでした。

その部屋というのが彼氏の家だったので、

”全部知ってる” ”あの狭い部屋”

というリアルな情景がそのまま歌詞にも使われているのです。

それにしても凄いエピソード…。

私さ、ダラダラ時間が過ぎて行く毎日を過ごしているよ。今は。

業界注目ガールズユニットyonige。イマドキ世代ならではの失恋を描いた『アボカド』歌詞解説の画像

君と別れて私さ
空っぽの抜け殻みたいになったし
毎日時間が過ぎて行くだけ
ただただ
ダラダラダラダラだ
君と別れて私さ
映画を見て現実逃避
映画のような口説き文句もね
今じゃ バレバレバレバレだ

出典: アボカド/作詞:牛丸ありさ 作曲:牛丸ありさ

メンヘラな部分が垣間見れる歌詞にも注目の2番です。

彼氏にアボカドを投げつけるくらい怒っていたはずなのに、

一人になった途端に後悔し始め、嘆く。

別れて気づいた彼の存在の大きさ。

新しい恋に踏み出すことも出来ないくらい、

心に出来た大きな傷。

怒りを通り越し、虚しくなっている様が見える部分です。

バイバイ 絡まっている
バイバイ あの長いヘアー
バイバイ まだ気にしてる
バイバイ 君に潰されたアボカド

出典: アボカド/作詞:牛丸ありさ 作曲:牛丸ありさ

アボカド事件にはとんでもない続きがあります。

何故、皮付きのアボカドが潰されたのか。

これも、本人が話された事実なのですが、

彼に投げつけた後、喧嘩で疲れてしまってその場で寝てしまったらしい。

その後、彼氏が自らの手でそのアボカドを握り潰し、怒りを露わにしていた。

という続きがあったそうです。

皮ごと投げつけたアボカド。ぐちゃぐちゃになったアボカドの痕。

業界注目ガールズユニットyonige。イマドキ世代ならではの失恋を描いた『アボカド』歌詞解説の画像

愛していたんだっけ?
君を一切合切嫌いになりたい
愛されていたんだっけ?
君は一体全体どうなの?
バイバイ サビついている
バイバイ 君泣いていた
バイバイ 気になっている
バイバイ 君待っていた
バイバイ バイバイ
バイバイ こびりついている
バイバイ
ぐちゃぐちゃになったアボカド

出典: アボカド/作詞:牛丸ありさ 作曲:牛丸ありさ