ミスターチルドレン最新シングル「ヒカリノアトリエ」とは?

ミスターチルドレンの最新シングル「ヒカリノアトリエ」。 10月から始まったNHKの連続テレビ小説「べっぴんさん」の主題歌としてもお馴染み。 ボーカル桜井さんの優しい歌声と心地良いメロディーのこの曲を、すでに耳にした方も多いのではないでしょうか。 そんな「ヒカリノアトリエ」の歌詞の意味、そして歌詞に込められたメッセージを探っていきたいと思います。

「ヒカリノアトリエ」の歌詞に迫る

Mr.Children「ヒカリノアトリエ」の歌詞に込められた意味とは?の画像

「ヒカリノアトリエ」というタイトル、すべてカタカナです。 そういえば、かつてミスチルには「ニシエヒガシエ」っていう曲もありましたね。 これもすべてカタカナです。 それにしてもどうして「光のアトリエ」でなく「ヒカリノアトリエ」なのでしょう。 そして、この「ヒカリノアトリエ」とはどんな意味をもつのでしょう。 歌詞にせまってみたいと思います。

「雨上がりの空に七色の虹が架かる」
ってそんなに単純じゃない
この夢想家でも
それくらい理解ってる

出典: ヒカリノアトリエ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

雨上がりの空・・・何か良くないことが起きたのでしょう。 おそらく、自分ではどうすることもできないようなトラブルとか困難とか。 もしかしたら、失恋、別離、気持ちのすれ違いなど、人間関係の問題かもしれません。 僕らは、そういった局面に出会うと、自分ではない「誰か(何か)」にすがりつきたくなります。 そして、自分の苦境を救ってほしい、と思ってしまいます。 たとえば、世の中には神様がいて、不幸な自分を救ってくれるんだ・・・。 でも、そんなにうまくいいくはずがない。 「幸せ」という七色の虹はそんなに簡単にやってくるはずはないんだ、と歌っています。

Mr.Children「ヒカリノアトリエ」の歌詞に込められた意味とは?の画像

大量の防腐剤
心の中に忍ばせる
晴れた時ばっかじゃない
湿った日が続いても腐らぬように

出典: ヒカリノアトリエ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

「大量の防腐剤」 なかなかお目にかかれないフレーズですが、心が腐らないようにするための防御装置のようなものでしょうか。 それは、音楽などの趣味であったり、一人になれる「ひととき」だったり。 何かと気を遣う世の中で、人に気づかれないように、どこかで自分の心に逃げ道をつくってやらないと、自分が腐ってしまいます。

 

たとえば100万回のうち
たった一度ある奇跡
下を向いてばかりいたら
見逃してしまうだろう
さあ 空に架かる虹を今日も信じ
歩き続けよう
優しすぎる嘘で涙を拭いたら
虹はもうそこにある

出典: ヒカリノアトリエ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

サビでは、空に架かる「幸せ」という虹を探して、前を向いて歩き続けよう、と僕らを励ましてくれます。 たとえば、それはもしかしたら100万回にたった一度の奇跡かも知れない。 でも、立ち止まって、下を向いていては、その奇跡に会うチャンスもない。 だから、前を向いて歩き続けるのです。 そして何度も失敗をしたり、また困難な事が起きるかもしれません。 それでも、歩き続けていればこそ出会える「優しすぎる嘘」がある。 つらいとき、苦しいとき、「大丈夫だよ!」「なんとかなるさ!」そんな励ましをうけることがあります。 もしかしたら、それはその場しのぎの「優しすぎる嘘」かも知れない。 だって、未来は誰にもわからないのだから。 また、音楽を聴いたり、映画を見たりして、そのフレーズやストーリーに自分を投影して、感動することがあるかもしれません。 でも、それって「幻影」という「優しすぎる嘘」かも知れない。 だって、困難なとき、辛いときだからこそ、共感しただけかもしれないのだから。 それでも、その「優しすぎる嘘」たちは、僕らに前を向いて歩く「勇気」を与えてくれます。 実はそのことこそが「幸せ」=「虹」なのではないでしょうか? そんな風に読み取れる歌詞です。

Mr.Children「ヒカリノアトリエ」の歌詞に込められた意味とは?の画像

「一体何の言味がある?」
つい損か得かで考えてる
でも たった一人でも笑ってくれるなら
それが宝物

出典: ヒカリノアトリエ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

僕らは、知らず知らずのうちに損か得かで判断しています。 つまり、「自分にとって得すること(プラスなこと)は、何なのか」で動いています。 でも、それで得られるのはなんなのでしょう。 たとえば、僕らが「働く」のは、自分でお金を得るためだけじゃない。 自分が「働く」からこそ、誰かが幸せになっている。 すべて、人のため。 自分が行動することで、たった一人でも笑ってくれるのなら、そして幸せになるのなら、それは自分という存在に価値があるということ。 それだけでそのことが宝物であると歌っているような気がします。

 
Mr.Children「ヒカリノアトリエ」の歌詞に込められた意味とは?の画像

誰の胸の中にだって薄暗い雲はある
その闇に飲まれぬように
今日をそっと照らしていこう

出典: ヒカリノアトリエ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

とはいうものの、僕らの心には、闇がある。 自分だけが得をするためだけに行動したり、人を傷つけたり・・・。 人間はそういう存在であることを認めながら、でも、そういう人間になってしまわないように自戒しながら歩き続ける・・・。 薄暗い雲の中、急にそのことを考える(=明るく照らしてしまう)と、雨が降ってきそうなので、「そっと」照らしていくのです。

過去は消えず
未来は読めず
不安が付きまとう
だけど明日を変えていくんなら今
今たけがここにある

出典: ヒカリノアトリエ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿