好きだけど 好きだから 好きなまま いて欲しい
あなたの目には 優しさが
こぼれそうになってると思う
大丈夫 あたしなら大丈夫って 笑うんだ
精いっぱいの背伸びをすれば あなたが
今すぐ走り出せるなら
この夏に閉じ込める
あたしの本当の気持ちを

出典: なみだ/作詞:井上苑子 柳沢亮太 作曲:柳沢亮太

まだ彼のことが好きだけれど、好きだからこそ、私を好きなままでいて欲しい。

なんて切ない歌詞でしょう。

好きなままでいて欲しいから、わがままは言わずに「大丈夫」と我慢して笑う。

それが彼女の選んだ道でした。

きっと「離れたくない」と言えば彼はいいよ、と言ってくれるでしょう。

彼もまだ彼女のことが好きだから。

だけど今はそれでよくても、いつかは彼女のことを負担だと感じるかもしれない。

それなら今、お互いが好きなうちに別れて綺麗な思い出にしたほうがいい。

彼の中でいつまでも「好きだった人」でいられるから。

そんな思いから、彼女は彼への思いを夏に閉じ込め、無理にでも笑おうとするのです。

好きなまま、は苦しい

どちらが悪いわけじゃないから
どうしたらいいのか わからなかった

好きだけど 好きだから 好きなまま 思い出に
未来だなんて いつまでも
未来のままだと思ってた

去年の夏に 二人きりでした
線香花火のように 鮮やかで 儚くて
終わらないでと願う日々が 終わる

出典: なみだ/作詞:井上苑子 柳沢亮太 作曲:柳沢亮太

去年の夏は、こんな日が永遠に続くと思っていた。

あの日、終わらないで、と願った日々が終わってしまった今、それでも彼への思いは止まりません。

好きなままでいてほしかったから選んだ「終わり」は、彼女には通用しません。

二人の関係は終わってしまっていたとしても、彼女の気持ちに終わりは来ない。

まだ好きなままの彼女は、思い出に埋もれてしまいそうになりながらも、彼の夢を応援するために「終わらせる」のです。

心配そうな顔が目に浮かぶ

「あのさ」と言った 口元が
何を堪えてるかわかるよ
大丈夫 あたしなら大丈夫って 笑うんだ

出典: なみだ/作詞:井上苑子 柳沢亮太 作曲:柳沢亮太

一通り別れの話をした後の「あのさ…」。

この後に続くのはきっとさっきまでの別れの話をナシにする力を持っていたでしょう。

「大丈夫?」と聞かれれば「大丈夫じゃない」と答えればいい。

「君はどう思う?」と聞かれれば「別れたくない」と言えばいい。

きっと彼もその言葉を酌んでくれるでしょう。

だけど彼女が選んだのは精いっぱいの笑顔での「大丈夫」。

精一杯背伸びをして、大人の女性を演じて見せたのでした。

ひょっとするとこの恋は、年上の彼と彼女の恋なのかもしれない。

彼女よりも一足先に大人にならないといけなくて、進むべき道を探すには今のままではいられなくなった。

「迎えに来るから」なんて言わないのは縛り付けたくないという彼の優しさかもしれません。

それほどまでに「淡い恋」だったのかもしれませんね。

彼女の本音が溢れ出す

大好きだったよ
大丈夫なんかじゃないよ
あなたについた最初で最後の嘘
夏の忘れもの

出典: なみだ/作詞:井上苑子 柳沢亮太 作曲:柳沢亮太

この歌の最後に溢れたのは彼女の本音

本当は「大丈夫なんかじゃない」、そう言いたかった。

だけどこの思いは夏の中に忘れていこう、彼女はそう決めて前に進もうとしています。

彼女は彼のことを忘れることができるのでしょうか。

それとも夢を叶えた彼が迎えに来てくれるでしょうか。

この恋の行方が気になりますね。

MVも見てみて!

「久しぶりに会えないかな」

海辺で電話をする女性の姿から始まります。

このMVに描かれるのは夏のひと時を仲睦まじく過ごす男女の姿

そして対照的に真っ暗闇の中、たくさんのキャンドルに囲まれて一人歌う井上苑子の姿。

対照的なのは映像だけではありません。

楽しそうな男女に対し、井上の表情はどこか儚げで、涙を堪えているようにも見えます。

だけどこの楽しそうな姿が彼女の「思い出」であって「今」ではないことは冒頭の電話のシーンから想像がつきますね。

井上苑子が歌う世界こそが「今」であり、楽しい風景はすべて「綺麗な思い出」なのです。

歌の世界観を最大限に描いたMV、ぜひ合わせてチェックしてみてください。

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