東京という街は、時として混沌という言葉を以て表現されます。
みすぼらしい身なりをしながら、毎日をただ必死に生きてゆく人がいる。
一方で左ハンドルの外国車を乗り回しながら、日々を悠々自適に過ごす人がいる。
同じ街の中で、暮らしの水準が天と地ほども違う人々が、当たり前のように同時に存在している。
ここまで極端な暮らしの差がある街は、日本でも他になかなか例を見ないことでしょう。
東京という混沌の渦巻く街だからこそ、実現している光景なのかもしれません。
夢や憧れの鮮やかな色は東京の街に溶けてゆく
午前5時の都会は妙に罪深い
高層ビルが湿った壁に見えました
東京 モノトーン
憧れ フルカラー
出典: モノクロトウキョー/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎
たくさんの夢や憧れが渦巻く街、東京。
しかしその色鮮やかでカラフルな思念には、長く残り続けるものはなかなかありません。
鮮やかな未来を夢見て、理想を掲げてこの街にやって来た人々。
その中のどれくらいの人が、今もこの街に来たばかりの頃掲げていたものを胸に残せているのでしょうか。
溢れかえる人、無機質な世界、冷たい空気。
それらにいつしか鮮やかな夢の温度や彩度は奪われ、自らの夢もこのモノクロの景色の一部と化した。
気づけば自身もモノクロな東京の景色に埋もれていった、そんな人もきっと多いことでしょう。
東京という街は多くの夢の温度や彩度を奪い、どんどんと肥大してゆく、罪深い生き物です。
それに抗えなかったからといって、責める者は誰もいません。
なぜなら、それもまた東京という街の自然の摂理なのですから。
一体誰が、東京の摂理に抗えなかった人々を責められるというのでしょう。
自分もまた、その1人の内に過ぎないのだというのに。
僕の心を潤す「なにか」を見つけるためには
そう 並び立つビルボード見上げ僕は
ほらアクビをした
そう からからに乾いてる心は
心は何を待ってるんだ
出典: モノクロトウキョー/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎
街を彩る鮮やかなネオン、どこからともなく聴こえてくる音楽。
退屈な僕にとっては、それらは街の景色の一部に過ぎません。
特筆目を止める必要も、耳をそばだてる必要もないもの。
今日もまたいつもの街の喧騒が広がっている、と特に気にも留めず彼は街を歩いてゆくのです。
けれど、いつかは自分の心をときめかせる「なにか」に出会えるはず。
それが「なにか」は、彼自身もまだわからないようですが。
彼はもしかしたら、その「なにか」にすでに出会っているかもしれません。
しかし彼は、このままではそれに気づくことは永遠に出来ないでしょう。
今目に見える景色、今どこかから聞こえてくる音。
それらを全て当たり前のように享受している彼は、きっと心を潤す「なにか」には気づけないままです。
自分が過ごす毎日を退屈だと思っているあなたにも、きっと同じことが言えるでしょう。
あなたを退屈から連れ出してくれる「なにか」は、待っているだけではやってきません。
ぜひあなた自身から、「なにか」を探しにいってみて下さい。
小さな一歩を踏み出すだけで、きっと世界は劇的に変わってゆくはずです。
サカナクションの醍醐味はやっぱりライブ!
歌詞をチェックしたところで、最後に楽曲と併せてサカナクションのライブ映像をお楽しみください。
【モノクロトウキョー】がライブで演奏された彼らのツアー「SAKANATRIBE 2014」。
そのライブBlu-rayのトレーラーが、こちらの映像となっています。
彼らのライブは、まさに音と映像の奇跡の饗宴。
サカナクションの音楽を五感で体感できる、まさに究極のエンターテイメントと呼べるでしょう。
楽曲にそこまで詳しくない方も、生粋のサカナクションファンも、どちらも楽しめるショー。
それがサカナクションのライブの最も大きな魅力なのではないかと思います。
彼らのライブの良さが、この映像で少しでも伝われば幸いです。
最後に
いかがでしたか?
今回はサカナクション【モノクロトウキョー】の歌詞の世界観を解説致しました。
たくさんのカラフルな夢や目標に溢れた街、東京。
その街の中でどのように日々を過ごすかは、きっとあなたの心掛け次第です。
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本サイトOTOKAKEには、まだまだ皆さんに読んで頂きたい素敵な記事がたくさん。
最後に、本記事と併せて読んで頂きたい解説を2本ピックアップして終わりたいと思います。
今回ご紹介するのは【モノクロトーキョー】にちなみ、タイトルが【東京】となっている楽曲です。