今も愛され続けるバラード

プリンセスプリンセス「M」の歌詞の意味が知りたい!の画像

プリンセスプリンセスのデビューは1986年。

10年後の1996年に解散しましたが、2012年には東日本大震災の復興支援のために再集結し大きな話題となったのは記憶に新しいことでしょう。

そんな彼女たちの人気曲のひとつに数えられる「M」は、初めは1988年に発売された3rdアルバム『LET'S GET CRAZY』の収録曲でした。

その翌年、7thシングルである『Diamonds』のカップリング曲となっていますが、当時はタイアップも何もないB面の曲でしかありませんでした。

バンドドラムスである富田京子の手がけたその歌詞には、破局した男性のことを忘れられずにいる女性の切ない思いが描かれています。

彼女自身の失恋をもとに書かれたという歌詞は多くの共感を呼び、B面でしかなかった一曲はプリンセスプリンセスの代表曲のひとつとなりました。

多くのアーティストによって歌い継がれ、最初の発売から30年近く経った今でも聴かれ続けている「M」。

そこに綴られた想いを紐解いていきます。

どんな恋だったのか

先にも書きましたがプリンセスプリンセスドラマー富田京子の「恋」はどんな恋だったのでしょう。

もちろん詳細は明かされてはいませんから少し想像してみましょう

音楽が大好きでバンド活動が楽しくて、毎日が充実していたであろうプリンセスプリンセスのメンバーたち。

お年頃の彼女たちですから好きな人や恋人がいたとしても不思議ではありません。

当然学生ではありませんから仕事の合間に会うような恋愛だったと想像できます。

忙しくなってきた彼女たちにとって、ほんのつかの間のオフタイムは体を休める絶好のチャンスです。

でも、大好きなあの人と会うためにはそのオフタイムを使うしかありません。

しばらく会っていない恋人より眠ることを優先するという人は少ないでしょう。

ですから、多少の無理は承知で出かけるはずです。

限られた時間だったからこそより楽しく感じられたのではないでしょうか。

「どこに行く?」

「何を食べる?」

そんな会話にさえ幸せを感じた最高の時間だったことでしょう。

もしかしたら片思いから始まった恋かもしれません。

長い間秘かに抱いていた恋心。

その頃はまだ自由に時間が使えていたのでしょう。

不思議なもので仕事が順調だといろいろなことも同時に上向くものです。

ある日突然、片思いが両思いになったのでしょう。

恋が順調だと気持ちも明るくなり、いろいろなことで良い影響が生まれます。

そしてプリンセスプリンセスとしてのバンド活動もどんどん忙しくなっていきます。

全てのことがうまく運んでいるような気分になったのではないでしょうか。

なぜ振られてしまったのか

別れは突然訪れます。会いたい時に会えないジレンマは2人の恋に小さな風穴を開けていたのです。

プリンセスプリンセスとしてのバンド活動は徐々に忙しさを増していきます。

彼女の夢を知っていた彼は応援し励ましますが、会えない寂しさは拭いきれるものではありません。

もしかしたら誰かに相談していたのかもしれないですね。

悩みを相談するという行為が恋に発展するというのは良く聞く話。

彼も例外ではなかったのです。

相談という名目で会うことが多くなり、やがてその名目さえ必要なくなっていきました。

彼の寂しさは十分承知していてもどうすることもできず、多忙な毎日はどんどん過ぎていきます。

やっとできた時間を使って彼のもとに走る姿が思い浮かぶようですね。

そして告げられた別れ。

自分の責任だと思う他ありません。

彼の寂しさは解っていました。でもどうしようもなかったのです。

彼の背中を見送りながらただ流れる涙。

誰も悪くないのです。それゆえにこの悲しみをぶつける場所も無いのでしょう。

そんな心を抱えたまま、忙しさに流され時間だけが過ぎていきます。

でも忘れられたわけではありません。

蓋をしていただけなのです。

久しぶりにとれた休みの日、遂にその思いがあふれ出します。

もしかしたらこの作品は自分の気持ちを整理するために書いた本音なのかもしれませんね。

断ち切れない想い

まるで呪縛のように

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いつも一緒にいたかった
となりで笑ってたかった
季節はまた変わるのに
心だけ立ち止まったまま

出典: M/作詞:富田京子 作曲:奥居香

切ない思いがあふれています。

「季節はまた変わる」の「また」というのはそれが一度ではないということでしょうか。

「また」に再びという意味はなく単に強調の意味である可能性もあります。

「再び」の意味なら別れから少なくとも2度は季節が変わっている、つまり半年は過ぎているのにまだ心の中には変わらぬ思いが残っていることに苦しんでいることになります。

「強調」の意味でとるならば、時間は確実に過ぎて行っているのに動けずにいる情けなさを鮮明に描いているということです。

時間しか解決できない

あなたのいない右側に
少しは慣れたつもりでいたのに
どうしてこんなに涙が出るの
もう叶わない想いなら
あなたを忘れる勇気だけ欲しいよ

出典: M/作詞:富田京子 作曲:奥居香

「あなた」がいないことに慣れたつもりでも、ふとした瞬間に寂しさや恋しさが募り涙があふれます。

どうしてこんなに切ないのかと、思いどおりにならない心にもどかしく思う気持ちが表れています。

どれほどに「あなた」を想ってもそれはもう叶わないもので、叶わないのだからはやく忘れてしまえと切に願っているのです。

あなたの全てが忘れられない

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今でも覚えている あなたの言葉
肩の向こうに見えた 景色さえも So once again

出典: M/作詞:富田京子 作曲:奥居香