2013年にネット公開された自宅録音と、のちのライブ演奏だけで正式にCD化されていないナンバー。
メンヘラーなの子は躁鬱に揺れ動く自分の心を数多くのナンバーで書いています。
この曲でも救いのない鬱な気持ちが歌われています。
だけど、歌詞に自分の本名を折り込むなど、鬱な自分を冷めた目で見ているような部分が感じられます。
聴きどころは「コンクリートの向こう側へ」に通じる後半のストリングスにあります。
まるで救いの道を示すような聖なる響きに聴こえます。
第4位「夕暮れの鳥」
「進撃の巨人」とのタイアップで生まれた新境地
いわずと知れたアニメ「進撃の巨人」シーズン2のエンディング曲。
神聖かまってちゃんのファンだった諫山創からの熱烈なラブコールで作曲されたのは周知の事実。
2017年に発売された8枚目のアルバム「幼さを入院させて」のトップナンバー。
ただし、シングルはアニメのサントラを製作しているポニーキャニオンからリリースされています。
英語で書かれた歌詞の意味はファンが熱心に解析をしているので、興味のある方は検索してみてね。
いつものように、の子がネット配信で披露した歌は酷かったです。
だけど、仕上がってみれば完成度はハンパなかったです。
イントロのドラムからして鳥肌が立ち、ブンブン唸るベースが格好よすぎます。
この曲は一種の不気味さを漂わせています。
その理由はサポートメンバー柴由佳子のエレクトリック・バイオリンによるところが大きいです。
音程を外し気味にしたそのストリングスが不安感を掻き立てています。
「進撃の巨人」の世界観を描いたエンディングに見事マッチしていました。
アレンジも見事ですが、この曲の神髄はメロディにあります。
それはカバーを聴くと明らかです。
クラシックの名曲パッヘルベルの「カノン」はオリジナルがオルガン曲です。
現在では弦楽四重奏や管弦楽のアレンジ、ピアノソロやヘビメタの「カノンロック」としても有名。
普遍的なメロディは、どんなアレンジでも魅力が損なわれません。
「夕暮れの鳥」のメロディもそうした普遍性があるといえます。
第3位「ロックンロールは鳴り止まないっ」
バンドの個性が凝縮された代表曲
昨日の夜、駅前TSUTAYAさんで
僕はビートルズを借りた
セックスピストルズを借りた
「ロックンロール」というやつだ
しかし、何がいいんだか全然分かりません
do da turatura
oh yeah! yeah! yeah!
出典: ロックンロールは鳴り止まないっ/作詞:の子 作曲:の子
2010年に発売されたミニアルバムにしてデビュー作「友だちを殺してまで。」の収録曲。
多くのファンと同様に自分も御多分に漏れず最初に聴いた神聖かまってちゃんの曲です。
ボーカルは下手だし歌詞もチープで粗削りだけど、何かが噴き出すようなパワーが伝わってきます。
また曲調に不釣り合いなピアノのメロディが耳に残って、繰り返し聴くうちにハマっていきました。
バンドとしての演奏も歌も上手くはありませんでした。
だけど、言葉では言い表せないエモーショナルな感情。
このバンドには突出した何かがあると感じました。
あるアーティストを好きになるきっかけは、たまたま自分の波長に合うか合わないかで左右されます。
この曲に出会わなければ神聖かまってちゃんを聴かなかったかもしれません。
「つまんね」のシークレット・トラックには原曲の「放課後の図書室」が収録されています。