SONARのここだけは押さえておきたい使い方とおすすめの環境設定で作業効率を上げよう!
DTMを始めてみたはいいものの、DAWに慣れていない人は少し手間取ったりするでしょう。
SONARはDAWの中でも比較的使いやすいDAWですが、丁寧に使い方を説明していきたいと思います。
レイテンシーをできるだけ小さくする!
まず最初にレイテンシの設定をしましょう。 レイテンシとは、楽器の音をオーディオインターフェースに送り、それをさらにパソコンに送る時に生じる音の遅れです。 これをできるだけ小さくする必要があります。 音に遅れが生じてしまうことはしょうがないことなのですが、遅れが生じるだけ、楽器を演奏した時にグルーブ感が損なわれたり、歌いにくかったりします。 また、再生している画面とヘッドホンからでてくる音にも差が出てしまいます。 レイテンシはパソコンのスペックに依存します。レイテンシを小さくするとパソコンに負荷がかかり、曲を再生するとノイズが入ってしまったり、再生が停止してしまったりします。 レイテンシを大きくすると遅れが大きくなるのですが、パソコンへの負荷が和らぎ、安定していきます。 パソコンへ負荷をかけすぎないところまでレイテンシを押さえていきましょう。 具体的な方法ですが、編集タブにある環境設定をクリックして、ダイアログボックスを出します。 オーディオの中にある、デバイスの設定をクリックすると、ミキシングレイテンシという項目があります。 その項目のバッファサイズのスライダーを左に寄せるとレイテンシが小さくなります。まずは、適当な位置にして曲を再生してみてください。 遅れを感じ、かつ、ノイズなどが入っていないのならば、スライダーを左へとずらしていきましょう。 これを繰り返して、レイテンシを設定していきます。
保存先を任意の場所に設定しよう!
次に行いたい設定は、ファイルの保存先を自分のわかるところに変更することです。 パソコンの保存の整理の仕方として、わかりやすいところにフォルダーを作って、データをまとめておきたいと思いませんか? 筆者の場合、作曲のフォルダーをDドライブに作って、その中に「sonar」というフォルダーを作っています。そこに曲を保存していくようにしています。 パソコンのデータの保存方法として、Cドライブにプログラム系、Dドライブにデータ系を入れるというのがあります。例えば、Cドライブに入れたプログラムが異常を起こしてハードディスクが壊れてもDドライブのデータは助かるということになります。 特に実際にハードディスクが2つある場合は有効です。ただ、既製品のパソコンでは1つのハードディスクを2つに分けている場合が多いので、自作したパソコンなどの場合は特にこのように分けておきましょう。 ファイルの保存先の設定方法ですが、環境設定を開いて、ファイルの中にある保存フォルダーの指定をクリックします。そこで楽曲データの保存先や、エクスポートした時のWAVデータの保存先などの設定が行えます。 各保存先の右側にある「…」をクリックして保存先を設定しましょう。 デフォルトの状態だと、保存するごとに保存先を指定しなければなりませんが、ここで指定しておけば、次回からはそのフォルダに楽に保存することができるようになります。
テンプレートを保存しておこう!
SONARを立ち上げて、曲を作る時にテンプレートを選択しますよね?デフォルトのテンプレートを開くと、このトラックはいらないなとか、これはいつも使うエフェクトだなとか思うことがあると思います。
筆者は、いつもマスタートラックだけ入れて、そこに「Boost 11」を入れて、「Boost 11」のアウトプットを0.5に設定します。
でも、これを毎回設定するのは手間だし、時間ももったいないですよね?なので、この設定自体を新規のテンプレートとして保存しましょう。
方法は、まず、新規作成でファイルを一つ立ち上げます。
ファイル名は何でもよく、テンプレートも何を選んでも良いです。
そして、自分がいつもする設定をします。
上記のように筆者はマスタートラックだけにし、「Boost 11」を入れ、「Boost 11」を設定する。マスタートラックをデフォルトのバスに設定して、右側のブラウザをプラグインの画面が出るようにしておきます。
設定が完了したら、名前を付けて保存をクリックし、ダイアログボックスを出します。
そして、ファイルの種類をテンプレートファイルにし、フォルダへ移動もテンプレートファイルを選択します。名前を自分のわかりやすいものにして保存を押すと、その設定が保存されます。
保存したテンプレートを試しに呼び起こしてみましょう。新規作成を押すと、テンプレートの選択画面が出てきます。
そこに自分でつけた名前のテンプレートがあると思います。
それを選択し、ファイルの名前をつけてファイルを新規作成してみましょう。
すると、先ほど設定した状態を呼び起こすことができると思います。これですぐに作業に入れるようになりましたね。
録音時にデータを上書きする?それとも重ねる?
SONARでは、録音した時に重なったデータを上書きするか、そのまま重ねるか選択できるようになっています。
一部分を失敗して録り直したいと思った時には、上書きの方がいいのですが、筆者のおすすめはそのまま重ね
る設定にしておくことです。
例えば、うまくいった録音の後に続きを録ろうとして、録った録音の最中から新たな録音を始めるとします。
すると、上書き設定にしておいた場合、せっかくうまく録れた録音データを消して、新たな録音が残ってしまうのです。
これをそのまま重ねる設定にしておけば、うまく録れた前のデータを残しつつ、新たなデータも残ります。そして、長さを調整していらない部分をカットすればいいのです。
こうしたことが部分録音をしているとよく起こります。いっぺんに最初から最後まで録音するならいいのですが、Aメロだけとかサビだけ録音するときなどは、上書き設定にしておくと不便です。
設定方法ですが、環境設定ダイアログを開き、プロジェクトの中の録音をクリックします。
そして、録音モードをサウンドオンサウンドにすれば良いだけです。
上書きの方がよく使うなと思う方はここで上書きを選択しておくと良いと思います。
よく使うエフェクトの組み合わせは「FX Chain」へ
曲が変わっても、よく使うエフェクトってありますよね。
例えば、ボーカルにはこのEQとコンプとか、ギターのエフェクターはこれとか。
その曲内でも、よく使うエフェクトの組み合わせがあったりします。
そうした時、いちいちエフェクターを探すのは大変ですよね。これも保存しておきましょう。
SONARでのエフェクターの組み合わせの保存については、「FX Chain」という機能があります。
FX Chainはどのエフェクターをどの順番で入れるかを保存できます。
また、エフェクターの順番を変えたり、減らしたり増やしたりするのも簡単です。
作り方は、まず、FX Chainに入れたいエフェクターを、いつもエフェクターを入れるように入れてみます。
インスペクタやトラックのFX欄に挿していくだけです。
そして、FX欄を右クリックし、FX Chainへ変換をクリックします。これでFX Chainが完成し、FX欄に「FX Chain」というエフェクトが出てきます。
これをダブルクリックし、FX Chainを出してみましょう。名前を変えることができるので、わかりやすいものにしておきます。
まだこれでは保存は完成していません。あくまで、FX Chainを作っただけなのです。
これを保存することで、他のトラックへ使ったり、他の曲でも使えるようになります。
その方法も簡単です。まず、右側のブラウザ内のプラグインタブの中にある、Audio FXをクリックします。
その中に「FX Chain」という項目があり「+」がついていると思うので、「+」をクリックします。
そうすると、今現在FX Chain」として保存さえているものが表示されます。
ここへ、先ほど作ったFX欄にあるFX Chainをドラッグアンドドロップするだけです。
それだけで、FX Chainが保存され、他の場所でも使えるようになります。
FX Chainでは、表示されたエフェクターをドラッグするだけで順番を変えることができますし、エフェクターが並んでいるところを右クリックすれば、削除や追加も選択できます。これはかなり便利なので、ギター用、ベース用、ボーカル用などを作っておきましょう。また、EQ、コンプをよく使うのであればその組み合わせを保存しておくだけで、楽にエフェクトがかけられます。
DAWの必須エフェクト「EQとコンプレッサー」の使い方がわからない方はこちら
【DTMミックス編】EQ・コンプレッサーの使い方のコツを徹底解説! - otokake(オトカケ)
DTMにおいて、EQとコンプレッサーは必須のエフェクターですよね。でも、その使い方がいまいちわからない方も多いと思います。そこで今回は、EQとコンプの使い方を徹底解説いたします!作曲をしているDTM初心者も歌ってみたのミックスなどをしたい人必見です。
VSTプラグインを追加した時に行う設定
SONARでの作曲に慣れてきたころ、新たなVSTプラグインを買い足そうと思うこともあると思います。
例えば、エフェクターを増やすとか、ソフトシンセを増やすとか。そうした時に新しいソフトをインストールしたはいいが、SONARで認識されないことがあります。
これは、VSTプラグインを検索する先に新しく入れたVSTプラグインがないから認識されないのです。ではどうしたら検索されるようになるのでしょうか。
まず、環境設定ダイアログを開きます。ファイルの中のVSTプラグインをクリックします。
そこにあるVSTフォルダ内に書かれているものがVSTプラグインの検索先です。
この検索先の中に新たに入れたプラグインがなければ、SONARで認識されないという事態が起こってしまうのです。
検索先は追加することができるので、ここで、新しいVSTプラグインが入っているところを指定して追加すれば良いのです。
ただ、ここでちょっと難しくなりますが、ソフトウェアそのものが入っているフォルダを指定すればいいというわけではないのです。
拡張子が「dll」というものが入っているフォルダを指定しなければなりません。
例えば、筆者の場合、「Boost 11」の「dll」という拡張子のファイルは、Program Files-Cakewalk-Vstplugins-Boost11と進んでいくとあります。
ファイル名は「Boost11_64.dll」です。
これを検索させるためには、Program Files-Cakewalk-Vstpluginsまでを検索先に指定しなければなりません。「Boost11」のフォルダは指定しなくても大丈夫です。
なぜなら、Vstpluginsのフォルダ内には直接ないにしても、「Boost11_64.dll」というファイルはあるからです。
ちょっと理屈は難しいのですが、「dll」という拡張子があるフォルダを探して、そこを指定すると、VSTプラグインを検索すると覚えておいてください。