ボカロ界の若き「星」Orangestarのおすすめ曲6選

ボーカロイドファンで名前を知らない人はほとんどいないレベルの人気曲です。

淡々と始まって次第に盛り上がっていく展開に否応なしに気持ちが高ぶります。空に向かって突き抜けるようなパワーを持った曲です。

滑らかで一切の無駄なく言葉が並べられた歌詞からは年齢離れした卓越した詞のセンスを感じます。

優美でどこかノスタルジックなM.Bさんのイラストも曲から溢れる高揚感をより形作っています。終盤で空と地上の上下が逆転したり少女に翼が生えていたりと、絵の細かい仕掛け・変化にも注目です。

「Orangestarといえばこの曲」という代表曲ではないでしょうか。

「夏」をテーマにした活動初期の曲です。思春期の頃の、うだるほど暑いのにどこか爽快感を感じられる夏の日を思い出します。

透けて抜けるような空、刺す日差し、彩度の強い景色、空気の焼けた匂い。そんな夏の風景が鮮明に思い浮かぶような不思議な世界観が作られています。ノスタルジックという言葉がこれほどふさわしい曲も珍しいのではないでしょうか。

アップテンポでロック調なサウンドの一方で、歌詞は別れを歌った切なく悲しいものになっています。

音楽的にはまだまだ荒削りで未熟な部分も見られますが、それが逆に若いからこそ出せる力強い勢いとして表現されています。

幻想的で詩的な世界観の歌詞と涼しげなサウンドが魅力的な一曲です。

ピアノとベース、ドラムが中心の最小限の構成で、挑戦的なサウンドです。ここまでシンプルに研ぎ澄まされているからこそ、この曲の良い意味で冷ややかな空気感が成立しているのではないでしょうか。

前半と後半で違った盛り上がり方を見せるサビは、ボーカロイドならではの現実離れした高音で突き抜けます。歌う口元からこぼれる冷気が見えるかのような透明感です。この表現もヒンヤリとした世界観の演出に一役買っているのではないでしょうか。

「冷凍庫」の名前がふさわしい一曲です。

インターネット上の人気奏者たちとの豪華なコラボが実現したアッパーなロックソングです。

未来へ向かって駆け出すことを歌った歌詞ですが、そこにはただ前向きなだけではなく夢のない現実や我武者羅に走るしか道を知らない自分への諦めにも似た感情が描かれています。でもそれも決して後ろ向きな気持ちではなく、そんな自分も受容して前に進もうとしているのではないでしょうか。

未来への道を列車に見立てての詞世界が秀逸です。当時高校生とは思えない表現力に驚かされます。

先が見えなくても一度走り出してしまえば後は大丈夫、と背中を押してくれる曲です。この曲に勇気づけられたファンも多いのではないでしょうか。