ローテンポのメロディーで昭和を感じさせる印象の歌い出しは、仲見世のくじら屋で芸人が相方と出会うところから始まります。
お酒を飲みながら「いつかビッグになろう!」というような約束を交わしたのでしょう。
しかし約束が「泡にはじけた」とありますから叶わなかったらしいということがわかります。
現実的なフレーズと比喩をうまく使い分けることでリアリティを出しながらも印象的な場面を描いています。
いつか売れると 信じてた
灯の消えた浅草のこたつ一つのアパートで
同じ背広を初めて買って同じ形の蝶タイつくり
同じ靴まで買う金はなくいつも笑いのネタにした
いつか売れると信じてた客が二人の演芸場で
出典: https://twitter.com/Heart_f_vo/status/899637294453235713
サビでは悲しいフレーズが登場します。
みんなを笑わせることが仕事である芸人さんも、売れなければ苦い思いをすることもあります。
「いつか売れる」と頑張りながらも夢破れ、違う道に進む人も少なくはないでしょう。
「いつか売れると信じてた」……このフレーズからは、「今では叶わない夢だったけれど」という思いを感じ取ることもできます。
そんな時代も あったねと 笑う背中が ゆれている
1人たずねた アパートで
グラスかたむけ 懐かしむ
そんな時代も あったねと
笑う背中が ゆれている
出典: https://twitter.com/Heart_f_vo/status/899637294453235713
きっとこの二人は、夢破れた後はしばらく会わずに過ごしていたのでしょう。
それでもふと思い立って相方の家を訪れた時、彼は「夢を諦めた」ように昔の話を語っている……そんな現状に切なさを感じる芸人の気持ちが繊細に描かれています。
「そんな時代もあった」ということは、その人にとっては夢を必死に追いかけた時期はもうすでに「終わったこと」となっているのでしょう。
しかし、「笑う背中がゆれている」ということは相方だった人も少し後悔や残念さを抱えているようにも思えます。
夢はすてたと 言わないで 他に道なき 2人なのに
夢はすてたと言わないで
他にあてなき 2人なのに
夢はすてたと言わないで
他に道なき 2人なのに
出典: https://twitter.com/happiness1763/status/923895026320531457
最後に主人公は、かつての相方に語りかけます。
まるで「もう昔のこと」と諦めたような相方に、「『夢は捨てた』だなんて、そんな悲しいことは言わないでくれ。自分たちには他に何があるんだ」と言いたいのでしょう。
夢を諦めたいけれど諦めきれない、そんな芸人の心の葛藤を表現したビートたけしらしい楽曲となっています。
まとめ
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