サカナクション3枚目のアルバム「シンシロ」に収録されている「アドベンチャー」の歌詞です。
フォークソングは文学的な表現と相性がいいわけですが、ロックにも文学を持ち込みたい、と。
YMOの細野晴臣さんがはっぴいえんど時代に日本語ロックの礎を築いたイメージとも重なります。
「三日月サンセット」
実際、どのようにロックと文学を融合させたか?がわかるのが、「三日月サンセット」。
サカナクション1枚目のアルバム「GO TO THE FUTURE」の1曲目に収録されています。
かっこいいサウンドとともに、夕暮れ時の三日月やもどかしい内面まで描かれているわけです。
そこにはどんな意味が隠されているの?と深読みしたくなるところが文学的と言えるでしょう。
「インナーワールド」
「ワード」
「ワード」はサカナクション2枚目のアルバム「NIGHT FISHING」の1曲目に収録されています。
どのような言葉を使って表現するのか、試されているように感じているのかもしれません。
孤独感が表現されつつ、キレキレでノリのいいサウンドに仕上がっているところが魅力です。
「Klee」
読めない本積み重ねて
一人書くんだ 詩を 詩を
(中略)
修正 書いて 改定 眠れずに
出典: Klee/作詞:Ichiro Yamaguchi 作曲:Ichiro Yamaguchi
「Klee」はサカナクション4枚目のアルバム「kikUUiki」の5曲目です。
海水と淡水が混ざる「汽水域」をもじった造語「汽空域」という世界観からなるアルバム。
山口一郎さんはパウル・クレーの絵を見て落ち込みつつ、歌詞を書き直しているのでしょう。
結局でき上がった歌詞がサウンドに乗ったときの爆発力!
空気の振動によって伝わる音楽には、文学的な言葉も含まれるという解釈もできそうです。
J-POPと極上のダンスミュージックを両立
「ネイティブダンサー」
山あり谷ありの人生、日々生きるだけで精一杯だったとき、音楽はあまり聴けませんでした。
ほとんど何もない状態、とりあえず身のまわりのもの……と入った100均で、衝撃の音楽に遭遇。
それがサカナクションの「ネイティブダンサー」でした。
バンド名やタイトルは後からわかったわけですが、極上のダンスミュージックに驚愕したのです。
有線で流れるJ-POPにこれほどかっこいい曲があるなんて!という驚き。
そして、私にはできないから誰か……と願っていたことをやっている人がいたという感動です。
クラブミュージックはサウンドがむちゃくちゃかっこいいけれど、そのうち歌が欲しくなります。
だからといって歌モノを混ぜたDJでも物足りません。なぜか?生音のバンドがないからです。
J-POPとテクノの融合といえばYMOの「君に、胸キュン。」がありました。
ダンスミュージックを取り入れたJ-POPもたくさんあります。
ただテクノ耳のロック好きにも響くJ-POPとなると、微妙なさじ加減が難しいわけですね。
音楽がほとんど聴けない状態のときでも、心から誰かやって~と願っておりました。
この偉業を成し遂げたのが、山口一郎さん率いるサカナクションチームだったと言えるでしょう。
しかも「ネイティブダンサー」は詩的な歌詞なので、音楽も文学も好きな人の心に響きます。
結局ラブレターになってしまいました。ただ山口一郎さんの偉業は皆さまご存知のことでしょう。