名探偵コナンのテーマソング
BREAKERZの17枚目のシングル「幾千の迷宮で 幾千の謎を解いて」は切なさを感じさせるロックです。
名探偵コナンのテーマソングのため、物語とリンクした歌詞となっていました。
アニメの内容を知っていればより楽しめる仕掛けが、随所にほどこされています。
作品への深い愛とリスペクトがなければ描けない歌詞といえるでしょう。
「僕」の秘密とはなんなのか、名探偵コナンの世界観を踏まえながら読み解いていきます。
こんなに近くに居ても
まだ言えない
幾千の迷宮で 幾千の謎を解いて
真実(ほんとう)の姿(ぼく) 戻れたなら
この秘密全てを伝えたいんだ
出典: 幾千の迷宮で 幾千の謎を解いて/作詞:DAIGO 作曲:AKIHIDE
YouTubeにフルバージョンのMVがあがっているので、ぜひご覧ください。
上記の歌詞は、今の状態では秘密を打ち明けられないことを表しています。
その秘密とは本人にとってとても重要なことなので、偽りの姿で告げたくないのでしょう。
2行目の歌詞は、黒の組織のせいで幼児化してしまったことを意味していました。
つまり秘密とは、子供の姿のままでは言いたくないことだと推察できます。
抱えている秘密がなんなのか、この段階では正確に読み取ることができません。
物理的な距離だけ近い
空を寂しげに見上げる君を見てる
僕は瞬きもわかるほど そばにいるのに
出典: 幾千の迷宮で 幾千の謎を解いて/作詞:DAIGO 作曲:AKIHIDE
上記の歌詞は、「僕」が近くにいても「君」が孤独を感じていることを表していました。
「君」とは、名探偵コナンのヒロイン・毛利蘭です。
悲しげな様子の彼女に対して、「僕」は何もできません。
なぜなら近くにいる「僕」は彼女の幼馴染である工藤新一ではなく、幼児化した江戸川コナンだからです。
「君」が工藤新一を恋しがっている以上、江戸川コナンにできることは何もありませんでした。
物理的にはとても近い距離にいるのに、「君」の悲しみを癒すこともできない。
そんな「僕」の切ない思いが伝わってくる歌詞となっています。
危険な状態のまま
すぐそこまで迫る脅威 深くなる闇
メビウスの輪 廻り続け 抜け出せなくて
解答(こたえ)はどこに?
出典: 幾千の迷宮で 幾千の謎を解いて/作詞:DAIGO 作曲:AKIHIDE
「闇」という単語は、黒の組織という意味で使われていました。
江戸川コナンが工藤新一の姿に戻るには、黒の組織を壊滅させなければなりません。
2行目の歌詞は、どれだけ黒の組織を追っても彼らを捕らえられていないことを表しています。
「僕」や周囲の大事な人にとって危険な状態のまま、時間だけが過ぎている状態です。
もどかしい日々
幾千の迷宮で 幾千の謎を解いて
近くにいて でも遠くて 君と交わらない
出典: 幾千の迷宮で 幾千の謎を解いて/作詞:DAIGO 作曲:AKIHIDE
事件が解決しないことを「迷宮入り」と表現します。
これを踏まえると1行目の歌詞は、いくつもの難事件を解決してきたことを表しているようでした。
多くの事件を解決してきたにもかかわらず、工藤新一の姿に戻るための手がかりはなかなか掴めません。
そのせいで、「君」との心の距離は埋まらないままです。
こんなに近くにいるのに…と何度ももどかしく思ったことでしょう。