In working from original tune to finished hymn, Walker borrowed lyrics from established poets such as Charles Wesley...and added to the tune just a treble (upper) part and a bass, creating three-part harmony.

出典: https://en.wikipedia.org/wiki/William_Walker_(composer)

和訳

原曲から完成した讃美歌に至る作業で、ウォーカーはチャールズ・ウェスリーのような詩人の歌詞を拝借した。

そして高音部と低音部を曲に加え、ハーモニーを作った。

 

つまり「サザン・ハーモニー」の曲は民謡にウォーカーが手を加えて編曲していました。

ウォーカーが完成させたメロディ

18世紀の後半にジョン・ニュートンが讃美歌で歌っていた「アメイジング・グレイス」。

そのメロディがアメリカに伝わっていれば作曲者はニュートンになっていたかもしれません。

また、ウォーカーが作曲したのなら自分の名前を記したはず。

そのいずれでもない。

サザン・ハーモニー」以前、原型といわれるメロディが複数の讃美歌で歌われていました。

そのメロディはアメリカで生まれたと考えられています。

「とても良いメロディを見つけられなかった」とあるでしょう。

ウォーカーはその原型に手を加えて、「アメイジング・グレイス」の歌詞に割り当てたのです。

「アメイジング・グレイス」を完成させたのはウォーカーでした。

アメリカにとって第二の国家

アメリカはイギリスを中心とするプロテスタントの移民が建設した国。

そのアメリカで最も多いキリスト教徒のプロテスタントで最大勢力がバプテスト。

特に南部に勢力を置く南部バプテスト連盟は保守的な宗教感で知られます。

そして19世紀のアメリカ南部は奴隷制による大規模な綿花の栽培が主要な産業でした。

そこで働く黒人労働者の歌が今日の讃美歌「ゴスペル」やブルース。

さらに白人の民謡であるウェスタン・ミュージックといった音楽の源流が渦巻いていたのです。

ウォーカーが採用した「アメイジング・グレイス」の原曲はその中にあったと思われます。

保守的な宗教の土壌で生まれた陽気だがどこか哀愁漂うメロディ

それが「アメイジング・グレイス」のバックグラウンドなのでしょう。

「アメイジング・グレイス」は魂の救済を歌った讃美歌として長く歌い継がれて来ました。

そしてアメリカ文化を象徴する第二の国家と言われるまでの曲となったのです。

アメリカでは葬儀や追悼集会など重要な公式の場で歌われたり演奏されることが多い。

20世紀に入ってラジオやレコードが登場すると讃美歌に留まらず大衆音楽として世界に広まる

 こうして「アメイジング・グレイス」の長い歴史の一ページに本田美奈子.が加わります。

本田美奈子.

アイドルではなくアーティスト

本田美奈子.【アメイジング・グレイス】歌詞を和訳して解釈!世界平和を願う…優しい歌声に涙がこぼれる…の画像

アイドルとしてデビューした本田美奈子.が「アメイジング・グレイス」にたどり着く。

それは運命の導きだったのかも。

もともと歌が好きで歌手になった本田美奈子.ですが、アイドルデビューは本意ではなかったそうです。

むしろ演歌歌手を目指していたといいます。

アイドルとして芸能活動を続けることにこだわりはなかったのでしょう。

アイドルからの脱皮を目指して女優や舞台に活路を見出す人もいます。

本田美奈子.は20代の後半にミュージカルやロックに活動の場を広げていきました。

本人がアーティストとして成長していく試行錯誤だったのかもしれません。

元々あった歌手としての才能に本人の努力が加わり、少しずつ実を結んでいきます。

また良き仕事相手にも恵まれていました。

マイケル・ジャクソンやクイーンとの交流、ブライアン・メイをプロデュースに迎えたシングルなど。

3オクターブの声

歌唱力の飛躍的な上達により、彼女の音楽はクラシックの声楽へと導かれていきました。

音域は最終的には3オクターブに達していた。これは例えば通奏低音パートも含めて一人で歌った「パッヘルベルのカノン」(アルバム『時』所収)に遺憾なく発揮されている。しかも本田はその広い音域を均質な響きで発することができた。
森公美子は、普通の歌手には存在する“チェンジ”と呼ばれる地声と裏声が切り換わるポイントが彼女の場合にはどこにあるかわからないと指摘している。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/本田美奈子

3オクターブがどんなものかピンときません。

地声でアルト歌手並みの高音が出せたり、ソプラノ歌手のような裏声が出せる男性歌手、ホイッスルボイスを使用する女性歌手のキャッチコピーに「4オクターブ」や「5オクターブ」という言葉が使われるが、そのような歌手の実際の声域は3 - 3.5オクターブ程であることが多い。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/音域

主演した「ミス・サイゴン」を始めとするミュージカルで声楽家のレッスンを受けていました。

それによって声楽家としての歌唱力を獲得していったのでしょう。

「パッヘルベルのカノン」は歌詞がなくアカペラだけ。

そここには純粋に声だけが響いています

アーティストとして彼女の音楽は純化されていきました

その先にあったのが「アメイジング・グレイス」だったのです。

本田美奈子.の「アメイジング・グレイス」