手に入れたい「vision」

「ビジョン」とは

英単語の「Vision」は、カタカナ語の「ビジョン」と同じような意味を持ちます。

たとえば「未来像」のような。

ただ、その一方で「視覚」といった、そのままの意味もあります。

さて、この場合、欲しいのはどちらなのでしょう。

そのヒントは、次の歌詞に隠されています。

No wrong no right
I'm gonna tell you there's no black and no white
No blood no stain
All we need is one world wide vision

出典: One Vision/作詞:Freddie Mercury,Brian May,Roger Taylor,John Deacon 作曲:Freddie Mercury,Brian May,Roger Taylor,John Deacon

ここではついに「One Vision」がどんなものかが垣間見えます。

間違いもない 正解もない
黒も白もないんだって言ってやるぜ
血も流れない 傷つくこともない
俺たちに必要なのは世界規模のビジョンだ

出典: One Vision/作詞:Freddie Mercury,Brian May,Roger Taylor,John Deacon 作曲:Freddie Mercury,Brian May,Roger Taylor,John Deacon

世界を見渡すような

なんと、「ビジョン」は世界を見渡せるほど広いそれのことだったのです。

とすると、二行目の「黒」と「白」は単なる色ではなく皮膚の色。

つまり人種の違いでしょうか。

血が流れたり誰かが傷つくこと、つまり戦いが起きること

それらは必要ないと彼らは言い切ります。

必要なのは、ただ「一つの」広い視野だと。

俺には夢がある

歌詞の元になったのは

QUEEN【One Vision】歌詞を和訳して意味解釈!破れたのはどんな夢?団結に必要なものとはの画像

この歌詞は、ある演説にインスパイアされて書かれたといわれています。

それは、マーティン・ルーサー・キング牧師によるもの。

そう、「I have a dream」から始まる、かの有名な演説です。

耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

「I Have a Dream」(アイ・ハヴ・ア・ドリーム、日本語に翻訳すると「私には夢がある」の意味)とは、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアが人種平等と差別の終焉を呼びかけた英語の演説である。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/I_Have_a_Dream

キング牧師は演説の中で、豊かな表現を用いて訴えかけました。

「人種差別がなくなる世界を夢見ている」と。

その言葉は、その場にいた20万人以上の聴衆の心を大きく動かしたのです。

そしてそれだけでなく、後の世まで伝わり、人々に大きな影響を与えました。

マイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダー、プリンスなどのミュージシャンもしかり。

彼らはキング牧師の名前を歌詞に入れ込んだり、声を使った楽曲を制作しています。

「One Vision」の中の「夢」とは

ではこの「One Vision」はどうでしょう。

先の演説と同じセンテンスを使った箇所は確かにあります。

I had a dream
When I was young
A dream of sweet illusion
A glimpse of hope and unity
And visions of one sweet union
But a cold wind blows
And a dark rain falls
And in my heart it shows
Look what they've done to my dream

出典: One Vision/作詞:Freddie Mercury,Brian May,Roger Taylor,John Deacon 作曲:Freddie Mercury,Brian May,Roger Taylor,John Deacon

「have」の過去形「had」を使い、若い頃の夢を語ります。

さて、その内容とは。

若い頃、夢があったんだ
素敵な幻想みたいな夢さ
希望と結束が垣間見えたのさ
そして一つの、素晴らしい結束ができるだろうって展望さ
けれど冷たい風が吹き
暗い雨が降ってきて
俺の心の中は、こうだ
見てくれよ、俺の夢がこんなにされちまった、なあ!

出典: One Vision/作詞:Freddie Mercury,Brian May,Roger Taylor,John Deacon 作曲:Freddie Mercury,Brian May,Roger Taylor,John Deacon