壮大な世界に包まれる曲
SEKAI NO OWARI「深い森」
綺麗な歌声と素敵なメロディーは教会で鳴り響くアンセムのよう。
SEKAI NO OWARIの「深い森」は神聖な雰囲気に包まれる曲です。
SEKAI NO OWARIの曲はポップで親しみやすい曲が多いのが特徴。でも歌詞を見ると、衝撃的な内容にドキッとさせられる曲もあります。
独特な世界観で社会風刺までしてしまうセカオワ。
今回はそんなセカオワの美しいメロディーとディープな歌詞の魅力がたっぷり詰まった「深い森」について特集していきたいと思います。
まずは動画をチェック!
英語の意味が分からなければスーッと入ってくる美しい曲かもしれません。
でも和訳を見ながら聴いてみると、なんだかいろいろと考えさせられます。
毒ガス?ペットショップ?
衝撃的なワードが並んでいます。
曲のイメージとのギャップにやられてしまうのです!
この曲は、SEKAI NO OWARIというバンドが正式に結成される前にすでにあった曲だそうです。
歌詞に出てくるEnd of the worldからバンド名を思いついたとか。
そう考えると、セカオワの原点となる考え方が潜んでいる気がしてなりません。
でもどうしてこの曲を英語で歌うことにしたのでしょうか?
それはもしかしたら、この曲の歌詞が日本語で歌うには痛烈すぎるからかもしれません。
もしこの曲が日本語で歌われていたら、歌詞がダイレクトに頭に入ってきすぎて美しいメロディーの印象がかき消されてしまうでしょう。
この曲の美しさを残しながらディープな歌詞で気持ちを伝えるには、英語で歌うのが一番だったのかもしれません。
歌詞のテーマは動物愛護☆
歌詞が英語なのでピンとこない人も多いと思いますが、実は歌詞のテーマは動物愛護だそうです。
人間の愛について歌った曲なのかと思いましたが、動物への愛を歌った歌。
SEKAI NO OWARIのボーカル深瀬はもともと動物愛護精神が強く、動物愛護をテーマにした作品も多くリリースしています。
また、犬の殺処分ゼロを推奨するプロジェクト「ブレーメン」も始動したそうです。
深瀬の生き物の命を大切する精神が表現されている「深い森」。
どんな歌詞になっているのか注目しながら見ていきましょう!
意味深な和訳を解説
はじめに、タイトルや見出しでは和訳としてありますが、もともとはボーカルの深瀬慧が作詞したものです。
深瀬が作詞した歌詞を英訳したものを歌っているもので、英語を日本語に訳したものではありません。
それをふまえて日本語の歌詞の意味を見ていきましょう!
命についての疑問を問う
カゴの中の鳥は「自由」を歌う
人類の「自由」の歌が聞こえないように
命が奪われていくのは慣れちゃったけど
出典: 深い森/作詞:深瀬慧 英語詞:Nelson Babin-shoy 作曲:深瀬慧
物事はとらえ方によって全く違ってくるもの。
当たり前のようにペットとして飼われている動物たちや動物園で檻の中にいる動物は、見ていてかわいそうになることがあります。
それはすでに人間によって自由を奪われているからかもしれません。
鳥かごの中の鳥、犬小屋の中の犬。
動物たちは本当に幸せなのでしょうか?
慣れっこになっていることでも違う視点から見るとそれは本当に正しいことなのか?と疑問が湧いてきます。
出だしではそんな純粋な疑問を投げかけています。
何か違和感を感じていてもなかなかうまく説明できなかったことを、深瀬がズバッと言ってくれたような爽快感があります。
曲中で一番衝撃的な部分
保健所に囚われた獣の祈りを
毒ガスが優しく包み込む
それはまるで1940年から1945年に起きた
世界が恐れたアノ出来事のように
出典: 深い森/作詞:深瀬慧 英語詞:Nelson Babin-shoy 作曲:深瀬慧
ここではほぼ間違いなくアウシュビッツ強制収容所の毒ガス事件について書いていると思われます。
ナチスドイツによってたくさんの罪のない人々が強制的に毒ガスで殺された事件です。
この痛ましい事件の名前を出すことさえ怖ろしいのに、セカオワはそれを歌にしてしまったのだからすごいですね。
万が一日本語で歌ったら、この衝撃の歌詞に問い合わせの電話が殺到(今でいうと炎上)してしまうに違いありません。
人間はもしかしたら、動物に対してこれと同じようなことをしているのかもしれないという痛烈な批判とも取れます。
人間ではこんなにも痛ましいのは分かり切っているのに動物となるとどうして平気で悪いことができるのか?と人々に問いかけているようにも聞こえます。