HYDE氏が大きなお堂の前で日本の四季を歌うシーン。
このお堂は京都・東寺の「金堂(こんどう)」。
かの有名な五重塔と同じ敷地内に建つ古い建物です。
HYDE氏の背後には銀の布が光背(こうはい)のように立ちのぼります。
光背(こうはい)とは、仏像、仏画などの仏教美術や、キリスト教美術などにおいて、神仏や聖人の体から発せられる光明を視覚的に表現したものである。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/光背
とげとげしい黄金の冠
こうしてみるとHYDE氏の冠は後光(ごこう)にも見えますね。
ですがずいぶん先端がザクザクと尖っているような…。
トゲの向きも不ぞろいです。
この頭飾りには“怒りの念”が込められているように思います。
怒りで髪の逆立つ様子(怒髪)に見えるためでしょうか。
HYDE氏の表情もなぜか険しいです。
そういえば日本の仏像には怒りや厳しさを表すものもあります。
(明王や仁王像など)
その怒りをしずめるかのように映像上でHYDE氏に重なるのは…。
「月光菩薩像 (がっこうぼさつぞう)」
「月光菩薩像」。
HYDE氏の厳しい表情とは対照的に柔和なお顔です。
このお堂のメインの大きな仏像は薬師如来像です。
両隣には小さめの仏像。
そのうち向かって左側の像が「月光菩薩像 」です。
MV全体のテーマともいえるこの月光菩薩像。
HYDE氏とYOSHIKI氏を、そしてこの日本を穏やかに見守っているかのよう。
それにしても、月夜のもと歌うHYDE氏は鬼なのか菩薩なのか。
どちらにもとれそうな演出です。
HYDE氏の指の印は何を示す?
HYDE氏はMV中で九字護身の手印を切っているようにみえます。
ですが見たところ何の手印かよく分かりません。
東寺は密教系の真言宗派なので、HYDE氏の印はオリジナルのものなのかも?
よくみるとHYDE氏のファッションも密教風アレンジが施されていそうですね。
胸元の黄金飾りも独特の形状をしています。
間奏~YOSHIKI氏のクリスタルピアノの旋律
間奏のYOSHIKI氏のピアノソロ。
日本には水脈が多いですが、まるでその流れを表すかのような流麗な旋律です。
YOSHIKI氏の愛用する透明な<カワイ・クリスタルピアノ>。
池の透明感とマッチしてMV映えしています。
撮影時は燃えるような紅葉の頃だったのですね。
美しいライトアップが日本の秋をさらに引き立てています。
サビ~日出処の夜明け
The sun's gonna rise
The sun's gonna rise
出典: ZIPANG(Japanese Version)/作詞:HYDE・Nicholas Furlong 作曲:HYDE・Nicholas Furlong
夜から朝へ。
MVでは月が沈み朝日の昇る様が表現されます。
それとともにHYDE氏の高音サビ。
少しずつMVの画面が黄金色に変わっていきます。
絞り出すようなHYDE氏の歌唱。
“日出処(ひいずるところ)”と掛けたダイナミックな映像です。
京都の山々が朝日に照らされ紅葉が色づいていきます。
そしてHYDE氏の光背の銀の布も朝日色に染まり黄金色に。
暗いいぶし銀の夜から始まったMVが、ここに来て朝日とともに極彩色に色づきます。