Little Glee Monster「書きかけの未来」の歌詞を紐解く

Little Glee Monsterの1年前に発売された1stアルバム『Colorful Monster』に収録された「書きかけの未来」。

実は、歌詞を読み込む前には純粋に夢に向かう『私』に対するエールとして歌われている歌だと思っていました。

しかし実際にはそんな『私』を見守ってくれている人へのメッセージが多分に盛り込まれている歌です。

くじけることなく夢に向かう『私』の立場で聴くか、それともそんな人を見守っている立場で聴くかによって、受け取り方、感じ方が変わりそうですね。

聴いているだけで頑張ろうという気分にさせてくれる歌ですが、温かさに満ちたその歌詞を読み解いていきましょう。

上手くいかなかった今日だけれど、明日はまた前を向くのだと自分自身に言い聞かせているようです。

不器用だけれど、だからこそまた前に進めるから、そんな私を見守っていてほしいという願い。

特別な言葉は必要ではなく、そんな自分を見ていてくれるだけでエールになるのは、きっと見守ってくれている人が『私』の信頼している人だからでしょうね。

忙しい毎日の中で、予定通りにできなかったこともあるのでしょう。

繰り返される予定の組み直しはパズルのように『私』の頭を悩ませます。

毎日を生きていくことで精一杯で、未来がどうなるのかわからないまま。

心は真っ白なままで、学び吸収していくことがまだまだたくさんあります。

夢に向かって必死になって毎日を過ごす中で、確実に消費されていく時間。

夢に近づいている実感の薄いまま少しずつ歳を重ねていくと、不意に焦燥感が襲います。

『私』はまだ夢を見ていてもいいんだろうか？

もっと現実を見る必要があるんじゃないか？

失敗して心が弱くなっていると、とくにそんな不安が浮かびやすいのではないでしょうか。

上手くいかず失敗して泣いたことも、いつか誇らしく語れる未来が来ると自分へ向けたエール。

『大丈夫』と言葉にすることで、それを本当のことにしようとしているようにも受け取れます。

大丈夫だと信じて今は悔しさも何もかも吐き出すように泣いて、そして明日、また前を向くのだと、自らを奮起させるのです。

不器用だけれど、そうすることしかできない『私』だから、という言葉は言い訳のようにも思えますか？

そんな『私』をすこし誇らしく思っているようにも思えるのは、明るい歌声と曲調のせいでしょうか。

『ゆるして』という言葉は、両親に対してなのか、それとも未来の『私』に対しての言葉なのか、どちらでしょう。

冒頭の部分にある『みていて』と同様に、どちらともとれる気がしますが、未来の『私』に謝るなら夢を掴めなかった可能性を考慮しているということになりそうです。

夢を掴んでやるんだという強い気持ちを表すなら、未来の『私』であるよりは、いま心配をかけている両親に対すると考えるほうがより良い気がしますね。

周りに気を遣って、自分も傷つかないようにして、そんな風に周囲と距離をとって過ごしていても輝くきっかけは得られないと歌っています。

自分の殻にこもって守ってばかりでは何も変わりません。

自分の気持ちに素直になって、周りの人の気持ちや言葉も受け止めることで、自分を見つめ直して良いところも悪いところもわかるようになるのではないでしょうか。

自分が傷つくことを恐れる人に向けたエールのようですが、大切な人が傷つくことを恐れる人へのメッセージのようにも思えますね。

時間にばかり気をとられて、やりたいこともやるべきことも、蔑ろにしてしまうのはもったいないことです。

やりたいことがあるならやってみて、行きたい場所があるなら行ってみて、そうやって焦ることなく、何でも挑戦してみるべきだと勇気づけるような歌詞です。