表向きは等身大の卒業応援ソング

2018年3月に高校を卒業した足立佳奈さん。

『サクラエール』は、もともとは『サクラ咲け未来のみんな』としてTwitterに15秒ソングとしてアップされていたことはファンの間では有名なお話ですね!

卒業の時が刻々と近付いているなかで、リアル体験をしながら一つの曲として完成しました。

一緒に過ごしてきた友達に送る卒業応援ソングとして歌われている『サクラエール』。

これから訪れる別れと未来への希望が入り交じる女の子の切ない心情が見え隠れします。

まだ咲き切っていない不安げな様子の桜と卒業生の気持ちをリンクさせたこの曲の歌詞を深読みしていきましょう。

楽しかった高校生活が終わる切なさ

景色が切なさを助長

いつも一緒に 寄り道する
小さな公園のベンチ
見慣れた樹々の つぼみがちょっと
ふくらみ始めたみたい

出典: サクラエール/作詞:足立佳奈・小林夏海 作曲:足立佳奈・宗本康兵

日常的にありふれた学校の帰り道にある公園で、女の子たちが数人で楽しそうにおしゃべりをしている光景が浮かびます。

毎年つぼみをつける桜の木ですが、卒業を控えている特別な状況だとお別れを予感させて切なくなるのでしょう。

学校の卒業式をだいぶ前に済ませた筆者としては、懐かしくてくすぐったい気持ちにさせられます。

春になったら それぞれの道
こんなふうに 会えなくなる
分かってるから

出典: サクラエール/作詞:足立佳奈・小林夏海 作曲:足立佳奈・宗本康兵

このつぼみが咲き切った頃には、「今までのようにたわいもない会話で笑い合うこともできない」という寂しい気持ちが痛いほどに伝わる部分です。

桜のつぼみが膨らみ始めた光景と夢の膨らみにもリンクして、寂しさの中にも友達や自分が歩く未来への期待も見え隠れします。

本当は伝えなければいけない大切な言葉

“あたりまえ”の日常が隠す本音

うれしい時も 凹んだ時も
あたりまえにそばにいたし
お互い今まで たくさんのこと
話したはずなのにね

出典: サクラエール/作詞:足立佳奈・小林夏海 作曲:足立佳奈・宗本康兵

いつも一緒に過ごしていると、その時間が当たり前に思えてしまって、本当に伝えたいことを伝えていなかったことには気付けません。

学校を卒業するということは、毎日のように一緒に過ごす時間がなくなるのです。

同時に、その日を境にして、言いたいことの全てを伝えるチャンスを失うことを意味します。

進学で自分が遠い場所に行ってしまうとしたら?すぐに会えない距離に友達が留学してしまうとしたら?

  • ありがとう
  • ごめんね
  • 好き

いつでも言えそうな言葉ですが、直接伝える術はなくなってしまいます。

今じゃないと伝えられない気持ち

本当は一番 大切なこと
ずっとずっと 言い忘れてた
そんな気がして

出典: サクラエール/作詞:足立佳奈・小林夏海 作曲:足立佳奈・宗本康兵

一番伝えたかったことがはっきりしたのは、卒業という節目が目前に迫っているからです。

「離ればなれになるのは寂しいことだけれど、この節目があるからこそ気付けた」という意味にも捉えられます。

あなたは伝えられましたか?

「いつでも伝えられる」と思っていると、二度と伝えられなくなる日だってやってくるかもしれません。

君(友達)の中にも宿る同じ想い