この箇所についても、印象的なフレーズがちりばめられていますね。
同じアルバムに収録されている『有心論』のサビ部分にも、似たような場面描写があります。
誰も端っこで泣かないようにと 君は地球を丸くしたんだろう?
だから君に会えないと僕は 隅っこを探して泣く 泣く
出典: 有心論/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
ここに出てくる様々な場所は、物理的な座標を表しているだけではなさそうです。
思想とか信条とか、内面的な立ち位置が離れていても人は通じ合うことができません。
逝く道とは?
『逝く道』という表現があります。
これは死ぬことではなく生きることを示しているのではないでしょうか?
自分の立場を求めてフラフラさまよっていると、誤った道に進んでしまうことがあるかもしれません。
そんな時、目に見えている神である「彼女」に正しい方向へ導いて欲しい。
「彼女」がいてくれる限り、歩き続けることができるのです。
死んでしまうということは、進むのを止めてしまうことではないでしょうか?
僕がいなくても 地球は回るのに
地球がいないと 僕は生きれない
お前が決めるままに生きてきたんだから
せめてはじめての僕がいない朝に 何か降らせてほしい
it's so easy but just it's so crazy
出典: バグッバイ/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
「彼女」に導かれて生きていたいと願っているけれど「お前=地球」に抗うことはできません。
でも、単なる地球の付属品などでなかったと思える証を残したい……。
そんな気持ちが「せめて」の三文字に込められているようです。
自分がいなくなったことで誰かが泣いてくれたら、その落ちた涙の量だけ世界を変えたのかもしれません。
ここは「好き」や「愛している」といった直接的な表現は出てこない箇所です。
ですが大切な人を想う気持ちが、無防備なほどストレートに表現されている気がしませんか?
あえてダイレクトには描写しないことで、聴き手自身の気持ちと重ねやすくなっています。
僕のいた朝と 僕のいない朝は
どっか違っててほしい 少しだけでもいいから
僕が生まれてくる前と 僕が消えたあとと
なんか違っててほしい 世界は違っててほしい
そしてそれを「夢」としよう そしてそれを「愛」としよう
それを「神」様に願おう そんな人を「僕」と呼ぼう
出典: バグッバイ/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
自分が死んでしまった後の世界を想像してみたことがありますか?
地球が回転することを止めないと分かっていても、何かが起こることを期待してしまう……。
その変わった大きさが、大切な人と育んだ「愛」の大きさとなるのでしょう。
直前の英語部分では「そんなことできっこないかもしれないけど」なんて諦めもありました。
でも、いなくなったら涙雨が降るほど「僕」は「神」である彼女を愛したいんだ!
それだけでいいじゃない。それのどこが夢物語だっていうのか?
そんな風に一気に畳み掛けてくるようです。
「違っててほしい」なんて、ちょっと受け身で控え目な表現ですが、実際はそんなものではありません。
誰が何と言おうが、「僕」は「神」を愛する存在そのものなんだ。それが「僕」の生き様だ。
そんな、何があっても揺るぎない想いを歌っているのではないでしょうか?
だから「僕」は確信しているのでしょう。
いつか「神」とグッバイ(さよなら)する日が来たら、その悲しみで地球の回転もバグっちゃうよって。
味噌汁's
気になるメンバーは?
ところで味噌汁'sをご存知ですか?
なにかと謎に包まれた4人組ロックバンドのことです。
現在のメンバーはこちらの4人です。
- ジョン次郎(Vo)
- ポール(Gt)
- マッカー(Dr)
- トニー(Ba)
なんだか知っている名前のような、知らない名前のような気がしますね。
メンバーは全員、バンド名の由来となった味噌汁をこよなく愛しています。
味噌汁をめぐり取っ組み合いの大喧嘩に発展するほどの味噌汁LOVERです。
ナイスなタイトル!
謎の多い味噌汁'sが公開している『TENDON』のMVです。
サビに繰り返し登場する「天国でどんな踊りを踊るのかな」のフレーズ。
そこから曲を『TENDON』と名付けるとは、なかなか思いつかない発想です。
RADWIMPSに負けず劣らずのネーミングセンスだと思いませんか?
さらにRADWIMPSと対バンをしたり、CDに楽曲が収録されたりと、とても親交が深い模様です。
そのひとつにシークレットトラックになった『夜泣き』があります。
RADWIMPSが彼らに提供した異色の一曲を紹介したいと思います!