夏の憂鬱[time to say good-bye]
秋に思い出すラルクの楽曲
1994年にビデオシングル「眠りによせて」でメジャーデビューを果たしたL'Arc〜en〜Ciel。
1stシングル「Blurry Eyes」は同年10月21日にリリースしています。
「夏の憂鬱[time to say goo-bye]」は1995年10月21日とちょうど1年後にリリースされたのです。
後に12cmで再発されましたが、当時はまだ8cmシングル時代。
ドラムを担当していたのも現在のyukihiroではなく、2代目ドラマーのsakuraでした。
筆者はこの8cmシングルをプラケースに収納し、大切に保管していました。
そして偶然でしょうか意図したものなのでしょうか。
8cmシングル時代のL'Arc〜en〜Cielは秋に作品がリリースされることが多い印象でした。
シングルだけど隠れた名曲扱い
元々この楽曲は、3rdアルバム「heavenly」からリカットされたもの。
ですが、アルバムに収録されている「夏の憂鬱」に更にアレンジが加えられサビも追加されています。
憂いのあるメロディに叙情的な歌詞ととにかく美しい楽曲なのですが、“隠れた”名曲と言われているのを目にしがち。
この後「風に消えないで」、今も絶大な人気を誇る楽曲「flower」のリリースによって影を潜めてしまったのでしょうか。
隠しておくのはもったいない!
そんな「夏の憂鬱[time to say good-bye]」の歌詞に迫りたいと思います。
ちなみに筆者は、サビに心を奪われ頬杖をついたのでシングルバージョン派です。
浮かんでくる情景
訪れた別れと美しい思い出
It's just the time to say good-bye
ah ah time to say good-bye
夏の憂鬱に抱かれ眠りを忘れた僕は
揺れる波打ちぎわに瞳奪われほおずえをつく
君が微笑みかけるそよぐ風に吹かれて
そんな過ぎ去った日の幻を追いかけていた
出典: 夏の憂鬱[time to say good-bye]/作詞:HYDE 作曲:KEN
サビから始まるこの楽曲。
そのメロディからも悲しい楽曲なのだろうと認識できるでしょう。
そしてやってくるのが、HYDEならではのフッと目の前に光景が浮かんでくるような表現。
これまでに見られたように抽象的な表現もありますが、どことなく受け取れるニュアンスも含まれています。
憂鬱な気分に支配され、眠ることもできない。
悲しいことがあった時や酷く傷ついた時はショックで眠りにつくこともできないこともあるでしょう。
寄せては弾けるように消えていく波。
一瞬で消えてしまう波に自分の思い出を重ねているのかもしれません。
そんな儚い波とともに、“君”の姿や思い出も打ち寄せてきます。
寄せては消え、また寄せては消え…
波を追う瞳は思い出も追いかけていたのです。
思い出に夏を重ねて
君は僕を照らす太陽
まぶしいこの日差しのように鮮やかに僕を照らしていたのに
出典: 夏の憂鬱[time to say good-bye]/作詞:HYDE 作曲:KEN
イメージするのは晩夏でしょう。
晩夏といえど、まだまだ太陽も燦々と輝いています。
僕を照らす太陽はまるで君のようだった。
僕が輝くことができたのは君という太陽があったから…
自分のまわりのもの全てに君を重ねてしまうのです。
前へ進むための“さよなら”
It's just the time to say good-bye
ah ah time to say good-bye
ゆらめく季節へ告げた
忘れかけてた優しさ連れて 明日へひとり歩いてゆくよ
出典: 夏の憂鬱[time to say good-bye]/作詞:HYDE 作曲:KEN