millennium parade名義初アルバム『THE MILLENNIUM PARADE』収録

映画『ヤクザと家族 The Family』主題歌!

millennium parade【FAMILIA】歌詞の意味解説!人生を賭けた愛の代償は何だった?の画像

いまや超人気バンドとなったKing Gnuギタリスト、そしてリーダーでもある常田大希

彼が率いるディープな音楽性を武器とするアーティスト集団、それがmillennium paradeです。

そんな彼らの初のアルバムとなった作品『THE MILLENNIUM PARADE』

今回ご紹介する『FAMILIAは、本作の収録曲の1曲となっています。

また、この『FAMILIA』は映画『ヤクザと家族 The Family』主題歌にも抜擢された1曲。

この映画は、常田大希の盟友でもある俳優・綾野剛が主演を務めたことでも一躍話題となりましたね。

元々、プライベートでも深い親交のある2人。

そんな彼らのの上で実現した、映画主題歌の最強タッグといっても過言ではないでしょう。

気になるPVはこちら

歌詞の解説に入る前に、ぜひあわせてPVもチェックしてみて下さい!

本曲のMVは、映画『ヤクザと家族 The Family』のストーリーともリンクした内容となっています。

映画の主人公であるヤクザの役を務めた綾野剛。

彼の体中に入った刺青からも、彼が只者ではない役柄を演じたことがうかがえるでしょう。

また綾野剛以外にも、市原隼人を始めとした大勢のキャストが本映像には登場しています。

ヤクザという人種として生きた一人の男が歩んだ、壮絶な人生と彼の最期

それを表すかのような雰囲気を纏ったMVであることが感じられますね。

本曲のボーカルを務めたのは、これまたKing Gnuでも常田大希と二人三脚で歩み続ける井口理

彼の透き通る繊細な歌声が、この楽曲や映画の世界観を彩る形ともなりました。

さて、それではここから『FAMILIA』の歌詞を見ていきたいと思います。

この楽曲では、一体どのようなメッセージが歌詞の中で描かれているのでしょうか。

なお、一部重複する歌詞の内容については省略してご紹介致します。

早速歌詞をチェックしよう

この身賭けたとて 釣り合う訳もない
あなたの幸せに 愛しこの日々に
意味などは要らない ただただ傍に居たい
道半ば果てたとて もう思い遺すことは無い

出典: FAMILIA/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

誰よりも大切な存在である「あなた」

楽曲の冒頭は、そんなあなたがいつまでも幸せでいて欲しい、という痛切な願いから始まります。

あなたが幸せであるためならば、自分の危険や命も顧みない。

けれど同時にあなたの幸せが、自分の身一つと引き換えになるようなものではない。

そういった意図もこの歌詞からは読み取れるように思います。

どこまでもあなたの幸せを願う、この歌の主人公の切実な願い。

そしてそれと同時に、あなたの幸せの吊り合いにもならないほど、自分自身の存在に価値などない

そんな自己を卑下する主人公の姿勢も垣間見えるのではないでしょうか。

けれど自分の命が、自分の身が、少しでもあなたの幸せを守る事に繋がるのであれば。

全てを投げ打ってでもあなたを守る、そんな主人公の強い思いがひしひしと伝わってくるようです。

自分の命に価値を与えてくれた、「あなた」の愛

自分の命なんてどうでもいいと思っていた

ぶくぶく吐き出した泡一粒 海岸に散らばる無数の石の粒
生まれも育ちも この世界の仕組みも
狂っているよ全部 俺もお前も結局

出典: FAMILIA/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

自分など、数多の群衆の中の無力で小さな存在でしかない。

水の中に浮かぶ無数の泡や海岸のたくさんの石粒に、主人公は己を準えているのでしょう。

映画の主人公となるヤクザの青年は、いわゆる「まともではない」世界で。

生まれからこの方ずっと、きっと育ってきたのではないでしょうか。

弱い存在は強い人々から守られ、自分の命を誰かに脅かされたり、誰かの命を脅かしたりすることなく

社会に暮らす大勢の人間は、きっとこれまでそうやって生きてきた人々が大半のはずです。

ですがこの世界の中には、そうではない人々も存在しているのが現実です。

自分が弱くとも誰にも守られず強者に脅かされ続け、身を守るために自身も強者になるしかなかった

そうして主人公が今まで生きてきた世界は、そうやって今まで生きてきた自分は。

社会に暮らす大半の人々から見れば、狂っているのだろう。

主人公が持つその自覚には、半ば自嘲のような感情さえ含まれているようにも見えます。

嗚呼 沸いては弾ける命か
海から揚げられた遺体は いつかの俺の姿か

嗚呼 息継ぎの仕方さえ忘れた
そんな今もただただ 生きたいと泣いてた

出典: FAMILIA/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

自分が暮らす世界で今日死んだ人の姿は、明日己が成り果てるかもしれない姿

人1人の命など、どこまでも軽い。主人公が暮らしているのは、きっとそんな世界なのでしょう。

けれど主人公が、自分の生きている世界の恐ろしさを一瞬でも忘れられる瞬間

それが、大事な「あなた」といた時間なのではないでしょうか。

自分の命など、人の命など、どうでもいいと思っていた。

けれどあなたといる時だけは、生きたいと思えたのです。まるで普通の人間のように。

差し出せるものは、自分の命しかないから