ファンへのメッセージ

レミオロメン【Wonderful & Beautiful】歌詞を徹底考察!実はファンに向けた楽曲?の画像

理想と現実のギャップがどんなに辛くても、この世界に大切な人がいる限り生きていける。

そんな心がギュッとなるような心情を描いた、レミオロメン『Wonderful & Beautiful』。

恋愛をテーマにしているようにも思える歌詞ですが、実はファンに向けて書かれた曲なのです。

プロの世界で音楽をやるということ。

そこには知られざる苦労が多々あったはずです。

周囲からの期待に苦しんだり、やりたい音楽がやれなくなったり...。

世間的に知名度の高いバンドだからこそ、相当なプレッシャーを抱えていたのだろうと思います。

それでもレミオロメンとしての音楽を続けたのは、きっと応援してくれるファンの存在があったから。

2012年に活動休止した彼らですが、ファンに対する想いは音楽という形で残っています。

彼らの音楽との向きあい方を感じられる歌詞には、レミオロメンというバンドの魅力が詰め込まれていました。

リアルな心情に注目

この曲の歌詞はファンへの感謝を綴った曲とは少し違います。

書かれているのはむしろ、音楽活動を続ける中で生まれる苦悩や葛藤。

レミオロメンとして、どんなことを感じていたのか。

彼らにとって、ファンはどんな存在だったのか。

リアルな心情が垣間見え、きっと心に深く刻まれるものがあるでしょう。

進めない、抜け出せない...

6キロ前から渋滞の列が
スキー板のように 冬の首都高を
交互に滑った 僕は苛ついた
渋滞は苦手さ

出典: Wonderful & Beautiful/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

ここの歌詞の時間帯は、恐らく日が落ちて車のバックライトが暗闇に映えて見える頃なのでしょう。

走っている道が少し坂道であるため、まっすぐに連なっているバックライトが運転席からよく見えるのかもしれません。

「スキー板」に例えられていることで、渋滞の様子をより鮮明に想像することができますね。

冬の夜、寒々しい空気の中で見る渋滞の光。

それがゆっくりと動いている様を眺め、主人公は苛立ちを感じています。

主人公はきっと1人で車に乗っているのでしょう。

退屈に過ぎていく時間の中にいると、気が滅入ってついついネガティブなことばかり考えてしまいます。

進みたいのに進めない。

抜け出したいのに抜け出せない。

歌詞を書いた藤巻亮太さんの当時の心境は、まさに渋滞にはまってしまった時と同じだったのかもしれません。

プロとしての葛藤

都会は溢れて 田舎は足りない
それとも逆か 似たようなものか

出典: Wonderful & Beautiful/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

都会に住んでも、田舎に住んでも満たされない。

これは世間の期待に応えるための音楽をやるか、自分たちのための音楽をやるかというジレンマを表しているのかも。

プロの世界に身を置いていれば、こういった葛藤を抱くことも当然あるでしょう。

聴いてくれる人がいなければ活動を続けていけない。

しかし、活動を続けることだけが曲を作る目的ではない。

何のためにプロとして音楽活動を続けるのか。

誰のための曲を作りたいのか。

結局、世間の期待に応えても、自分たちの希望を押し通しても、何かが違う気がしていたのでしょう。

正解がないからこそ、ずっと考え続けなければならない問題。

ここの歌詞ではそれをぼかして歌っているのだと考察できます。

光を追いかけ続ける

レミオロメンとして活動していた頃、彼らは楽しいことよりも苦労の方が多かったのかもしれません。

それでもきっと、彼らの視界はくすんでなどいなかったはず。

輝く光をいつまでも追いかけ続けていたことでしょう。

ファンの存在

Wonderful 間違えもある
&Beautiful 不完全でも
そこがいいって君が笑ってくれたら
Wonderful 救われるかな
&Beautiful どんな背伸びも
自分を越えられなくて
光を探したのさ

出典: Wonderful & Beautiful/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

この曲で登場する「君」。これはきっとファンのことを指しているのでしょう。

満たされない毎日の中でも、自分たちの曲を好きだと言ってくれるファンがいる。

ファンの存在が、彼らがバンドを続けていく理由の1つだったことは間違いありません。

厳しい世界を生きていくための活力をくれる存在。

自分たちの音楽を待っていてくれる存在。

ファンの笑顔を見るたび、ファンの応援を聞くたび、彼らは自分たちの悩みに答えを出せてきたのでしょう。

苦悩や葛藤を歌った歌でありながら、タイトルを『Wonderful & Beautiful』にしたのもそのためかもしれません。

辛く厳しい世界を生きてきたけれど、そこには素晴らしく美しい景色が確かにあった。

そのことを曲を通してファンに伝えようとしているのではないでしょうか?

消えない痛み