過去に経験した痛みは、月日が経過してもなかなか心から消えてくれないものです。

レミオロメンの彼らの心にも、きっと消えない痛みがあったはず。

音楽を支えにしながら、その音楽に傷付けられたこともあったのかもしれませんね。

悩みながら音楽と向きあう

トンネル前から出口の天気が
わかっていたなら傘はいるのか
何のためのもしも誰のための未来
僕は君を守れてるかい

出典: Wonderful & Beautiful/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

「出口の天気」とは未来を意味しているのでしょう。

未来を予測できたなら、慰めも励ましも必要なくなるかもしれません。

けれど実際は、明日のことすら分からないままです。

この先の未来に何が待ち受けていようと、ファンの支えになれる存在でいたい。

その願望と願望に対する不安が、「僕は~」の歌詞で歌われているのではないでしょうか?

悩み続けながら音楽と向きあう彼らの姿が思い浮かぶようですね。

降り積もる後悔と痛み

予報は外れて 予感は当たった
低い雲から 雪が千切れた

出典: Wonderful & Beautiful/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

この歌詞で歌われている予感とは、恐らく「悪い予感」の方でしょう。

未来を予測することなんてできない。

そう分かっていても、突然の出来事に込み上げる怒りや悲しみに、人はいつも翻弄されてしまうものです。

彼らもたくさんの挫折を経験してきたはず。

自分のことを無力だと感じたこともあったかもしれません。

重たい雲から雪がはらはらと降ってくる。

それはきっと、自分の中に少しずつ降り積もっていく後悔や痛みを表現しているのでしょう。

ファンと共に歌う

バンドとしての苦労や悩み。そういったものはファンには見せないようにしていたはずです。

しかし、レミオロメンの音楽はいつでもファンと共にありました。

それが最後の歌詞から、身に染みて伝わってきます。

幸福を知っている

Wonderful 不確かであれ
&Beautiful 不自由であれ
ここでいいって君が笑ってくれたら
Wonderful 限界はない
&Beautiful どんな小さな
幸せも見つけ出し
光で照らし出すよ

出典: Wonderful & Beautiful/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

どこまで進めばいいのか。

どこまでなら変わっていいのか。

それが分からず途方に暮れたこともあったでしょう。

だから今の自分たちを認めてくれるファンは、道標のような存在だったのかもしれません。

苦悩の連続の中、ふとした時に訪れる最高の瞬間。

その幸福を彼らはもう知っていたのでしょう。

「光」とは彼らにとって、自分たちの可能性を信じられることだったのかもしれませんね。

探し求めていたもの

役割だけじゃ 満たされぬまま
冬の中 手を繋いだ

Wonderful 冷たい雪ね
&Beautiful 絡めた指を
ほどかないでって 君は笑って泣いたね

Wonderful 変わりたいんだ
&Beautiful 奇跡だろうと
降りしきる雪を越え
光を探したのさ
あなたを探したのさ

出典: Wonderful & Beautiful/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

世間のイメージに合わせて曲を作っていたくはない。

「役割~」の歌詞からは、そんな想いが感じられます。

しかし、自分たちの思い通りにいくことは少なかったのでしょう。

そうして寒々しい気持ちになって、どうしようもなく温もりが恋しくなったことを「冬の中~」で表しているのかも。

苦しみや悲しみを歌った曲も、ファンは必要としてくれる。

それなら今の自分たちのままでも、いいのかもしれない。

けれどファンを大切にしたいからこそ、彼らは「変わりたい」と願ったのではないでしょうか?

今の自分たちを越えて、もっと素晴らしくて美しい景色をファンと共に見たい。

彼らが最後まで探し求めていたのは、輝かしい未来だったのかもしれませんね。

最後に