こちらは「It's all too much」のMVです。

サッパリとしたクールなメイクと服装に身を包んだYUIさんが登場。

暗闇の中でたたずみながら、何か「やるせない気持ち」を抱えている印象を受けます。

フードを被っているのは「閉鎖感」の現れなのでしょうか?

フードを外したとたん、空から流れ星のようなものが落ちてきて、空間を打ち砕きました。

そして現れたのは先ほどと対照的な真っ白な空間。

同じく真っ白な衣装に身を包んだYUIさんが訴えかけるように歌い上げます。

この一連の展開からは「現状打破」という意味が感じ取れるのではないでしょうか。

行先を失って思い悩む

一人考えにふける

YUI「It's all too much」の歌詞を解説!もう、うんざり…それでも奇跡を信じられる?の画像

コバルト色に変わる夜さ
冷たく光星空
コトバならもういらないから

涙に隠れた真実を
解き明かそうするより
根拠もない占いのほうがマシ

出典: It's all too much/作詞:YUI 作曲:YUI

「コバルト色(=強く明るい青)」の空は多くの楽曲で歌われている情景。

夕暮れに「鮮やかで深い青色」に染まった空を見た経験はありませんか?

または、標高の高い場所では大気圏の光の散乱により、コバルトブルーの空を見ることができるとも聞きます。

そんな澄み渡った美しい夜空の下、考えを巡らせているようです。

主人公が考えているのは、とある人物が涙を流した「理由」。

しかし、「真実」が分からずがんじがらめになった思考から、疲れた様子が読み取れます。

自分の本当の気持ち

灯りの無くなったベンチで
見上げたら
理想ばかり浮かぶ
流れ星でした

出典: It's all too much/作詞:YUI 作曲:YUI

考え事をしていると、空を見上げることを忘れてしまいませんか?

忙しい毎日を送っていると、ついつい前ばかり見てしまいます。

主人公はふと、頭上を見上げました。

そこには素敵な夜空が広がっていたのでしょう。

MVでも落ちてきた流れ星は、不意に浮かんだ「本当はこうしたい」という理想の比喩。

この主人公は目的を見失って、今までさまよっていたのです。

現状を乗り越えたい

現状打破したい

YUI「It's all too much」の歌詞を解説!もう、うんざり…それでも奇跡を信じられる?の画像

ねぇ!教えてよ
あるがまま生きてゆけるなら
銀河に広がる 奇跡集めて
乗り越えてみたいよ

だって身体ん中
巡る感情に
支配されてんだ

こんなんじゃダメさ
ねえ そうでしょ?

出典: It's all too much/作詞:YUI 作曲:YUI

素敵な表現ですね。

理想のままに、願望のままに、そして素直に生きてみたい。

どんな困難であっても、わずかにあるチャンスを掴み取ってみせる。

そんな想いが込められているのだと思います。

後半に出てくる「感情」は「足かせ」のような役割を果たしているのではないしょうか?

「不安」などといったネガティブな「感情」であることが想像できます。

「失敗したらどうしよう」「こんな失敗をしてしまった」と、未来や過去に囚われること。

これらは適切な判断をする妨げになるでしょう。

主人公はそのことに気が付いています。

このままじゃ「ダメ」だ。

何とかしないと。

そんな模索している状態なのだと思います。

とりあえず進んでみること

サイコロ振るみたいに決めて
後悔なんて出来ないほど
次の場所へと進んでいたい

曖昧に作られたルールブック
臆病な分だけ出遅れて
ライバルの背中見続けたんだ

出典: It's all too much/作詞:YUI 作曲:YUI

1番では考えにふけっていた主人公。

ここでは吹っ切れたように、直観のまま運命にまかせて生きていくことを望んでいます。

少し肩の荷が軽くなった印象を受けますね。

そして、後半では今までの人生を客観的に振り返っているよう。

考え悩むうちに周囲と比べて出遅れてしまった自分。

気が付けば皆の背中を追うばかりになり、焦っていたのでしょう。

しかし、「ルール」はそもそも「曖昧」だったといっています。

つまり、思い悩むほど深い内容ではなかったということ。

「曖昧」ということは、自力で模索していく余地が残されているとも解釈できるでしょう。

将来に不安を感じて恐れるのではなく、とりあえず進んでみることが正解だと気が付いたのです。

ありのまま生きる

解き放たれた流れ星