s p a c e [ s ]収録曲
Survive Said The Prophet(サバプロ)の「S P I N E」は「s p a c e [ s ]」収録曲。
英語が多いバンドなので、少々説明を加えておきましょう。
適度な距離感
まず2018年9月に発売された、サバプロ4枚目のアルバム「s p a c e [ s ]」(スペーシィズ)。
このアルバムタイトルの単数形には宇宙、空間、隙間、間隔などの意味があります。
ただしカッコつきで複数形にもなっているので、隙間、間隔の意味合いのほうが強いでしょう。
実際、「s p a c e [ s ]」も「S P I N E」も文字の間隔があいていて、空白があります。
アルバムジャケットには「様」という文字がデザインされていますが、これも間隔の意味あり。
実は一筆ごとの間隔が均等ということで習字の練習用の文字になっているそうなんです。
「S P I N E」の意味
タイトルの「S P I N E」(スパイン)には脊柱、背骨、棘(とげ)、針などの意味があります。
SPAIN(スペイン)とかSpin(スピン/紡ぐ・回転する)と間違えそうですが、別の単語です。
背骨や骨盤の歪みを改善する体幹トレーニングというものがありますが、背骨は体の中心!
その辺りから、本当に大事なこと、肝心なこと……などの意味になるのではないでしょうか。
「T R A N S l a t e d」とセットになっている?
01. s p a c e [ s ]
02. T R A N S l a t e d
03. S P I N E
04. Right and Left
05. found & lost
06. p a c e s [ s ]
07. NE:ONE
08. The Happy Song
09. UPLIFTED
10. s t i l l b e l i e v e
出典: s p a c e [ s ]/Survive Said The Prophet
アルバム「s p a c e [ s ]」には「NE:ONE」「found & lost」というアニメ主題歌が収録。
この2曲でサバプロのファンになった人も多いのではないでしょうか。
個人的には「Right and Left」が好きで、繰り返し聴いています。
今回ご紹介する「S P I N E」は「Right and Left」の前、「T R A N S l a t e d」の後に収録。
実は「T R A N S l a t e d」と「S P I N E」で歌われている内容は同じです。
どちらも英語表記の間違いからイメージされた、コミュニケーション不足による誤解がテーマ。
ただ「T R A N S l a t e d」では怒り、「S P I N E」では冷静な視点が表現されています。
こうした点を踏まえながら、「S P I N E」について詳しく見ていきましょう。
不思議なMVに震撼!
サバプロといえばクオリティの高いラウドロック!ただ「S P I N E」はメロウなナンバーです。
「T R A N S l a t e d」ではYudaiさんのスクリームいわゆるデスボイスが全開!ですが……。
「S P I N E」ではYoshさんのクリーンボイスを堪能することができます。
どちらも誤解がテーマですが、表現方法は真逆。「S P I N E」のMVはクールな仕上がりです。
全体的に白・黒・グレーのグレースケール。美しくも不思議な映像といえるでしょう。
郵便受けのような窓口に伸ばした手はゆらゆら揺れ、上下左右からビルが立ち並ぶ映像も有り。
窓口を覗き込む目、大きすぎる太陽が浮かぶ街並みなど、冒頭から錯視芸術っぽい展開です。
さらに三角形や四角形で構成された幾何学模様や歪む電柱など、不思議な現象のオンパレード。
圧巻なのは、背中に何やら背負った女性とサバプロメンバーたちの演奏シーンです。
飛び交うのは視覚化された音波でしょうか。左右対称や上下反転のめくるめく映像美たるや……。
どんなに手を伸ばしても、心の窓を覗いても、伝わらないことはある……というもどかしさ。
こんなに思いや言葉、音楽は飛び交っているのに……といった感じでしょう。