福山雅治さんの【恋人】ってこんな曲
1993年にリリースされた8枚目シングル曲
今回ご紹介する福山雅治さんの名曲【恋人】は、1993年にリリースされたバラードソングです。
【All My Loving】との両A面シングルとしてリリースされた名曲のひとつ。
終わってしまった恋愛の切ない気持ちをライブで歌う姿も素敵なので、その映像も後程紹介します♪
【恋人】の歌詞は福山雅治さんらしい言葉にならない想いを前面に出したストーリー。
別れた相手を「恋人」と呼ぶ真意とは一体何なのでしょうか。
本記事ではその気になる歌詞を徹底的に紐解いていきたいと思います!
筆者の独自考察となりますがぜひ楽しんでご覧ください。
切ないバラード【恋人】の歌詞を紐解く
黄昏に染まる街 そんな季節 切なくて
この頬に ひとつこぼれ落ちた涙の後
君が描いた夢の中で
僕は生きることが出来ず…
出典: 恋人/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治
スローなギターのメロディーとともに始まるAメロ。
福山雅治さんのセクシーで儚い、それでいてどこか力強さを感じる歌声が響き渡ります。
1行目で表現しているのは夕日が美しい季節。過ぎた時間を回想しているようですね。
そしてその時、主人公は日が暮れてゆく様子を見ながら泣いていたことがわかります。
さらに3、4行目では「君」、つまり主人公が想いを馳せている相手と一緒にいられなかったことを綴っています。
3行目で綴られているのは主人公の夢ではなく「君」の夢。
主人公はその夢に応えることができなかったのだということが読み取れますね。
では一体「君」はどのような夢を描いていて、なぜ主人公はその夢を一緒に叶えられなかったのでしょうか。
先に進めばその意味が見えてくるかもしれません。
次の歌詞に進みましょう!
忘れることのできない恋人への想い
恋人よ もうあの頃は 眩しい光の中
恋人よ もう抱きしめることなど出来ないのに
なくしても まだ忘れられぬ
君のぬくもりが消えなくて
出典: 恋人/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治
嘆きともとれる彼女への未練が感じられる歌詞。
2人で過ごした日々は楽しく幸せな時間だったのでしょう。
しかしそれはもう「あの頃」となり、思い出の中でしか存在しないものとなってしまいました。
「眩しい」と表現していることから、主人公にとってキラキラと輝いた日々だったことがわかります。
でももうそんな大切だった恋人は自分のそばにはいません。
そして「君」を敢えて「恋人」というのは、誰よりも特別な存在だったから。
それは別れた今でも、主人公の中で変わらぬ事実なのでしょう。
あの頃愛した「恋人」に想いのすべてを届けたい。
だからこそ呼びかけるような歌詞になっているのではないでしょうか。
3行目では「君」という恋人を失ったことへの未練が感じられます。
未だに「君」のぬくもりや声、香りや笑顔といったすべての思い出が鮮明に思い出されるのです。
失ったものの大切さに改めて気づいたのかもしれません。
もう戻れることなどないとわかっていても、なかなか忘れることができない切なさが伝わってくるようです。
ちゃんと別れられなかったのは傷つくのが怖かったから…
さよならを言葉にせず 恋の終わり迷わせた
やさしさの意味さえも 知らない僕がいた
あの日 君より傷つくのが
僕は怖かった とても…
出典: 恋人/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治
主人公がなぜそんなに未練を感じているのか、その理由がここの歌詞から読み取ることができます。
その理由は1行目で綴られているように、ちゃんと別れを告げなかったから。
つまり主人公は恋人にきちんと別れる理由を告げず、一方的な別れ方をしたのです。
2行目で綴られていることから、おそらくその別れ方がお互いにとっていいと判断したのでしょう。
「君」を傷つけないように別れようとして一方的に連絡を絶ったのかもしれません。
別れの理由も言わず、さよならも言わず、自然消滅のようになあなあな別れ方だったのかもしれません。
しかし今になってみればそれは「君」にとって優しさでもなんでもなかった…。
そのことに気が付いたのではないでしょうか。
そして「君」を傷つけまいと取った行動は、実は自分が傷つきたくなかったからだった、と気づいたのです。
自分の臆病さや卑怯さ、そして男としての情けなさも3、4行目からは感じ取ることができます。
時間が経ってしまったけど、もう一度君に逢いたい
恋人よ もうあの頃は 眩しい光の中
恋人よ もう名も知らぬ 誰かを愛してるの
逢えないと わかっているから
君にとても 今 逢いたくて
出典: 恋人/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治
サビ部分の繰り返しでは、「君」との日々を思い出にしようとしています。
それでも、気になってしまうのはまだ愛しているから。
さらに2行目では自分ではない他の人へ気持ちが向いてしまっているのではないかと気にしています。
もう「恋人」ではないので「君」が誰を愛そうが何も言えないのですが抑えられない感情です。
気にしてしまう理由は、主人公が別れた相手を「恋人」と呼ぶ意味にこそ隠れているのではないでしょうか。
それは、これまでの考察からまとめると“一方的な別れ”だったから。
「君」を傷つけまいとちゃんと別れを告げなかったことで、実は主人公自身が終わりにできていなかった。
そう考えられるのではないでしょうか。
そうなることは主人公もわかっていませんでしたが、時間が経っても思い出にできないでいるのです。
このことからも、本当ならあの時きちんと別れを告げるべきだったのです。
そして自分が前に進むためにもさよならを伝えるべきだったのではないでしょうか。
どんなに気持ちが残っていても逢えない…それでも逢いたい気持ちは強いまま。
そんな切ない主人公の気持ちが痛い程伝わってきます。