故に永遠に無垢を望み
雲間にまた目が向くのは何故
出典: MOIL/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
「過去と現在」の対比は「子どもと大人」の違いを浮き彫りにします。
子どもの頃は多感で、喜怒哀楽を素直に表現していたものでしょう。
その状態を一言で表すなら「無垢」。
さらに「向く」とつながるよう自然に言葉を続け、さりげなく韻を踏んでいるところが美しいですね。
誰しも歳を重ねるもの。
それでも子どもと大人の狭間にいるような気分になり、幼いままでいたかった。そう懐かしくなったのでしょう。
ただ、なぜそう感じたのか?についてははっきりせず自問自答しています。
大人になるって何?
さようなら?
大人になった
大人になってしまったみたいだ
左様なら 違う世界に交わる
雲にでもなりたい
明日がいつか 記憶になって
些細な言葉になる前に
今、募るこの想いを
あなたへと伝えたい
出典: MOIL/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
子どもの頃は早く大人になりたいと思ったり、大人になると子どもに戻りたいと思ったり。
ここでは後者の状態でしょう。
「左様」はもともと「然様」の当て字で「然るべき様子・そのよう」という意味です。
つまりここでは「冒頭2行のようなら~」と続きます。
歳を重ねてしまったのなら異世界にまぎれ込み、大人と子どもの中間のような存在になりたい。
そう願いつつ困惑しているようです。
言葉と言葉をつなぐ接続詞のような役割を果たしつつ、別れの言葉のようにも聞こえます。
子ども時代に別れを告げて大人になったとしても、伝えたい想いがあるわけですね。
晴れ=子ども、雨=大人、雲=純真な心を思い出した狭間のような状態。
そう置き替えられるでしょう。
伝えたい想いとは?
どんな形で
どんな言葉で
どんな明かりで照らせば
出典: MOIL/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
ここは須田さん自身の音楽に対する想いが詰まっていると考えられます。
自ら作詞・作曲して生み出す音楽で、リスナーを明るい気持ちにしたい、光を届けたいのでしょう。
音楽を共有して、お互いに純真な子どもの心を取り戻したい。そんな意味も込められているかもしれません。
つまり大人になるとは純真な心を失うことですね。
光に手は届く?
音楽作りの葛藤
「あなた無しでは意味がない」
など感情は盲目だ
尚更また膨らむ欠落
出典: MOIL/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪
せっかく音楽を作っても聴いてくれる人がいないと音楽家としては成り立ちません。
あるいは子どものように純真な心を失ってしまったら、音楽を生み出せない。そんな意味も含まれそうです。
ただ実際には大人なので、強く意識するほど子ども心を失ったと苛まれるのかもしれません。
なぜ子ども心を失うの?
生きていく度 より鮮明に
胸の底で別れが育つ様な気がした
故に懸命に腕を伸ばし
身勝手な光を追うのは何故
出典: MOIL/作詞:須田景凪 作曲:須田景凪