ここで、せっかくですからPVではありませんが、「チャンカパーナ」の映像を観てみましょう

どうです、「チャンカパーナ」が「愛しい人」という意味に使われているのがわかるとともに、「チャンカパーナ」がまるで固有名詞、つまり愛する女性の名前のようにも聞こえてくるでしょう。

しかも、それが、自分たちのことも指しているのだから、NEWSファンは胸をキュンと打たれて当然ですよね

NEWSのそれぞれのキャラを立てる!!

ところで、一番はじめは、増田くんが歌っています。それから、つぎに小山くん、手越くん、加藤くんの順番で1人1人歌っていき、曲の半ばでそれぞれの語りまでが入っている

個々のメンバーのファンにとっても嬉しいですよね。

でも、こうやってみると、やはりNEWSは1人1人のキャラが際立っています。

他のジャニーズ人気グループもそうなんですが、1つのアイドルグループとして歌うととともに、バラエティーやドラマに、タレントや役者、司会者として個性を発揮していくという、SMAPからはじまったアイドルの在り方があります。

それをNEWSはさらに拡大して、芸能の枠を抜け出てしまいました

小山くんはニュースキャスターとして、加藤くんは小説家、増田くんはデザインもやり、手越くんは早稲田大学中退なのですがいまはバラエティー番組等で独特な存在感を発揮しています

まずは楽曲から・・・というジャニーズの戦略

そして、そのそれぞれのキャラが、「チャンカパーナ」の中でも立っていて、それが、1つの“ギャップ”をつくり出して魅力を醸し出す要因になっています。

NEWSというグループ名とメンバーの活動からも印象を受けるように、ジャニーズのなかでひときわ“知的な”イメージがあります。

それと反対の、「チャンカパーナ」では軽快なテンポにのせて、真夜中のバスで、女性にせまり抱いてしまうというような単純で軽いノリが、知的なイメージとのアンバランスを生み出して、妖艶な香りを放っています。

ジャニーズではどのグループでも売り出すために、まずは全エネルギーを楽曲にかけます。そしてヒットを生みます。

それがあっての個々の活動ということを熟知しているのです。

「チャンカパーナ」も一見、単なるノリのいいだけの歌に思えるときもありますが、そうやって丁寧に、考え尽くしてつくられた曲の1つなんですね

NEWSシングル(初回盤)「チャンカパーナ」ってどんな意味?歌詞&増田出演PV見せます!の画像

「チャンカパーナ」の歌詞をみてみると・・・

男子が深夜バスで黒髪の女子に一目ぼれ

深夜バスで君を見た 息を呑むよな黒髪 行き先は違うけれど オレは迷わず飛び乗る

出典: チャンカパーナ/作詞:Hacchin'Maya 作曲:ヒロイズム

バス停から、窓際に座っている彼女の美しい黒髪をみかける。

それにひかれて、ほんとうはうちに帰るには、まったく違う方向であるけれどその深夜バスに飛び乗ってしまう。

これはまったく知らない女性だったのでしょうか。それとも、たとえば昼間ビーチで見かけた黒髪の娘だったのでしょうか。

どちらにせよ、その男性はどうしようもなく、その女子に惹かれてしまったのです。

次の歌詞で、一人では悲しすぎる夜で誰かと話したかったとありますけれど、それだけでは、行く先が違うバスに、しかも深夜に乗ることはあまりないのではないでしょうか。

銀河鉄道の深夜バス・バージョン???

一瞬で出会いは決まります。「自分の好みはこういう人でああだこうだ」と理屈で考えるだけでは力になりません。

むしろ一瞬の直感の方が、人生をたちまち変えてしまう衝動になります。

この深夜バスはちょっと宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』の銀河鉄道を思わせます

それを題材に作られた松本零士原作の漫画(アニメ)『銀河鉄道999』でも同じです。

主人公は、空(宙)を飛ぶ鉄道によって地球を離れ、現実離れした夢のような世界へと向かいますが、「チャンカパーナ」の彼は、深夜バスによって異次元の「別世界」へと入っていきます

しかも、それは、銀河鉄道によって得られるどんな経験よりも、人生において、もっとも甘美でかけがえのないものかもしれない・・・。

それが、サビの歌詞に表されています。

人生で一番美味しいもの

Baby チャンチャンチャンカパーナ チャンカパーナ 人生で一番美味しいもの そう ナン ナン 何度だって 君を抱いていたい

出典: チャンカパーナ/作詞:Hacchin'Maya 作曲:ヒロイズム

「人生で一番美味しいもの」という言葉です。

若い男性にとって、いやどんな年の男性でも女性でも、もっとも「美味しいもの」、もっとも「幸せなとき」は、心から好きな人を抱く(または、抱かれる)ときではないでしょうか

とくに、10~30代くらいの男性にとっては「何度だって、君を抱いていたい」は心からの本音です。

でも、そこには欲望だけではなかったということがわかります。

この歌には、彼の目線で、一人の女性がしっかりと描かれているのですが、欲望の対象として見ているだけではない、愛する女性だからこそ神聖視しているという心象が描かれています。

NEWSのファンへのリスペクトも表されている曲

「息を呑むよな黒髪」「恥じらうその瞳」などの言葉によって描写された彼女の姿には、彼からの憧れとともに、尊敬さえ感じられます。

 そして、それは「愛しい人」―NEWSファンへのメンバーたちの「リスペクト」でもあるのです