河合奈保子さん最大のヒットソング
1番の歌詞
では早速、1番の歌詞から読んでいきましょう。
「エスカレーション」とは?
WOW WOW WOW
渚はイマジネーション・エスカレーション
WON WON WON
あなたとコミュニケーション・エスカレーション
出典: エスカレーション/作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平
曲のタイトルにも使われている「エスカレーション」とはどういう意味でしょうか?
Wikipediaを調べてみると、なんとビジネス用語だというのです。
エスカレーションとは、上位者、上席者の指示を仰ぐこと。
また、マーケティング用語、特にコールセンター用語で、顧客対応においてオペレーター自身だけで対応が困難な場合、上位の管理者やスーパーバイザーなどに交代して対応してもらうこと。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/エスカレーション_(ビジネス)
しかし、この曲はビジネスを歌った内容ではありません。
英語の「escalation」の意味は「段階的な拡大」で、これでもまだわかりにくいです。
ここは、カタカナ言葉としての「エスカレートする」を名詞にした意味と考えましょう。
つまり「激しくなること」や「度を超えること」というような意味です。
この言葉の意味を踏まえると、この部分の歌詞の2行目は「想像が膨らむ」と読めます。
4行目は「やりとりが激しくなる」という感じになりますでしょうか。
コミュニケーションにも、色々な段階があります。
いまどきならSNSでスタンプだけから、電話だったり、最終的には直接会うまでありますね。
あるいは言葉遣いも、丁寧語・敬語から、くだけた表現まで。
関係が親密になるにしたがい、このやりとりも、くだけた表現になりまた深くなると考えられます。
大胆な主人公
胸の鼓動を素肌に感じるくらい
抱きしめて
大胆すぎるビキニよ
選んだ意味が わかるかしら
出典: エスカレーション/作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平
読んでおわかりの通り、歌詞は女性の主人公が恋人である男性に話しかけるような口調になっています。
「心臓の動きが肌でわかるくらい」というと相当肌を密着させる必要がありそうですね。
ここで疑問に思うのは「誰の心臓の鼓動なのか?」ということ。
女性の胸を聴診器ではなく、水着の上から触っても、心臓の鼓動は感じられるのでしょうか?
逆に、男性の心臓の鼓動ならわかるようにも思えますが…。
どちらの場合でも「それくらい強く抱きしめて欲しい」ということですね。
そして、主人公が着ている水着も「大胆すぎる」と自分で言うくらい大胆なようです。
布の面積が少ないのでしょうか?
強く抱きしめても、大丈夫なのでしょうか?
これだけで、男性ならばイマジネーションが相当働きます。
そして、何故この水着を選んだのか、主人公が理由を問う感じがとても挑発的です。
しかし、これは推測ですが主人公の方もかなりドキドキしているのではないでしょうか。
というのも、こういう挑発的な台詞を言うときの内心は「大胆な自分に戸惑ってもいる」ものだからです。
ある意味、緊張しているのですね。
相手は意気地なし?
まっすぐに見れないの
案外内気なひとね
今さら退けないわ
出典: エスカレーション/作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平
主人公による相手への挑発はまだ続きます。
男性に対して「意気地なし」と言っているわけです。
しかし、もし男性が突然アグレッシブになったら?
主人公の言ったとおりに、相手が強く抱きしめてきたら…?
主人公は相手の大胆な行動を期待しているわけですが、仮にエスカレートしたとしても覚悟ができているのです。
相当思い切った主人公。
今時でいったら「肉食系」になるのでしょうか。
ただ、やはり内心は少し違うような気もします。
それは、次の歌詞を読むと見えてきます。